【インタビュー】ブリッジフォースマイル~親を頼れない若者たちへの支援活動・後編~

ブリッジフォースマイル後編のしおりが3枚目の紙の上に乗っている

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前編の紹介

前編でご紹介した「認定NPO法人ブリッジフォースマイル」佐賀事務局の責任者である井手暁子様にインタビューの後編になります。

お話は引き続き、saladどんはれpiasu島川がお聴きします。

子どもたちへの支援について

(salad)様々な職場体験に行く機会があると聞いています。どのような職場体験がありますか?

前編で少しお話ししましたが、お仕事体験として、「ジョブプラクティスデイズ」というプログラムを実施しています。

以前は、こちらから幾つかの企業様を、お子さんたちにご案内していたのですが、現在はお子さんたちに「どんな仕事に興味がありますか?」とお尋ねする様にしています。

その中から、「保育園で子どもと触れ合う仕事をしてみたい」だったり、「お年寄りの介護の仕事に関心があります」や『ウエディングプランナーのお仕事!』などのご意見を頂き、ご協力頂ける企業様方にご相談をさせて頂きながら、3月の春休みには、8名のお子さんたちにご参加頂きました。

 

料理人をはじめとしたいろいろな職業の人々

(salad)中高生などは、多感な時期に入ると思います。反抗期など、どのように接していますか?

中高生か、反抗期なのかを見ながらの対応と言うより、目の前にいる『一人の人』としての対応を心がけています。

私たち大人も、最高に気分がさえている時もあれば、気持ち的に落ち着かない時などあります。それは目の前にいる中高生の子どもたち一人ひとりも一緒で。

『あ~今日はあまり話したくないんだろうな~』と見受けられれば、その気持ちを尊重したいですし、その時の気持ち、状況に合わせて関わって行く事も、大切にしたいと思っています。

18歳の壁について

(salad)令和の現在、18歳の壁という言葉が話題になっていますが、18歳で施設を出るということは、昔からあったものだと思います。
もしよければ、現在と昔とではどのように支援が変わってきているか教えてください。

そうですね。18歳が成人として扱われるようになったことで、法律的な側面でも色々な変化があるかと思いますが、『昔と現在の支援の変化』で一つ感じるのは、児童福祉法改正などにより、本人自身が決定権を持つようになった、個人の意見などが大切にされる様になりつつあるかとは思います。

日本の文化の影響もあるでしょうが、以前は周りの大人が「あなたは〇〇だから〇〇ね」という決定の仕方がよく聞かれていた様に思いますが、今は、「あなたはどう思う?」といった様に、子どもの本人の意思を確認し、一緒に考え、決定していくという支援に変わってきたと思います。

以前よりも『子どもの権利』というものが、より明確に打ち出されるようになった影響は大きいのではないかと思います。

これからも子どもを中心にした、自立に向けた支援を意識しながら、関わって行けたらと思います。

卒業証書の入った筒を持つ男女ふたり

(どんはれ)現在18歳で成人になりますが、悪徳商法のターゲットにされやすいのも18歳です。
彼らを守るような法整備は必要だと思いますか?
18歳が知るべき法的知識などもしあれば、教えてください。

正直なところ、悪徳商法のターゲットになりやすいのは18歳だけではないという認識です。

18歳を過ぎても、むしろ18歳を過ぎたからこそ、自由に色々なところに、連絡を取ったり関わったりする中で、悪徳商法に繋がってしまう若者もいると思います。

ですから、18歳が知るべき法的知識や法整備というのは、18歳に限定して特に必要だとは考えていません。

その代わり普段の生活の中で、どういうリスクがあるのか、「お金を貸す」や「簡単に稼げる」といった話は、本当に色々な巧妙な手口でくると思うのですが、そういったものがどんなリスクがあるのかなど、お金についての正しい知識、情報を提供し、普段からその様な話が出来る環境も重要だと思います。

またその様な悪徳商法に手を出してしまった場合、直ぐに周りの大人に相談する事の大切さを、子どもたち自身が知る事も重要なので、前編でもお伝えした、退所する高校3年生を対象に行う巣立ちセミナーの中で、それらのテーマについて、今後も子どもたちと話して行けたらと思います。

(どんはれ)18歳を支援するためには国からどんな支援があるといいと考えますか?

最初にお伝えしたように、私たちの支援対象の枠が広がる中、公的機関に繋がらなかったものの、家庭で虐待を受けている若者に対しての支援・支援金などが少ない様に思います。

例えば若者の中には、家庭が貧しいわけではないため、生活保護のような制度は利用できず、親はいるけれど頼れず、独り立ちする為のお金がないといった状況の若者がいます。

制度の狭間にいる若者たちが、必要な支援を受けながら、伸び伸びと生活出来る制度・環境が整って行けばと思います。

(島川)長い時間ありがとうございました。それでは最後に、これからブリッジフォースマイル様の未来の利用者さんに向けて、メッセージをお願いいたします。

未来の利用者さん、そうですね。困った時に、ブリッジフォースマイルや周りの大人にSOSを出すことはもちろん大切なことです。

なんですけれども、日常生活の中で嬉しいことだったり、疑問に思うこと、不安に思うこと、ちょっと話がしたいな、もやもやするなと思う時にも、ぜひ連絡してほしいです。

あと、居場所に来てお茶を飲みながらお話してくれたら嬉しいなと思っています。

そうすることによって、少しでもリフレッシュができて、日常生活が少しでも過ごしやすくなると思います。リフレッシュされることによって、仕事も頑張れるかもしれないし、勉強も頑張れるかもしれないということに繋がるかもしれません。

なので、『問題が大きくなってから相談する』というところに目を向けるのではなく、普段の生活の中でリフレッシュをして、小さな課題の芽を摘みながら生活していきましょう。

そのために私たちもいます!ということをお伝えしたいです。

そういう関係性ができていれば、本当に動かなければならないような大きな課題や、問題が発生した時に、速やかに一緒に考えて行動に移せるのではないかなと思うので、ぜひ普段からどんなことでも良いので連絡ください。

一人で抱え込まないで!ということもお伝えしたいですね。

相談をする女性とそれを聞く女性

インタビューをした感想

(salad)

今回は、私の姪たちもお世話になっているブリッジフォースマイル様のインタビューを行わせていただきました。

私自身、機能不全な家庭で育ち、16歳で自立をしたので「親を頼れない」「頼れる大人がいない」という状況がいかに孤独かが分かります。

もし時間が戻せるのであれば、16歳の私に「ブリッジフォースマイルさんってところがあるよ。」と伝えてあげたいです。

今回は、インタビューをお受けいただきありがとうございました。

(どんはれ)

利用者さん自身がいろいろな背景を持っていらっしゃるので、一概にこういう場合はこうした方がいいという対策はなく、それぞれの利用者さんに合った対応を個別にしていくことが大切なことだとわかりました。

利用者さんファーストでことを進めないと意味がないですよね。

その背景からくる問題に対して、いろいろな情報提供を行い、社会資源に繋げたり、居場所を作ったりして、日常生活の何気ない会話から解決策を思いついたりする過程が、そこまでの関係性を事前に作っておくことが大事であると感じました。

親に頼れない子どもたちの心のよりどころとしてブリッジフォースマイル様がこれからも機能していくことを望みます。

本日は、貴重なご意見を拝聴させていただき、ありがとうございました。

関連情報

ブリッジフォースマイル公式サイト

公式インスタグラム

ブリッジフォースマイル佐賀

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