過度の緊張が招く体調不良〜原因と付き合い方〜

不安障害

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緊張状態。

それは誰もが経験したことのあるもの。

人前で何かを発表する時、新しい環境に飛び込む時、大切な人に会う時…

様々な状況で、人間は緊張状態になります。

そして、緊張状態の時、人はしばしば体調を崩してしまうことがあります。

腹痛や下痢、動悸や息切れ、眩暈など、出てくる症状は人によって様々です。

中には、その症状が強く出過ぎて、立っているのもやっとの状態になってしまう人もいます。

筆者である私、ツワブキもその1人です。

こちらの記事では、ツワブキの体験談を交えつつ、緊張してしまうメカニズムや緊張との付き合い方について考えていければと思います。

緊張がもたらす体調不良〜ツワブキの場合〜

元々ツワブキは、緊張しすぎて体調を大きく崩すタイプではありませんでした。

20代に入るまでは、精々がお腹を壊してしまう程度。

それが、後述する「不安障害」と診断された頃から、過度に緊張するようになってしまい、動悸と息切れ、眩暈、呼吸の苦しさなどを感じるようになりました。

人目があるところで症状が出た時は、傍目にも「体調が悪そうな人がいる」と思われているような気がして、早く落ち着きますように、倒れてしまいませんようにと頭で念じるばかりです。

そしてこの過度な緊張の最も迷惑なところは、「これから楽しいことがある」というワクワク、ドキドキという意味での緊張でも同様の体調不良を引き起こすところです。

ツワブキはゲームやアニメなどが好きないわゆるオタクです。

例えば楽しみにしていたゲームのイベント。例えば好きな漫画が原作の舞台観劇。

見に行けることが本当に楽しみで楽しみで仕方がないのに、過度な緊張から体調を崩し、イベントが始まるまで苦しい思いをしながら待つこともしばしばです。

イベントが始まってしまえばじきに症状は治るのですが、とにかく待ち時間が苦痛で仕方がありません。

そのうち、過度な緊張を呼んでしまうので、イベントや舞台観劇に出かけること自体を敬遠するようになってしまいました。

過度な緊張で体調を崩してしまわなければ、本当に楽しいことばかりなのに。

緊張→体調不良のメカニズム

そもそも、なぜ緊張すると体に影響が出てくるのでしょうか。

人間の体には、内臓などの機能を調整するために24時間働き続ける神経、自律神経があります。

自律神経には、日中や活動時に活発に働く「交感神経」と、夜間や安静時に活発に働く「副交感神経」の2種類があります。

日中は交感神経が働くことで活発に活動ができ、夜間は副交感神経が働くことでゆっくりと休むことが出来る、という仕組みになっている訳です。

そんな交感神経を働かせるのに、体内では「アドレナリン」という神経伝達物質を使います。

アドレナリンは「ノルアドレナリン」という物質から生成されます。

ノルアドレナリンは、特に緊張や不安を感じた時に分泌され、血圧上昇や体の震え、動悸などを引き起こします。

つまり、緊張する→体内でノルアドレナリンが分泌される→動悸などの症状が出る、ということです。

どのくらいのストレスを受けるとどのくらいのノルアドレナリンが分泌されるかは、生まれた時から決まっており、個人によって差があるようです。

同じ状況に置かれても緊張して体調を崩す人、体調を崩さない人に分かれるのはそういった理由からです。

過度な緊張を生む病気〜不安障害〜

どのくらいのストレスでどのくらいノルアドレナリンが分泌されるか、つまり緊張するかは生まれた時から決まっていることは既にお話ししました。

しかし、ツワブキがそうだったように、同じストレスで起きる緊張の度合いが、何かのきっかけで変わってしまうこともあります。

その理由の一つとして挙げられるのが、体験談の中でも少し触れた「不安障害」という病気です。

不安障害とは、大雑把に言えば不安によって日常生活に支障をきたす状態になる病気です。

不安を感じなくてもいいはずの場面で不安を感じたり、頻繁に不安を感じたり、不安が長く強く持続したりする場合は、不安障害であると診断される場合があるようです。

ノルアドレナリンは緊張した時だけでなく、不安を感じた時にも分泌されます。

そのため、不安障害を患っている人は、そうでない人よりもより分泌量が多くなり、過度な緊張状態になった時のような身体症状が出やすくなるのでしょう。

不安障害と一口に言っても、その中には全般性不安障害やパニック障害などさらに細かい分類がありますが、どれに当てはまるかによっても身体症状の出方には差があると思います。

ツワブキの場合、「外出する」という行動に強い不安を抱くようになり、特に人の多い場所に行くことが昔に比べてとても苦手になりました。

イベントや舞台観劇に行った際に体調を崩すようになったのは、その不安感でノルアドレナリンが大量に分泌されるようになったためだと推測できます。

緊張・不安とどう付き合うか

緊張のしやすさは生まれつき決まっている。

不安によって日常生活に支障をきたす病がある。

どちらも気力で解決できるような問題ではありません。

緊張しない、不安を感じないということも不可能です。

なぜなら、どちらも人間にとって必要であるからです。

人間が能力を発揮しパフォーマンスを向上させるには、適度な緊張が必要だと言われています。

また、不安は恐怖に根ざしたものであり、恐怖という感情は生き延びるために必要なものです。

度を越したものになるから問題なのであって、それ自体は必要なことなのです。

では、諦めるしかないかというと、これもまた違います。

まず、不安障害などの病気を患っている場合、薬での治療がとても効果的です。

ツワブキの場合は、一時は外出困難で引きこもってしまうところまで不安がひどくなっていました。

しかし、不安を抑える薬を飲み始めたことによって、買い物に行ったり作業所に通ったりということができるようになっています。

もしこの記事を読んでいるあなたや、あなたの周囲の人が過度な緊張・不安に困らされているなら、心療内科などで相談してみるのも良いかもしれません。

他にも、手や手首にあるツボを押したり、腹式呼吸を意識して息を整えたり、首を濡れたハンカチなどで冷やして副交感神経の働きを強めたりすることで、緊張を和らげることができるそうです。

そちらは自分で手軽に試せるので、緊張を感じた時は試してみるのも良いかもしれません。

終わりに

元々出不精なツワブキにとって、ゲームやアニメのイベント、舞台観劇は外に出る良いきっかけでした。

しかし、不安障害と診断され、自分に合う薬が見つかるまでの間に、そうした場に挑戦しては苦しい思いをして、次第にイベントや舞台観劇を敬遠するようになってしまいました。

昨今はコロナ禍によってイベントや舞台の開催頻度自体が多くなく、機会もあまりありませんが、せっかく服薬によって日常生活は問題なく送れているので、また挑戦したいという気持ちが湧いてきています。

この記事を読まれた方の中には、同じように過度な緊張や不安で悩まれている方もいるかもしれません。

そうした方にとって、この記事が少しでも助けになれば幸いです。

あなたや私の次の挑戦が、「楽しかった!」で終わることを願って、終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

参考サイト

・「緊張」のメカニズムを知って、「緊張」と仲良くつき合おう!

https://tenki.jp/suppl/r_miwa/2019/05/16/29087.html

・不安症の概要

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/10-心の健康問題/不安症とストレス関連障害/不安症の概要

 

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