この記事は約 7 分で読むことができます。
難病当事者たちのメッセージを集めた本を、難病と診断されて1日目の人に届けたい!
先日こんなタイトルの素敵なプロジェクトがCAMPFIREで誕生しました!
発起人は自らも指定難病のネフローゼ症候群を発症している、琉球大学4年生の安部弘祐(あべこうすけ)さん。『どん底1日目‐難病当事者が綴る45通の手紙‐』と題した様々な難病当事者のための書籍の自費出版を企画されました。
今回の出版企画は、難病当事者の方々、またはそのご家族の方々の「将来に対する漠然とした不安」を少しでも和らげる事を目的としています。
AKARIでも当事者の声をお届けしている関係で強い関心を持ち、わずかな額ですが編集長島川も支援をさせていただきました。今回はプロジェクトをこのAKARIでも紹介させていただき、少しでもこのプロジェクトの成功の手助けをできればと思い、筆を取らせていただきました。
▶どんな本なのか?
この本は今回の発起人の安部さんが、自身のネフローゼ症候群の闘病を通して感じた「孤独」や「将来に対する漠然とした不安」を和らげてくれた同じ難病当事者の方々の投稿やメッセージにヒントを得て、「難病当事者から難病と診断されて1日目の人に送る手紙」というコンセプトが生まれ、「どん底1日目ー難病当事者が綴る45通の手紙」という本のタイトルが決まりました。
今回は、ご協力頂いている45名の難病当事者の方の手紙を集めて自費出版されます。
メッセージのテーマは「難病を発症した時、一番つらいことがあった時の自分に対して、今の自分が伝えたいこと」です。以下はページのイメージになります。
1P目には、手紙の中で一番伝えたい事を載せます。
2P目には、書いてくださった方のお名前(仮名、匿名あり)、病名、発症当時や現在の年齢、SNSのIDを載せます。これらは任意なので、本人が載てもいいという内容を載せます。
「本にあるメッセージだけでなく、メッセージを書いてくださった方と繋がり、実際に相談することができる仕組みを作ろう」と考え、こういった形になっています。ただでさえ同じ難病の当事者同士が出会うことは難しいので、SNSなどで繋がれるのは本当に大きいと思いますし、お互いの存在に励まされると思います!
▶なぜ本なのか?
1つ目は「病院の病棟の本棚」に置けるからです。
今回の本を手に取って欲しい人が、一番手に取りやすい環境が、病院の病棟です。
応援プランで寄贈頂いた本、及び売り上げの一部を本に変え、指定医療機関に寄贈されます。
2つ目は「病院の病棟にはWiFiがないので、電子書籍が読めない人が居る」からです。
病院の病室には、WiFiが無い事が多く、こういった障壁を無くすために、本という形を選択されました。
ここからはクラファンの本文を引用してこのプロジェクトを通じて目指す世界観について紹介したいと思います。連絡先なども掲載させていただきますので、気になった方はぜひアクセスしてください!
▶目指す世界観(ビジョン)
「どん底1日目ー難病当事者が綴る45通の手紙ー」は、”難病当事者及びそのご家族の将来に対する漠然とした不安を取り除く”為にあります。
そのため、今回のクラウドファンディングだけで出版は終わらず、「手紙を書きたい!」とおっしゃってくださる難病当事者の方々のメッセージを集め、
第2弾、第3弾、第4弾と少しずつ活動を広げていきながら、全国の指定医療機関に本を寄贈していきます。
当面の目標は、「将来どうしよう…」と悩んでいる難病当事者の一番近くに本を置くこと。
つまり、「全国の指定医療機関に本を寄贈する」ことです。
この活動は、少しずつ広げていきます。
しかし、現在新型コロナウイルスの影響で指定医療機関に本を寄贈できない状況にあります。
この状況を鑑み、今回のクラウドファンディングでは私たち出版委員会に「応援プラン」として本を寄贈して頂き、新型コロナウイルスの影響が落ち着き次第、順次医療機関にお届けしていきます。
ご支援、シェアなどのご協力よろしくお願いします!
▶連絡先
●どん底1日目ー難病当事者が綴る45通の手紙ーSNS:公式Twitter
●どん底1日目ー難病当事者が綴る45通の手紙ーSNS:公式Instagram
●どん底1日目ー難病当事者が綴る45通の手紙ーメールアドレス:nanbyoutegami0615@gmail.com
▶ネフローゼ症候群とは…
ここからは安部が発症し現在も闘病中のネフローゼ症候群について簡単にご紹介します。
ネフローゼ症候群とは、尿から大量のたんぱくが漏出し(蛋白尿)、その結果血液中のたんぱくが減少する病気です。体のむくみ(浮腫)や腎機能の低下に加え、様々な合併症(血液が血管の中で固まってしまう血栓症、腹膜炎をはじめとする感染症など)も起こします。他の病気が原因で起こるものもありますが、多くは原因不明で、特発性ネフローゼ症候群と言われます。私どもが中心となって行った最新の全国調査では、日本では1年間に小児人口10万人あたり約6.5人発症し、男の子は女の子の約2倍多く発症し、また約50%が5歳未満に発症することが分かってきました。
多くは副腎皮質ステロイド(プレドニンなど)を使った治療を行うようですが、ステロイドの副作用(骨がもろくなる骨粗鬆症や成長障害、眼圧の上昇、高血圧や感染症など)が大きな問題になり、10年以上にわたって再発を繰り返す場合もあるなど、かなりの難病です。
胸部や腹部に水がたまる(胸水、腹水)こともあります。安部さんも一時は体内に溜まった水で肺の3分の2が圧迫されるなど、危険な状態もあったようです。
関連記事:ネフローゼ症候群(腎臓と尿路の病気|腎臓の病気)とは – 医療総合QLife
▶YouTubeなどでの出演
自信が抱える症状などについてや出版への想いは当事者の方との対談動画で詳しく語られています。
以下は、同じく難病のSMAを抱えながら活動しているMegさんや、EGPAを抱えているhajimeさんとの動画です。よければこちらも併せてご覧ください。
追記:120%達成!安倍さん、おめでとうございます!
AKARIで取り上げた後、clubhouseで安部さんと対談するなど、できる範囲で支援をさせていただいていたのですが、3月24日に目標の100万円に無事到達し、それだけでも喜んでいたのですが、最終日の3月30日までになんと当初の100万円を上回る120万円もの支援を233名の方から受け、見事にネクストゴールに設定した120%も達成し、当初の予定よりも多くの人に届けられることになりました! 安倍さんおめでとうございます!
このプロジェクトのもう一つの狙いとして、難病でなかなか働きに出るのが難しい方が、このプロジェクトの返礼品に使うアクセサリーの制作・販売を通して、少しでも生活の支援になればというものがありましたが、それも多くの方が応募されて、約1万円をそのアクセサリーを制作された方に手渡すことができたそうです。
今回このクラウドファンディングに寄せられた様々な方からのメッセージを読ませていただき、いかにこのプロジェクトが色んな立場・状況の方から期待されているかがよくわかりました。今後も第二弾も視野に入れて、活動されて行かれると思いますが、私たちもその姿をまた追っていきたいと思います!
→HOME
コメントを残す