この記事は約 7 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
2024年10月30日、戸籍上の同性カップルなどが国を訴えた裁判で、東京高等裁判所は、同性同士の結婚を認めない法律の規定に関して「差別的な取り扱い」として憲法に違反するとの判断を言い渡しました。
全国で訴訟を起こした同じ様な裁判で2審の判決は2件目で、どちらも憲法違反との判断になりました。
同性のカップルに結婚が認められないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める集団訴訟は、全国5ヵ所で6件、起こされています。
1審では判決が出揃って、
「憲法違反」が2件、
「違憲状態」が3件、
「合憲」が1件
と判断が分かれたといいます。
2審の判決は今回が2件目で、1件目の札幌高裁も2024年3月、「憲法違反」と判断しました。
この様に、最近の同性婚に関する判決は、「違憲」という結果が多く出ています。
この記事では、2023年から読んでいた、同性カップルゆえに、ある問題が生じたという話となります。
「家族を呼んで下さい」。6年前、パートナーを乗せた救急車内で救急隊に言われ、「私が家族です」と言えませんでした。怪訝な顔をされるのが、怖かったからでした。
2023年9月、兵庫県加古川市で同居する同性カップルは、加古川市で始まったばかりの「パートナーシップ届出制度」に申請し、二人の関係を証明するカードを受け取りました。まだ「私たちは家族です」と伝える怖さはありますが、同じ様なことが起きた時には、今度は伝えたいと思っています-。
今回は、119番通報で「家族です」と言えなかった女性同士のカップルが、その後に活かした経験をお知らせします。
女性同士のカップルに緊急事態が発生。その経験から学んだこととは?
女性Aさんと女性Bさんは、2017年から同棲し、8年目になりました。
二人とも、性自認に悩んだ経験はありません。若い頃は男性と交際した時もありました。
女性Aさんは「頼りがいがあるとか、人として尊敬できる相手が偶然女性だっただけ」と話します。
女性Bさんは20代前半で女性を好きになって、「自分は女性とも付き合えると初めて理解しました」。
二人が巡り会ったのは2016年、大阪市内にある同じ飲食店の常連だったことが始まりでした。よく話す様になり、交際をスタートさせました。
女性Bさんが救急車で運ばれたのは、同棲を始めた翌年の2018年夏でした。
不眠気味だった女性Bさんは、睡眠導入剤を内服していました。その日も自宅で薬を飲み、意識朦朧とした状態で階段を上がろうとして、足を踏み外しました。
頭を打ち、意識が鮮明ではない。女性Aさんは119番通報しました。
女性Aさんは救急車内で、「家族を呼んで下さい」と伝えられ、二人の関係を話せませんでした。
大阪に住む女性Bさんの姉に連絡し、2時間かけて病院まで来て頂きました。「『家族が来るまで話せません』と説明を拒否されるのを心配していました」。
幸い女性Bさんは軽症でしたが、同性カップルにとって、心理的な「社会の壁」を認識するきっかけとなりました。
女性Bさんは、財布に自筆のメモを入れていました。
「急病や事故等で家族に連絡を取る必要が生じた時は、女性Aさんと○○さんに連絡を入れて下さい。私はこの人たちとの面会を望みます」(○○は知人の名前)。
と、こう書かれていました。自分に何かあった時に、病院で、家族である女性Aさんと会えないことが怖かったからでした。
参考:救急車内で「私が家族です」と言えず…同性カップルが感じた「社会の壁」 パートナー証明書取得で心境の変化が 神戸新聞NEXT(2023年)
2023年8月、自宅の郵便受けに、加古川市の広報誌が入っていました。
加古川市で、LGBTQのカップルを婚姻相当関係と認める「パートナーシップ届出制度」が開始したことが記載されていました。
二人で協議して申請し、2023年9月14日、カード型の受理証明書を1枚ずつ受け取りました。
女性Bさんは、「公的な機関に私たちが家族だと認められました。安心に結び付きます」と、「今度大きな買い物があったら、ペアローンが組めます」と笑顔を浮かべます。
もう女性Bさんは、緊急連絡先として女性Aさんの名前を書いたメモを、財布に入れていません。
その反面で、女性Bさんは「人によっては女性Aさんを受け入れてくれないかもしれません。自分から説明するには、まだ周囲の視線が気になります」とも口にします。
女性Aさんも「パートナーの証明は頂きましたが、まだ相手がどう思うかを考えてしまいます。『家族ですか?』と聞かれて、すぐに『はい』と述べるには躊躇いがあります」と打ち明けました。
女性Aさんは「私たちみたいな関係を、普通に受け入れて頂ける社会になってくれたら良いですね」と笑みを浮かべました。
最近、それ以外のLGBTQにまつわる話題
2024年11月13日、民事裁判の傍聴時にLGBTQを象徴するレインボーカラーの靴下の柄を隠す様に求められた学者や、再審公判で被告を支持するバッジを外す様に裁判官から求められた弁護士など3人が、裁判所の対応は違法として、国に損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。
Cさんは2023年6月8日に福岡地裁であった同性婚訴訟の判決言い渡しの裁判を傍聴する時に、レインボー柄のある靴下と半ズボンを着用していると、裁判長の指示でレインボー柄が見えなくなる様に伝えられました。
弁護士Dさんは再審公判の第1回期日からバッジをつけて弁護活動をしていましたが、2024年4月24日の公判で裁判長からバッジを取り外す様に伝えられ、次回以降の裁判ではバッジを着用しない様に要求されました。
また、3人は、入廷を拒まれる理由や必要性などに関して何も裁判長か具体的な説明を受けずに指示されました。
このレインボーカラーを傍聴席では隠す様に言う話題は、2023年にも記事を書きました。やはりこの議論はずっと言われている問題だなと思いました。
本題の女性同士のカップルも、今でも「家族じゃない人は病室には入れません」という話を、よく聞きます。
日本は婚姻をした異性同士のカップルのみに、家族と認める、そういう慣習が根強くありますからね。
同性婚もずっと議論されていますが、名字と同じにできる、「夫(未届)」と書かれた住民表を交付するという自治体も出てきましたが、結婚することができない。
それでも、結婚は好きな人としたいものだと思いますよ。
本題の女性同士のカップルは、同性婚はできなくても、夫婦のカタチを見つけました。
どうしても、女性と男性の異性が結婚のカタチだという風習が無くなりませんが、どちらの性を好きになっても、好きな人と一緒に居たい、そんな国にしていかなくはなりませんねー。
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す