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私は日頃の食事は、できるだけ自炊するようにしています。
「自炊するなんてスゴイ!」「料理が好きなんだね。」とよく褒めていただきますが、実は過去にはご飯がほとんど食べれない“貧困状態”の時期がありました。
子どもの貧困とは
現在の日本では、子どもたちの7人に1人が貧困状態であると言われています。
その中の貧困率の15.6%の半分がひとり親世帯となっています。
ひとり親の場合、家事と仕事、育児を一人で行わなければなりません。家事や育児の比重が高くなるほどただでさえ切迫されている生活が、より苦しいものとなります。
金銭的な問題だけでなく、日々の疲労やストレスが蓄積されていくと、身体的・精神的な問題のもつながりかねません。
給食が楽しみだった
子どもの貧困について調べていくと、「親の帰りが深夜になるので、ご飯は1人で食べている。」「給食以外の食事はバナナ1本のみ。」という、心が痛くなるような記事を読みました。
豊かだと言われている日本でも、こんなに困窮している家庭があるのかという驚きと、機能不全家族で育った私も、“満足にご飯が食べられない”という時期を経験したことがあるのを思い出しました。
幼い頃は、まだ母親が元気だったので、食事はきちんと3食ありましたし、おやつも貰えていました。困窮し始めたのは、高校生になった頃です。母親が寝たきりとなり、父もお酒で毎日酔っぱらっている状態。
食事を用意してくれる大人がいなくなったのです。
定時制高校に通っていた私は、朝~夕方まではアルバイトをして、夜は18時~21時まで高校の授業を受ける、という生活を送っていました。
当時まだ16歳だった私には、そんな生活の中で自炊をするスキルもなければ、心の余裕もなかったのです。
家に帰っても、冷蔵庫は空っぽでお米もまったくない状態。
妹と弟がいましたが、二人の食事は父が買ってくる惣菜でしたが、私はアルバイトで収入があったので、食事はすべて自分でどうにかしなければいけません。
しかし、アルバイトの少ない収入では、きちんと食事をすることはむずかしいものでした。
カップラーメンを買うお金もなくて、パックの白米にふりかけだけだったり、本当にお金がないときは、安くてお腹にたまるという理由で、お菓子(ポテトチップスなど)を食べていました。
そんな生活の中で、ちゃんと食事がとれるのは夕方の高校での“給食”だったのです。
授業の始まるまえに給食があり、毎日あたたかい食事を、給食のおばちゃんが作ってくれていました。
体調が悪くて学校を休む日も先生が「給食だけでも食べにおいで。」と言ってくれていました。
子ども食堂・子ども宅食の存在
私のようにちゃんと食事がとれない子どもや、家で1人で食事をする子どもたちを支援しているのが『子ども食堂』です。
子ども食堂のはじまりは、2011年ころに東京都大田区の八百屋さん「気まぐれ八百屋だんだん」の一角に「こども食堂」ができたことが最初だと言われています。
店主である近藤博子さんは、歯科衛生士の仕事を通じて、近隣小学校の副校長から「一人親で、給食以外の食事はバナナ一本という子供がいる」と聞いて心を傷め、ボランティア活動の仲間らと検討・準備を経て、2011年(平成23年)8月に現在の「子ども食堂」を開きました。
「子どもが1人でも入れると同時に、大人も入っていい場所」との意味で「こども食堂」と名付けたのだといいます。
子どもの貧困や、一人での食事“孤食”などは、2010年ころからメディアで取り上げられることが増えていました。その解決方法として、子どもと大人たちの繫がりや地域のコミュニティの連携の有効な手段にもなったのが、『子ども食堂』です。
課題はあるが、食事の大切さがわかる
子ども食堂は、今では全国に2,300箇所もあり、多くの子どもたちが利用しています。
子ども食堂を運営するのは、地域のボランティアさんやNPO団体がベースとなっています。
その中には、課題も多くあります。
子ども食堂を開きたくても、場所を借りる費用や無償で貸し出してくれる場所が少ないことや、子どもたちが利用しやすくするために、料金設定を無料~300円程度としている食堂が多く、食材の確保は地域住民の寄付やフードバンクで賄っています。それでも足りないときは、運営側が資金を捻出する場合もあるそうですが、近年では自治体から補助金を受けれる様にもなりました。
スタッフの確保などの課題もありますが、以前よりも運営がしやすくできるように、国も少しずつ変わっているようです。
最後に
わたしにとって高校の給食は、1日の中で一番楽しい時間でした。
「お疲れ様。今日は中華だよ。」「このおかず余りそうだから、もっと食べていいよ。」と優しく話しかけてくれる給食のおばちゃんが大好きでした。同級生や先輩から「牛乳好きでしょ?わたしの分あげる。」と私が好きな牛乳を毎回くれる時もありました。
私がいま毎日なるべく自炊しているのは、この「食べれなかった時期」があったことが大きいです。毎日、ご飯がふつうに食べれることが、どれだけ大変なのかが身に染みているので、温かい手作りのご飯が私にとっては「ごちそう」なのです。
今日もご飯が食べれない子どもたち、一人でご飯を食べなくてはいけない子どもたちのために、食堂を開いてくださる団体や、ボランティアの方々には感謝したいと思います。
参考サイト
gooddo【グッドゥ】/日本でも増え続ける「子どもの貧困」問題とは?貧困の原因、支援方法は?
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こんなに発展国である日本にご飯が食べられない子供がいるとわかってビックリしました。興味がありますので、活動内容をもっと詳しく知りたいです。