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就労継続支援A型事業所TANOSHIKAでは、昨年10月から久留米工業大学より、初のインターンとして菊政弘晃さんをお招きし、TANOSHIKAを運営する株式会社sancyoの本社を中心に活動をしていただいています。
今回、1月末で研修期間が終了することを受け、ぜひ普段大学でどんな活動をされているかについてや、インターンを通じて感じたことなどをお聞かせいただきたいと思い、2021年1月20日にインタビューの機会をいただきました。
今回はAKARIのライターpiasuと編集長島川の二人から菊政さんに様々な質問をさせていただいています。
島川はオンラインで参加して密を避け、piasuと菊政さんは面談室で以下のようにアクリル板を挟んで対談し、感染対策をしながらこの場を設けさせていただきました。ぜひ最後までお付き合いいただければと思います!
大学での活動について
島川 菊政さんは久留米工業大学ではどのような活動をされているのですか?
菊政 大学では工学部情報ネットワーク工学科に所属していて、そこではWebデザインやプログラミングの勉強をしています。ただ、すごくプログラミングに興味があるわけではなくて、どちらかというと人とのつながりに関することについて興味があって、地域の方との交流の場となるものを企画したり創らせていただいたりしています。そういったイベントやセミナーに参加したり、自分で運営したりしています。
piasu 工学部に進学しようと思ったきっかけはありますか?
菊政 高校生の時にゲームに興味があって、今まではゲームをプレイヤーとしてやっていましたが、自分で作ってみたい、もっとこうなったらいいのに、こういうゲームだったらいいのにという思いがあって、ゲームが作れる学校や学部ということで、工学部に進学しました。
島川 菊政さんが活動されている学生団体LiNKでは、どのような活動をしているのですか?
菊政 まずLiNKはみんなが同じ方向や目標に向かって活動するサークルや部活とは違って、皆が同じ方向に進んでいるわけではなくて、皆それぞれやりたいことがあって、それがどうやったら実現できるかについてアイデアを形にできるか考え、実践する事を目標に、自分たちが「したい」と思ったことを「カタチ」にする為、1人1人がLiNKの中や外でプロジェクトリーダーとして活動してする「ゆるいつながり」だと捉えています。
メンバーが現在行っている活動内容は、以下の5つです。
1.ポッドキャストでラジオ配信
Podcastというアプリを使って、LiNKメンバーで4人が日々の日常からテック系の話題を中心にいま気になることを勝手に掘り下げるフリートーク番組「学生のイドバタ会」を配信しています。
2.絵本を複数人で作成
絵本を分業して制作し、「オンライン公民館」というイベントに参加して披露しました。
3.学生同士で勉強会を開催
それぞれの大学で学んだ分野についてセミナーを開いています。
4.起業する
自分がしたいことの一つの形として実際に起業したメンバーもいます。
5.オンラインでのイベントやセミナーの開催
大学の入学式やサークル紹介など先輩と交流する機会がコロナ禍でなくなってしまって、学校に入ったもののどんなサークルがあったり、どう入ったらいいか分からないという状況がありました。LiNKの方からオンラインでサークル紹介をできないか大学に働きかけて開催しました。
島川 自分も大学ではサークルを運営する側でしたが、実際人を集めるとなったら一度お互い会わないと分からない部分もあるので、学生も大学側もそういう機会を作ってくれて大変助かったと思います。
piasu 菊政さん自身は、どの様な活動をされているのですか?
菊政 先ほどのオンラインサークル紹介や、LiNKが今発足して一年くらい経ちますが、「参加したけど面白くないな」となって消滅しないように、部長としてLiNKの活動全体をみています。
島川 どのような経緯、想いでLiNKで活動する事になったのですか?
菊政 2019年に、『学生が主体となり学校の垣根を越えて、主体的に活動する学生団体』があったら良いよねという話が久留米市役所の方からあり、とても共感しました。そこでその話を聞いた学生3名を中心に2か月くらいでメンバーを集め、発足に至ります。
僕自身、LiNKが発足する以前に、友人と一緒にプロジェクト団体を学内で創立し活動してたのですが、「もっと視野を広げて、他の学校に所属する学生とも何かしたい」という思いがありました。大学の外にサードプレイスとして存在し、様々なフィールドで活動する学生が集まるLiNKはとても良い環境となっています。」
引用元:12月10日西日本新聞「ちくごbiz」学生集いビジネス実践
piasu LiNKの名前にはどんな想いが込められているのでしょうか。
菊政「学生がまずつながるというということを大事にしていて、L…leamar i…innovation N…network of K…久留米の頭文字を取っています。久留米にゆかりのある学生がゆるくつながることで何か生まれるかもしれない、そういったつながりを大事にしていきたいという想いが込められています。」
島川 LiNKで活動している中で喜びを感じるのはどんな時でしょうか。
菊政 「久留米にこんな子いたんだ」「普通だったら絶対に会う事が無かったよね!」というタイプの違う学生同士がLiNKを通して出会い、新たなアイデアと目標が生まれる。そういった環境をつくる事ができたのは非常に喜びを感じます。大学で友達と話していると同じような人と同じような話をすることが多くなりますが、大学の外に出て、全然違うカルチャーの人と話をすることで新しい出会いが生まれています。
また、「〇〇したいけど、どうせ無理…」「アイデアはあるけど、自身が無くて行動に移せない」そう言った声を聞くことがありました。そんな方には是非LiNKに参加して欲しいです。LiNKでは「まず行動してみる」という文化があるので、挑戦への1歩目を踏み出せるのでは無いでしょうか。
イベントについて
piasu 去年の夏、新型コロナで中止になった「筑後川花火大会」などのイベントが中止になったことを受けての企画、「FIRE-net-WORKS」の活動もされたと聞きました。どういう経緯、どのような想いでその活動に至ったのでしょうか?
菊政 LiNKとはまた違い、こちらの企画は僕が所属する工藤研究室での活動になります。工藤先生はデジタルアートに精通した先生で、先生から「CGで花火を打ち上げることを考えている」という話を聞きました。
「夏祭りなどが中止になって、皆が夏を感じられることがないなぁ」と思っていた時に話を聞いて最初は「CGで花火打ち上げるってどういうこと?」と思いましたが、「コロナで中止になった花火大会に代わって、CGで花火を打ち上げて、それをzoomで遠隔で参加している人が楽しんでもらえるイベントを開きたい」ということだったので、「僕も何かお手伝いさせて下さい!」と思わず出てしまったのがキッカケで参加させて頂く事になりました。
個人的に花火大会はとても好きです。理由は、夜空に浮かぶ鮮やかな花火を見ず知らずの方が一同に見上げる。そんな一体感がとても好きです。しかし、コロナの影響で下を向く事が多くなってしまった。制作メンバーは「今の暗い世の中に希望の光を打ち上げて、笑顔で溢れる機会を創りたい」という想いで活動しました!
島川 自分も動画を観させていただきましたが、凄いいいCGだったので驚きました!
観ていると気分が明るくなって本当に花火大会に参加したような気持ちになれそうだなと思いました。
piasu 菊政さんは、その中でどのような活動をされていたのですか?
菊政 僕は少しデザインをかじっている為、チラシの作成を担当しました。そして当日の久留米シティプラザでの投影イベントの運営にも携わりました。
≪菊政さんがデザインされたイベントのチラシ≫
島川 この活動してみて、何か感じるものはありましたか?
菊政 この企画は参加者の笑顔を認識して「自分の笑顔の花火」が打ちあがる仕組みになっています。
自分の笑顔花火が打ちあがったのを見た人全員がとてもニコニコしている。画面越しではありますが、その様子を見た人が更に笑顔になる。笑顔の連鎖・循環が起きていました。そうした自分が参加しているという感覚が味わえるという点がCGならではでした。企画を通じて、「自分たちで制作したモノで人を笑顔にするのはとても気持ちがよいことだ」とモノづくりの本質を体験する事ができたと思います。
※このイベントについては西日本新聞でも取り上げられました。下記からはデジタル技術で制作された実際の映像も見ることができます。
関連記事:【動画あり】CGで「たまや~」 デジタル花火大会、29日から計3回|【西日本新聞ニュース】 (nishinippon.co.jp)
オンラインイベント「久留米維新」について
島川 最近では、「久留米維新」と言うオンラインイベントをPlug-In行われたという事ですが、どういうイベントだったのでしょうか?
菊政 久留米維新は、去年の12月から3回に分けて開催した、「起業」に興味や関心がある全国の学生を対象に、それぞれのフィールドで活躍されている起業人の生き方、世界観、大切にしているものを発信するセミナーです。
島川 どういった経緯で開催されたのですか?
菊政 学生が普段接している「学校の先生」や「バイト先の店長」以外の社会人の方と出会える場というのはなかなかなくて、色んな分野・フィールドで活躍している方と話せる機会はなかなかない。
オンラインだからこそ東京の方や普段会えない人、意外と知らかなったこんな人がいるんだよという地元の方と会える機会になると思い、東京のブリジストンの方やフリーランスの方、久留米でスタートアップ企業を立ち上げた方などを登壇者としてお招きし、普段接しない社会の人と関われる機会として開催しました。
島川 そこで、学んだ事、感じた事はありますか?
菊政 これはスタッフとしての感想ですが、なかなかオンラインの場で自由に話してOKですよ、と言ってもなかなかマイクやカメラをONにして話をしてくれる人がなかなかいなかった。
ちょっとした話が全員の話題になってしまうので、チャットではやり取りできても、対面では言えることも発言するのは難しいことを知りました。
お話を広く浅くはできるが、深い個人的な話を密にすることが難しいことが分かりました。
イベントの配信の模様(Facebookより)
島川 将来の夢はなんですか?
菊政 これだ!という夢はありませんが、自分の手の届く身の回りの大切な人を守れる存在になりたいです。金銭面に関して困るような事は避けたいですし、自分の選択肢を狭めたくない、色んな選択肢を増やし自分で選んだ人生を送れる様にしたいです。
piasu なぜその様に活動的なのですか?何か想いがあるのでしょうか?
菊政 通っていた高校が進学校で、大学を選ぶ時に、周りの友人は東大や九大みたいな国公立大学や有名なところに進学するのに、自分はあまり勉強はできる方ではなくて、「菊政は地方のよく知らないところに行くぞ。」みたいに言われることに劣等感を感じていて、見返したいというか、他の友達に負けたくないという想いはあります。大学の名前じゃなくて、自分個人としてできることはあるんじゃないか、有名な大学ではなくても活動はできるし、大学の用意したカリキュラムでなくても、自分から動いてチャンスをつかむことはできると思っています。
島川 自分も大学時代、やりたい勉強が大学3年のゼミになってからだという事を言われて、「自分が間違っていたな勉強は教えてもらうのを待っているものじゃなくて、自分で学ぶものだ」と思ったことがあります。今は場所も関係ないと思うので、菊政さんのされている活動の方向性は間違っていないと思います。
菊政 ありがとうございます。やはり能動的に、自分から情報を取りに行くくらいの姿勢でいないと入ってこない情報やわからないこともあるし、受け身でいると世の中は情報があふれているのでかえって迷ってしまうと思います。なのでそういう姿勢は大事にしています。
その他の活動
動画は2019年のLiNKの活動拠点であるコワーキングスペース「Plug-In」で行われた名刺交換会を兼ねた焼き鳥パーティでのPRの模様です。社会人に負けない力強いプレゼンでした。
TANOSHIKAでのインターン活動について
島川 今回、TANOSHIKAをインターン先に選んで下さった理由はなんですか?
菊政 LiNKの定例会で、メンバー向けに田代さんがインターン募集の話をして下さった事がキッカケです。
TANOSHIKAさんがインターン受け入れが初めてという事でしたので、「初めて、最初」という言葉に反応してしまう性格の僕は興味を持ちました。
就労支援という、僕にとっては今まで身近な存在では無かったことで、これまで普段の生活ではかかわりがなく、意識していなかった。どんな方がお勤めされているのかお話を聞いてとても興味を持ちました。
また業務内容がデザイン関係と課題解決という事もあり僕がTANOSHIKAさんに何か貢献できる事があるのではと思い応募致しました。
piasu それまでは、就労支援にどの様なイメージがあったのですか?
菊政 サポートされている方がすごい大変そうなイメージがあって、介護施設に似ているのかと思っていました。一人の利用者さんに対してマンツーマン的について指導しないといけないのかと思っていましたが、入ってみると就労支援に関しては全然そんなことはありませんでした。
島川 TANOSHIKAの本部では、どんなことをされていましたか?
菊政 主に田代さんやデザイナーの平野さんの下について、とあるサービスのロゴの作成と課題解決のお手伝いや、ONEGOのふるさと納税の出品に使うShopifyのECサイトの構築をしていました。
またONEGOやCREATIVEにお邪魔させて頂き、そこでお勤めされている方にお話を伺ったりもしました。
piasu 実際に、メンバーとお話をされたのでしょうか?
もしそうでしたら、そこで印象的だった出来事や言葉などありますか?
菊政 一度ONEGOに行かれている方とお話して、全然今まで自分が思っていた「障害者」のイメージと違っていて、ひとりひとりが熱心にお仕事をされていることがあって、あくまで障害は「個人の一面、個性」であるということを感じました。
支援員さんから、「それぞれに適材適所があって、その人が生かせる場所に導いていくことが大事で、そういった環境をこちらが用意できれば本来の力を発揮できる。これまでがそういう環境でなかっただけなんです。」という言葉を聞いて、確かにそうだなと思ったのが印象的でした。
piasu デザインをかじっていた、との事でしたが、実際にCREATIVEで、障害を抱えながら働いている「デザイナー」や「プログラマー」のメンバーの技術はどう思われましたか?
菊政 デザインに関してはONEGOに行った時に、ONEGOのインスタのアドベントカレンダーを作られている方と話す機会があって、カレンダーのデザインもよくて、障害者だからとかいうのを抜きにして、デザイナーとして尊敬しました。
プログラミングに関しても、平野さんからTANOSHIKAのHPをリニューアルしてたと聞いて初めて見たときも「すごい」と思いました。アニメーションやスクロールに反応するレスポンシブデザインなどがしっかりしていて、障害と関係なくプログラマーやデザイナーとして優秀な方が会社にいらっしゃるのだなと思いました。
島川 インターンの期間で大変だったことはありますか?
菊政 ロゴの作成ですかね。最初は仕事が遅いとも思われなくなかったので、焦りもあって完成を急いでしまい、結果として田代さんの想いをきちんと汲み取らず表層的な部分だけでロゴの作成に当たってしまっていたので、提案したロゴが田代さんの心をなかなか動かす事が出来ずに何度も作りなおしました。
「これが求められているイメージじゃなかったのか」とそれをイメージに起こせなかった自分に悔しい想いをしましたが、デザイナーの平野さんに相談して沢山のアドバイスを頂きながら改善していきました。
「田代さんと同じ視点になるまでそのロゴのことを考えているか、会社のことを好きになっているか。今は自分の視点でサービスをとらえてしまっているから、田代さんには刺さらないんだよ」と言われてそのことに気づいて、「田代さんが考えている事を深く理解するまで会話する」という平野さんのアドバイスを元に、田代さんとたくさん会話を重ねる事で、田代さんが納得して頂けるロゴを作れる様になりました。
島川 それは今後にも生かせそうな出来事でしたね!
菊政 そうですね、田代さんの思いも汲み取って、それを形にしてからの見せ方というのも大事だということも学びました。
≪実際にデザインされたロゴの提案書の一部≫
piasu 逆に嬉しかった事、喜びを感じた事はありますか?
菊政 平野さんに「菊政さんはレスポンスやフィードバックが速いね!」と言ってもらえたことが嬉しかったです。どうしてもオンラインでは返事が来るまで一日二日経つこともよくあるのですが、「菊政さんとはスムーズだよね」と言ってもらえて嬉しかったです。
piasu 平野先生の言葉で他に印象的だった言葉はありますか?
菊政 平野先生が次のインターン生を探している話を聞いて、「PM(プロジェクトマネージャー)ができる人が欲しい」と言われていたのですが、「菊政くんはそれができる素質・ポテンシャルがある」「一点集中じゃなくて、一歩引いて相手の反応などを考えて、全体を俯瞰して見れるのがいい」と言ってもらえました。
これまで浅く広く学んでいて、「これができます」というのがないのがコンプレックスだったので、それが強みに思えたのがよかったです。
piasu 他の職員の言葉で印象的だった言葉はありますか?
菊政 別の社員さんが一か月前くらいに本社から現場に異動されることになって、「自分はもっと現場で利用者さんともっと近い場所で、同じ目線で働きたい、だから私は異動するんです」ということを仰っていて、めちゃくちゃ熱い想いを持って働いている方がいるんだなと感じました。その方も僕の考えもインターンの学生としてではなく、いち社会人として話を聞いてくれて、として社員の方と同じ目線で対等に話せるというのは印象的でした。
島川 この期間の中で、一番印象的だった出来事はなんですか?
菊政 ロゴにしろECサイトにしろ、デザインなど一部の業務だけではなくて、その作業の流れ全体を任せてもらえたことです。ただインターン向けの課題をやるのではなくて、本当に会社に必要なもの、使うものにTANOSHIKAの一員として関わらせてもらえたことです。「これは重要だな、やるしかない」と思って取り組みませていただきました。
印象的というか一番驚いた事は、CREATIVEでの朝のマインドフルネスの時間です。メンバー全員で時間を確保しマインドフルネスを行う。それが習慣となっているのがとても良いなと思いました。
島川 外から見たTANOSHIKAと、中から見たTANOSHIKAで、印象は変わりましたか?
菊政 変わらないですね。理由としては、嘉村さんや田代さんなどTANOSHIKAに所属されている方と以前に、コワーキングスペースPlug‐Inの焼き鳥パーティーなどのイベントで交流する機会がありその時に、お二人ともとても明るくて自分の言動に明確な考えを持ち自信がある方が多い会社だなと思っていました。
インターン生として実際に中から見させて頂きましたが、他の社員の方もそういった方が多く、明るく行動的な会社という印象です。
島川 インターンの期間に学んだことや、成長できたことを挙げるとしたら、どんなことがありますか?
菊政 プロジェクト全体をスムーズに進めるやり方が身についたと思います。嘉村社長が仰っていたのが「仕事をするうえで信頼関係が大事だよね。」ということで、お互いに信頼関係がないと、業務や仕事がスムーズにいかない、どうしても文面だけだと相手の特徴やどう思っているのか分からないというのを感じて、まずは仕事の話もアイスブレイクとして話をして、相手の話を聞いて、信頼関係を深めてからプロジェクト全体を進めていく大切さを学びました。
学んだことは「相手の立場に寄り添って考えること」です。
支援員やメンバーの方だけでなく全て人に当てはまることですが、自分と全く同じ背景や考え方の人はいないと思います。なので相手の事を完璧に理解することは出来なくても寄り添うことはできると思います。
まずは話をよく聞いてから自分の考えを伝えることの大切さを学びました。
成長出来たこととしては、「デザインの提案や業務連絡する際の伝え方」です。
以前までは事実と考えが交差した内容を伝えてしまっていたのですが、事実と考えを分けて伝えること。
そして闇雲に質問するのでは無く、自分で一度考えてから考えを明確にしてから質問できる様になったと思います。
piasu 他の企業ではなく、TANOSHIKAでインターンをして良かったな、と思った事はありますか?
もしあれば教えてもらいたいです!
菊政 デザインを学ぶCREATIVEや、農業をするONEGO、など一つの企業で網羅的に様々な体験ができることがよかったと思います。また経営者や社員の方との距離間が近くて、なかなか社長と30分以上同じ空間でお話させてもらうことってないと思うのですが、インターンだからというのはなくて社会人として扱っていただいて、フィードバックがしっかりもらえる関係性があるということがここでしかないことかなと思います。
島川 今回インターンに参加したことで、障害者雇用への考え方や印象に変化はありましたか?
菊政 変化ありました!障がい者のある方といっても全ての事が上手く出来ない訳ではない。
得意なことに集中力を発揮して、人一倍にできることもあるということも分かりました。
なので仕事とのミスマッチを防ぎその人にあったことが出来れば活躍することができると考えてます。
piasu 就労継続支援A型に対してのイメージで変わった事はありますか?
菊政 入る前はなかなか作業ややり取りに時間がかかるのかと思ったが、全然そんなことはなくて、就労支援というか、もう普通にお仕事をされているんだなと思いました。
piasu 障害のある人への考え方や印象で変わった事はありましたか?
菊政 障害というのもマイナスというよりもある意味長所や個性であって、同じ人間として「障害」という言葉にとらわれずに、対等にその人のことを見るべきだと思いました。
piasu「福祉」のイメージで変わった事はありますか?
菊政 以前介護の方がきつそうな顔をして支援されている姿を見たことがあったので、サポートをされる方が大変で、嫌々やっているのかと思っていたので、ひょっとして暗い感じなのかと思って行く前は不安でしたが、実際に入ってみると、全然そんなことはなくて、支援員の方も自分の仕事にやりがいをもって明るく熱心に取り組まれていて、やりがいをもってやっていた。
島川 これから大学に戻った後や社会に出て、やりたいと思っていることなどはありますか?
菊政 コロナ禍で対面で新しい人と出会うのは難しいこともありますが、オンラインでもっと沢山の人と交流してみたいと思っています。対面だからこそできること、オンラインでできることを組み合わせて、同年代の人だけではなく、年代や文化の違った方と密に交流して一緒に何か出来ないか模索していこうと考えてます。また会社を経営する事にも興味を持ったので、そういった事もいずれしていこうと考えています。
島川 最後に、TANOSHIKAの方に伝えたいことはありますか?
菊政 今回、初めてのインターン生としてお邪魔させて頂きましたがどうだったでしょうか?
僕は存在感薄かったので、気にされていない方もいたかもしれませんが、自分がいることで皆さんがどう思ったかもぜひお伺いしてみたいです。
10月半ばから1月末までいて、僕個人としては嘉村さんや田代さん、平野先生の視点からのお話がとても勉強になりましたし、短い間ではありましたが皆様と一緒にお仕事をさせて頂いたことをとても光栄に思っております。
ぜひ今後も、全く違うカルチャーを持つ様々な大学や学年のインターン生と一緒に活動して欲しいと思っています。きっと僕なんかより面白くて凄い人が来てくれると思います。
また機会がございましたら一緒に活動させて下さい!ありがとうございました。
菊政さんへ感謝のメッセージ!
今回の菊政さんのインターンでの活動について、TANOSHIKAを運営する株式会社sancyoのCOOである田代さん、そして私と一緒に勇気を出してインタビューの参加を申し出てくれたpiasuさんからもお話を聞きました。
COO田代さんより
菊政さんのインターンとしての活動について、また会社として菊政さんを受け入れることに関して、大きく分けて2つの事を期待していました。
まず一つが久留米市の若者やスタートアップ文化への貢献です。
若者と言うのは年齢のことではなく「これから社会で活躍したいが実績も経験もない」と言うような方です。このような立場の方にTANOSHIKAにインターンシップにきてもらう事で、実際の社会での仕事や、経営陣の意思決定のプロセスなどを体験してもらう。
そうすることで、普段の生活やアルバイトなどでは味わえない体験が味わえる。
ひいてはその経験が菊政さんや、その周りの方にいい影響が出ればこれ以上ない貢献だと考えていました。
もう一つが社内への効果です。
TANOSHIKAは基本的に中途採用がメインのため、ある程度基礎的な仕事に対する考えが出来上がっている面もあると思います。
そんな中に、「これから社会で活躍するんだ」というモチベーションの高い方に参加してもらうことで、「自分もこういう熱い思いがあったな」とか「負けてられないな」と感じてくれる人が一人でもいればいいと思っていました。
実際自分自身も菊政さんと働いて、とても刺激を受けたのでよかったなと思っています。
菊政さんの働きぶりについてもすごく好印象ですね!
物腰も柔らかいし、学習意欲がすごくあるし、基本的に人のアドバイスをポジティブに捉えることのできるので、「これやってくれない?」とお願いしたら、現状の自分のできることできないことを整理して伝えた上で「調べながらやってみます」といった柔軟さや「これやってみてもいいですか?」といった主体性を見せてくれました。ほんとに見習いたいと思いました。
逆に弊社のインターンシップ受け入れが初めてだったので、もっと有意義な時間にしてあげれていたらな。という反省があるくらいです。
ライターpiasuより
「ライターなんですね!」
インタビュー前、私が名刺を渡すと、菊政さんはキラキラした目でそう言ってくれました。
私の名刺の肩書が『ライター』だったからです。
それから、インタビューが終わった後、メモを取りながら、私の『ライター』のお仕事について熱心に質問をしてくれました。
私は、自分の事を『ライター』と言われたことが少し照れ臭かったのですが、菊政さんの質問に出来るだけ答えました。
菊政さんのお陰で、私はその時、自分の仕事に誇りを持つことができました。
それから、その事が、小さな自信になりました。
私は、菊政さんが、私の事を、『障害者』としてではなく、『ライター』として接してくれた事がとても嬉しかったです。
そして、私は「この方は、本当に素敵な心の人だなあ」と思いました。
私は、菊政さんは、きっととてもすごい人になるはずだ、と確信しました。
インタビューは、一時間という短い時間でしたが、尊敬する人になりました。
これから、また会えるかどうか分かりませんが、心の隅で、ずっと応援したいと思います。
これからも頑張ってください!
それから、本当にありがとうございました。
編集長島川より
このインタビューは昨年末から企画を温めておりましたが、編集を進める中で、「菊政さんにお願いしてよかった!」と心から思いました。事前の取材にも忙しい中ご協力いただき、率直な感想を寄せてくれたことで、就労支援という仕事についてより世の中に魅力を知ってもらえる記事になったのではないかと思います。
また、今回ライターがこの企画に手を挙げてくれたことで、自分一人だけで取材するよりも当事者としての目線でも質問をすることができ、何より菊政さんに一人のライターとして向き合っていただいたことで、ライター自身が自分の仕事に対して自信や誇りを持つことができました。
それはAKARIが月間何万PVを取ったとか、そんなことよりも難しく、尊いことです。
編集長としてこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
改めて今回はご協力ありがとうございました!
今後のご活躍を心より願っております!
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