LGBTの一種ノンバイナリー、サム・スミスが苦悩していたこととは…

ノンバイナリー

この記事は約 11 分で読むことができます。

わたしはつい最近、サム・スミスさんというアーティストを知りました。

音楽再生アプリのプレイリストで見つけたのですが、イギリスのシンガーソングライターで、グラミー賞も受賞しているアーティストです。
わたしには、とてもやさしい歌声で、やわらかな曲調だなという印象です。

彼のことや、英語の歌詞の和訳も知りたいと思いいろいろと調べたら、彼はノンバイナリーと言われるタイプの人だということがわかりました。

彼はノンバイナリーと呼ばれる人です

ノンバイナリーという言葉を聞いたことはありますか?
ノンバイナリーとは、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の中の、トランスジェンダーと同じようなタイプです。
自分の性別を男性なのか女性なのか曖昧に捉えているひと達のことですね。

サイトによっては、彼のことを同性愛者だと言っているサイトが多くありますが、彼自身ノンバイナリーだと宣言しているので、そのように進めていきたいと思います。

サム・スミスの生い立ち

1992年5月19日、イギリスで生まれたサム・スミスさん。
彼の家ではいろいろなジャンルの曲がかけられていたそうです。
中でも、ホイットニー・ヒューストンの『My Love Is Your Love』という曲に感銘を受け、アーティストの道を目指します。
幼少の頃から、ジャズバンドやオペラ楽団などに所属し、歌唱法や作曲法について学んでいたといいます。

そんな彼がノンバイナリーだと明かしたのは10歳の頃でした。
3歳の時から自覚していて、家族や親しい友人などに限定して明かしていたそうです。
幸い、周りからは理解を得られ、比較的自分らしくあるのに不自由を感じない環境でした。

そんな環境下でもあったことから、女性らしいメイクや服装をすることもあったようです。
彼が有名になってから自身がノンバイナリーであることをカミングアウトしたのは2014年5月のことです。

ノンバイナリー特有の悩み

過去の対談で、「いつも心と身体の中で、ちょっとした戦争が起きていた」と話しています。
時々、頭の中が女性的な考え方になって、性転換も考えることがあるそうです。

「自分は男性でも女性でもなく、その間のどこかを漂っているような気がする。ジェンダーは全て、男性と女性の間のどこかにある」

スミスさんは異性愛者を自認する男性と交際したことがあると語り、「恋に落ちる対象は人であって、性別じゃない」と信じていると話しました。

また、ノンバイナリーの人は性的な経験を広げたい人の「フェティシズムの対象」にされる可能性もあるといいます。
スミスさんは過去にモデルのジョナサン・ザイゼルさんや、俳優のブランドン・フリンさんと交際していましたが、こうした関係にノンバイナリーとしての性自認がどう関わっていたかには触れていません。
しかし、ノンバイナリーだとカミングアウトしたことで、自分の身体イメージに満足するようになったと話しています。

「私は色々な面で女性的で、それがいつも嫌だった。自分の中の女性の部分が許さない外見というのがあって、だから自分はそういう外見には絶対にならない。太るときは、女性のような太り方をするし。実際、それがきっかけだった。自分を見て、自分は男性でもなく女性でもなく、ただ自分という存在なんじゃないかと思った」

他に、俳優のエズラ・ミラーさんは2018年にノンバイナリーだと公言しています。マイリー・サイラスさんも以前、自身をジェンダーニュートラル(従来の性差に捕らわれないあり方)だと説明しています。

ノンバイナリーの人たちは、日常的に他人からの厳しい目にさらされているといいます。

『Diamonds』の女性的な歌詞

Have it all, rip our memories off the wall
All the special things I bought
They mean nothing to me anymore
全て持っていきなよ、壁から僕たちのメモリーを全て剥がしなよ
僕が買った全ての特別な物
それは僕にとってはもう何も意味のない物だから

But to you, they were everything we were
They meant more than every word
Now I know just what you love me for
でも君にとってはその物が僕らの全てだったんだね
(君にとっては)その物はどんな言葉よりも意味のある事だったんだ
今僕には分かるよ、君がなぜ僕を愛していたのかが

《中略》

You dream of glitter and gold
My hеart’s already been sold
君はキラキラしたものや黄金の事を夢見るんだ
僕の心はもうすでに他の人に取られているんだよ

《中略》

My diamonds leave with you 
You’re never gonna hear my heart break
僕のダイヤモンド(君への愛)は君と共に去って行くんだ
僕の胸が張り裂ける音を君はもう聞くことはないよ

《中略》

 

この曲は、恋人が自分との価値観の違いで傷ついてしまった歌です。
愛よりお金を選んだ恋人に対しての歌でしょうか。
”ダイヤモンド”という言葉のチョイスに注目してみました。

ダイヤモンドが出てくる歌詞を歌うアーティストは、女性によく見られることが多いと思います。
ダイヤモンドは女性が身に着けることが多いので、女性によくある表現だと考えられます。

サム・スミスさんはダイヤモンドと表現することで、女性的な気持ちであったことを示しているように思うのです。

『I’m Not The Only One』の女性的な歌詞

You and me, we made a vow
For better or for worse
I can’t believe you let me down
But the proof’s in the way it hurts
君と僕は誓いをしたよね
良い時も悪い時もって
でも信じられない、君に傷つけられるなんて
でも証拠はこの痛み

For months on end I’ve had my doubts
Denying every tear
I wish this would be over now
But I know that I still need you here
最後何か月か疑ってたんだよ
涙をこらえながら
もう終わっていてほしいって願う
でも君がいまここに必要なんだ

You say I’m crazy
‘Cause you don’t think I know what you’ve done
But when you call me baby
I know I’m not the only one
君は僕をおかしいと言う
だって君は僕が君がしたことを知っているって知らないから
でも君が僕をベイビーって呼ぶとき
そう呼ばれるのは僕だけじゃないって知ってるんだ

《中略》

I have loved you for many years
Maybe I am just not enough
You’ve made me realize my deepest fear
By lying and tearing us up
君を長年愛し続けてきたけど
僕は君を満たせられなかったんだろう
君は僕が一番恐れていたことを実現させたんだ
嘘をついて、僕たちを引き裂くことで

《中略》

この曲は、おそらく恋人の浮気に悩んでいる歌だと思います。
このような歌は、どちらかといえば女性アーティストに多く、男性には珍しいテーマだという気がします。
ミュージックビデオでは女性が主人公ですしね。
女性・男性に捉われない、サム・スミスさんだからこそ作れる歌なのかもしれません。

『HIM』が伝えるノンバイナリーの苦悩

Holy Father
We need to talk
I have a secret
That I can’t keep
神父様
話があります
隠していることがあるのです
けれど、もう隠し通せない

I’m not the boy that
You thought you wanted
Please don’t get angry
Have faith in me
僕は人と違うんです
あなたが望むような男じゃない
でも、どうか怒らないで
信じてください

Say I shouldn’t be here but I can’t give up his touch
It is him I love
It is him
Don’t you try and tell me that God doesn’t care for us
祈る資格なんてないのかもしれないけれど、彼の想いを拒むことはできません
僕が愛しているのは
彼だから
僕らを突き放すのはやめてくれませんか?

It is him I love
It is him I love
僕が愛している相手は
彼なんです

I walk the streets of Mississippi
I hold my lover by the hand
I feel you staring when he is with me
How can I make you understand?
ミシシッピの道を歩きながら
愛する人と手を繋いでいると
あなたの視線を感じます
どうしたら理解してもらえるのですか?

《中略》

Holy Father
Judge my sins
I’m not afraid of what they will bring
I’m not the boy that you thought you wanted
I love him
神父様
裁いてください
何が起きても恐れない
僕はあなたが望むような男じゃありません、だって
彼を愛しているから

ノンバイナリーの自分に降りかかる精神的な苦しみに襲われながらも、自分らしく生きていくことを強く決心した内容の曲になっています。
「神父様」と語りかけているのは、おそらく自分たちに差別や偏見を持っているひとを指しているのだと思います。
まわりに、自分たちのようなひとを認めてくださいと語りかけているようです。

 

 

彼の歌は、多くのひとに共感を与えています。
それはLGBTのひとに限ったことではありません。
男性・女性の心を持った彼だからこそ、作れる歌です。

 

わたしは今まで、LGBTと呼ばれるひと達がいることはわかっていても、そのひと達がどんな思いで生活しているのか、苦しんでいるのか想像したことはありませんでした。

わたしが彼の歌を聞いて関心を示したように、同じように興味を持ってくれるひとが増えればいいなと思っています。

そのためにも、サム・スミスさんにはたくさんグラミー賞をとって頂きたいです!!

 

関連記事

同じAKARIのライター、shinさんの記事です。
LGBTに対して理解が進んでいるアメリカでは、Facebookでの性別は58種類の中から選択できるようになっているようです。

アメリカ版Facebookには58種類の性別が用意されている

 

こちらも同じAKARIのライター、SALADさんの記事です。
LGBT当事者の、異性愛者との恋愛・結婚観についての苦悩が記事に収められています。

私はマイノリティ~LGBTQ当事者として~

 

暮らしや健康に関する有益な情報を発信するWebライターichihimeのおすすめ記事

HOME

ノンバイナリー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です