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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2026年2月24日にある耳の新しい検査を受けました。
『ABR検査』というものでした。
この検査を受けたきっかけは、もしかしたら左耳が聞こえているかもしれない。
そんな約30年間、7歳頃から感音性難聴で失聴した私にとって夢の様な話。
「もしかしたら片耳難聴者では無くなるかもしれないんだ!」
結果が良かった場合、希望が持てる検査。ただ、私には残酷な現実が目の前にありました。
なぜこの『ABR検査』を受けることにしたのか?どんな検査なのか、検査を終えた私の今の決意を示します。
※私の場合は良くない結果でしたが、検査を受け良い結果がある方もいます。これは私個人の『ABR検査』の記録であるという前提で、読んで頂きたいです。
そもそも『ABR検査』って何?
ABRは、簡単に言うと脳波で聞こえの検査ができる機械です。検診のように聞こえた音をボタンで押さなくていいので、小さな子供の難聴の診断に欠かせません。
引用元:(すずらん耳鼻咽喉科ブログ) 新しい聴力検査、ABR(聴性脳幹反応)が当院に導入されました 2020.06.04
そもそも何故私が『ABR検査』をしたのか?
今思うととても不思議な体験をしたのです。
前回の通院で相変わらず寝落ちで寝不足の私。この日も寝不足で通院。その前は寝不足が原因で、聴力が下がっていた。
だから、今回も絶対に聴力がさらに悪いだろうと思っていた。
聴力検査が始まると、不思議なことが起こった。
検査をする方の声が右耳を塞いでいてもいつもは聞こえないのに聞こえる。
急に無音になったので驚くと、『今日はよく聞こえていたので、敢えて無音の時間を作りました』と言われたり。
検査をする方に『今日よく聞こえていましたよ』と言われて、主治医の診察を受けました。
すると、検査結果を見て驚いたのが、聞こえない左耳はいつも聞こえの線が底を張っているのが、この日は上昇した線で、これだけ見たらさも聞こえているグラフだった。
主治医が言った。
『もしかすると左耳の神経は傷ついていないかもしれない。聞こえている可能性がありますよ!それで次回の通院で、『ABR検査』をして、それを確認しましょう』。
『ABR検査』?
という聞き慣れない言葉より、聞こえているかもしれないという言葉が私の心に微かな光を灯した。
今まで聴力検査しかして来なかった私は、「他にも検査があるの?できるの?」って心が躍った。
また後日、ある聴覚障害当事者の方とお話をする機会があった。
その方は『ABR検査』を知っていた。
『検査の結果次第で、聞こえているなら、人工内耳入れられますよ』という話を聞いた。
この時まで、不安よりわずかながら期待が少し高かった。
『ABR検査』はどうやってする?
額と頭頂部、両耳の耳たぶにジェルを塗った後、電極とヘッドホンを付けます。
脳波を測り、複雑な音をどれ位感知できるか調べます。
ボタンを押したりもしないので、寝たままリラックスして受けられます。
『ABR検査』の大変なところ
・早くても30分、場合によっては1、2時間かかる検査
・検査中トイレには行けない。必ず『ABR検査』をする前にトイレに行くこと
・話すこともできない
・脳波を正確に測るためにはまばたきはしないこと。することで正確性が減るため、そのまま寝てしまう方が良いらしい
・まばたきもダメですし、身体に力を入れない状態にすること。これも脳波を正確に測る上で大事
『ABR検査』で流れる機械音
私の主観ではありますが、3タイプありました。
・シャープペンをずっとカチカチさせる音
・豪雨で地面を雨が叩きつける様な音
・昔よくあったテレビが映らない時間帯にテレビをつけた時に聞こえる、ザーッと砂嵐になる音
この後が30秒位ずっと流れ、音が流れない時間は10秒も待たずに、また次の音が始まる。これがずっと永遠にループする。
『ABR検査』を受けて大変だった、他の病気関連のこと
糖尿病があると喉が渇きますが、飲み物も飲めないこと。
甲状腺機能低下症で首の圧迫感がある私は普段は横を向いてしか寝ない。
そのため、真正面をただ見続ける体勢がキツく、首がどんどん圧迫されていった。
また、同じく甲状腺機能低下症の主症状の1つの乾燥肌がある私は、身体がどんどんかゆくなる。リラックスして動かずなんてできない。
かゆくて、1ヵ所かけばまた別の場所がかゆくなる。
耳がかゆくなってかいたら、耳たぶの電極がズレ、検査する方に付け直しして頂いた。
私は坐骨神経痛とすべり症でマックスベルトというコルセットを腰に巻いていて、これで身体が熱くなる。かけて頂いた布団も着ていられない。
熱いから糖尿病で喉が渇く、大変なループ。
また、マックスベルトでお腹が圧迫され、トイレに行きたくなって大変。
『ABR検査』を受けて大変だった、それ以外のこと
検査室に時計が無く、どれ位時間が経ったか分からない。
ずっとこのままではないかという様な感覚。
私は寝なかったので、目をずっとつぶるのがキツくなって、我慢していた目を開けて、まばたきをした。1回でもまばたきをすると、「ああ、やってしまった」と検査結果に悪い影響を与えるのではないかと罪悪感が増す。
実際に『ABR検査』を受けた瞬間に感じたこと
最初は右耳から複雑な、普段の生活にはない機械音がずっと聞こえてきた。
間隔が短く、長く流れることに、かなりうるさい音だと感じた。
ずっと嫌な音だなとしかめっ面で受けていました。
恐らく左耳の脳波を測る時、生活音すら無音だった。
うるさい音から解放されたんだって一瞬思った。
「結構時間が経った気がするし、もう検査終わりだよね」と思っていると、また右耳から機械音が流れて来る。
「検査が終わってなかったんだ」というより、機械音がうるさく感じる右耳と、何も音がしない無音の左耳。
「あ、これが現実なんだね…」って知ってしまった。
同時にそれを経験したことに、左耳で『ABR検査』を受けて良かったとか検査中の手応えは何も無かった。
『ABR検査』の検査結果は?
検査を終えて、『正確に脳波は取れていましたよ』と言われ、母に終わったというと1時間経過していたらしい。
主治医から『ABR検査』の説明を受けました。
『右耳は良好です。ただ、…』
結果は明らかだった。左耳から測定した脳波はわずかに5mm程度だけ出ていて、後は空欄、波形の形も成していなかった。
これは誰が見ても、聞こえているなんて言えない。
『左耳は全く聞こえていないというデータです。これは前回の検査で聞こえが良かった音域を採用した脳波を測りました。
それですら脳波が出ていない。音域は変えられますが、貴方の場合は『ABR検査』を続けても結果は出ません。
この『ABR検査』は今回限りで終了します。これ以上はやる意味がありません。右耳のことをずっと見ておかないといけないので、聴力検査は引き続き続けます』。
受けていて、私の左耳は『ABR検査』を受けている感覚が全くなかった。
渡せないデータらしいので、結果を今見ることはできない。
「やっぱり私は左耳は聞こえないんだね」と『ABR検査』という違う検査を受けたからこそ、ハッキリ断言された気もした。
終わりに
タイトルにも入れました、塩一粒の希望は、私が『ABR検査』を受ける前に感じた希望や期待でした。
普段から左耳は人の言葉や声、音は何1つ認識できません。
それは右耳が聞こえているからそう感じるのは普段少ないだけで、ずっと聴力検査でボタンが押せないことで分かっていた。
それでもその塩の一粒位の希望に、左耳が聞こえているんじゃないかと、可能性を賭けた。
結果を受けて、塩の一粒位の希望は全て跡形もなく消えた。
降って来る粉雪の様に一瞬で手の中で溶けて消えた。
結局叶わない夢を「叶って欲しい」って思い続けていても、無理だろうと理解していた。
けど、ほんの一瞬夢を抱いていたんだ。
そして私は心に決めた。
この『ABR検査』から理解が深まった現実の悲しみを正式な評価だと受け入れる。
片耳難聴者として非情であってもこの現実に向き合う。これからもこの人生が続く限り片耳難聴者として生きていく、改めて決意と覚悟を新たに腹をくくりました。
私は『ABR検査』を否定しているわけではありません。
ただ、私には良い結果が出なかっただけです。
『ABR検査』をして、難聴の原因が分かった人もいると思います。
聞こえてたんだって嬉しくなる瞬間もあると思います。
私も『ABR検査』を受けて、嬉しさを皆さんと本当なら共有したかったです。
心身的に全く聞こえていないことが証明されて、正直落ち込んで、泣き崩れて、この日は晩ご飯も食べませんでした。
それでもこの現実は変わらないし、覆らない。
私はこれまで通り、片耳難聴という聴覚障害者として感じた悩みや気づきを読者の皆さんに届ける。それがいつか笑顔になれる日が来ると信じ、頑張ります。
noteでも書いています。よければ読んでください。











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