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こんにちは、nonoです。
前回の「ステルスマーケティング」の概要と実態を書いた記事は読んでいただけたでしょうか。
今回は、前の記事の終わりで触れた「ステルスマーケティングが問題視される理由」について書いていきます。
ステルスマーケティングはどうしてやってはいけないのか?
つい最近も吉本芸人の「ミキ」や、ディズニーの「アナと雪の女王2」の件で問題になったステルスマーケティング。
「でも、やらせレビューで嘘を書かせるのは悪いけど、本当に良いものを良いと宣伝しているのなら嘘をついていないのだから問題ないんじゃ?」……と思う人も、もしかしたらいるかもしれません。
しかし、宣伝した内容が嘘であろうと本当であろうと、ステルスマーケティングはやってはいけないことなのです。
ステマをしてはいけない理由①:消費者をだますことになるから
私たち消費者は、広告を見る時には「これが広告である」と認識して見ています。一方で、ステルスマーケティングによる宣伝を見た時は、それがステルスマーケティングだと気付かなければ「これは個人の意見なんだな」と思って見ることでしょう。その結果どうなるかというと、「内容の受け止め方」や「信頼度」が大きく変わってくるのです。
広告は企業などが自社の商品を宣伝するためにお金を出して作っています。つまりは自分の商品を売って利益を上げたいので、自分の商品の良い所をアピールしているわけです。
なので、「これは広告ですよ」とわかると、私たち消費者には「これにはこんな良い所があるんだな」と受け止めるだけでなく、「でも売るために宣伝しているんだから、都合のいい所しか取り上げていないのかも」と疑う余地ができます。
しかし、ステルスマーケティングの場合は宣伝ではなく「個人の意見」と見せかけてアピールをします。広告は宣伝する商品の売れ行きが伸びると作った側に利益が生じますが、個人の意見の場合はそのおかげで売上が良くなってもお金が入ってくるとは限りません。なので、個人がほめているのを見ると「損得は関係なく、自分がいいと思ったものを紹介しているんだろうな」と素直に宣伝文句を受け止めやすくなります。
ここで問題となるのが「誤解」です。広告と個人の意見では情報の受け止め方が違い、どちらかというと後者の方が信頼されやすいのですが、ステルスマーケティングは商品をより好意的に見てもらうためにわざと「誤解」を招く形にしていると言えます。
商品について大きな誤解を招くような宣伝をするのはもってのほかですが、「これは宣伝ではない」と誤解させた上で宣伝を行うのもまた消費者をだます行為にあたります。
ステマをしてはいけない理由②:レビューの信頼度を下げるから
私たちがレビューを参考にするのは、「消費者は正直な感想を書く」と考えているからです。
先ほども触れたとおり、販売する側は自分の商品を買って欲しいため良い部分は大々的にアピールしますが、悪い部分があっても同じようにアピールはしません。悪い部分が目に付くと買ってもらいにくくなり、自分が損をするからです。
反対に、消費者は仮に自分が買った商品に悪い部分があるとお金を出した分だけ損をするわけですから、わざわざそれを隠したりしません。なので良い部分の宣伝と悪い部分のレビューがあった場合はレビューの方を信用しますし、「今人気です」という宣伝文と「使ってみてよかったです」という口コミなら後者の方が商品へのイメージが上がるのです。
しかし、本来消費者がつけるはずのレビューに、販売する側が書かせた「やらせレビュー」が混じっていたらどうでしょうか。一度やらせがあるとわかればレビューの信頼度は大きくダウンし、消費者に「やらせレビューがついているかもしれない」と警戒されてしまいます。
レビューの信頼度が下がると、それに基づくイメージにも疑いのまなざしを向けられることとなります。仮にステルスマーケティングの発覚後に誠実な対応と商品の改良に努めて、今度は本当に高評価を付けてもらったとしても「またやらせで好感度を稼いだのか」と批判されるかもしれません。
まさしく狼少年のように、嘘をついて人をだまし続けると、その後本当のことを言っても信じてもらえなくなるのです。
ステマをしてはいけない理由③:関係者のイメージを下げるから
ステルスマーケティングは消費者をだまし、会社・商品・ブランドのイメージを大きく傷付ける行為です。
その影響は、商品の売上だけに留まりません。ステルスマーケティングを行った人、さらにはステルスマーケティングに関与していない人のイメージまで悪化させてしまうかもしれないのです。
たとえば、化粧品のステルスマーケティングのためにひとりのアイドルにSNS上で「普段からこの化粧品を使っています」と投稿させたとします。ステルスマーケティングが発覚した場合、SNSに投稿をしたアイドルは「消費者やファンをだました」として多方面からバッシングを受けるでしょう。
また、普段からその化粧品を愛用していた人々も、報酬を受け取って宣伝した事実がなくとも「この人もステルスマーケティングをしていたのかも」と疑われることとなります。
さらには、CMやポスターでイメージキャラクターを務めた芸能人、宣伝に関わっていない社員まで…一度会社や商品に大きなマイナスイメージがつくと、それに関わる人々までもが悪印象を抱かれてしまいます。
一度ステルスマーケティングで下げてしまった信頼は、簡単には取り戻せません。将来的な損失の大きさを考えれば、ステルスマーケティングに手を出すべきではないと言えるでしょう。
モラルのない宣伝から、どうやって身を守るか
ブログ、Youtube、Amazon、Twitter、インスタグラムまで……インターネット上にステルスマーケティングがはびこっている現代では、WebサイトやSNSの管理・運営者に不正を取り締まってもらうだけでは悪質な宣伝をシャットアウトできません。
偽レビューに騙されてしまわないためには、私たち自身が「じっくり考え、情報の真偽を見極める姿勢」を身につける必要があります。
その第一歩としておすすめしたいのが「人を見る」ということ。たとえばAmazonで不自然なほどにレビュー欄が高評価だらけの商品を見つけた時は、高評価をつけている人が他にどんなレビューを書いているか確認すれば、やらせかどうかある程度判断が付くそうです。
他にも、SNSであやしい投稿を見つけたらそれを投稿した人の過去の投稿一覧をチェックする、コメントや返信で「だまされた」「詐欺だ」と言っている人がいないか、悪い噂がないか一通り調べてみる…など、情報に対してしっかり精査をすれば、時間をかけた分だけリスクは下げられるでしょう。
スマホひとつで検索からお買い物までなんでも簡単にできるようになった時代だからこそ安易な行動は慎んで、よく考えてから判断するようにしたいものですね。
参考元:NHK クローズアップ現代+―追跡! ネット通販 やらせレビュー
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