聴覚情報処理障害(APD)。聴力には異常がないが、必要な音や話が聞き取れない障害。

聴覚情報処理障害

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

聴力検査では異常なく、でも「人の話す声が聴き取れない」「理解出来ない」ってこと、ありませんか?それは聴覚情報処理障害(APD)という、聴覚情報を処理する脳の中枢神経に何らかの問題がある状態を指します。日本でも約240万人の方が、この症状で悩んでいるそうです。具体的にはAPDとはどんな状態なのか?

今回は支援機関も少ないこのAPDに向き合っている当事者の方の話も交えながら、このAPDについて考えていきたいと思います。

聴覚情報処理障害(APD)とは?

「雑音の中では話を聞き取ることが出来ない」「小さな声や早口が聞き取りづらい」ー。音を収集・感知する耳の機能は正常ですが、聴覚情報を確認する脳の中枢神経に何らかの障害が生じている状態で、雑音の多いシーンでは人の話す必要な話などを聞き取れず、理解が困難となってしまいます。

音自体は聴こえているので、健康診断などで行う聴力検査でも問題は起こりませんが、日常生活の様々なシーンで、聞いた話の内容が理解不可能な状態が発生します。日本人の全人口の約2%(約240万人)が該当するとの調査結果も発表されています。

APDの症状は、雑音の多いケースで周囲の音などが聞き取りづらい▽話しかけられても理解できない▽複数人が同時に話すと話の内容に気付かない-などが見られます。近年発見された障害のため、まだハッキリとした診断基準は設けられておらず、現在は雑音の中を流すある特定の音を聞き分けたり、同時に複数の単語を聞き分けたりする聴力検査などで総合的に判断され、診断を受けます。

参考:“聞こえているのに聞き取れない” APD 初の大規模調査へ|NHK|News  Up(2021年)

聴覚情報処理障害(APD)に悩む当事者たち

人の声は音としては聴こえているはずなのに、言葉として理解できない。そんな症状に悩んでいる当事者がいます。特に雑音の多い場所での人との会話の聞き取り困難が生じますが、健康診断などの聴力検査には問題なく見落とされやすい、「聴覚情報処理障害(APD)」。注意力や発達障害など認知機能の先天的な脳の偏りが起因だという見解で、後天的には度重なるストレスや脳損傷の後遺症などが理由で誰もが発症するケースもあります。

根本的な治療法は確立されておらず、社会生活を困らずに過ごすには周りの配慮が必要不可欠ですが、まだまだAPDの認知度自体が非常に低く、当事者は「まず障害のことを理解して貰いたい」と声を上げています。

まだまだ知られていない障害ですが、APDが診断可能な病院は全国に数ヵ所しかないです。その1つである、大阪府大阪市阿倍野区にある大阪府大阪市立大医学部付属病院には、APDを診断を受けた当事者が週に1~2人程、通院しています。専門の耳鼻咽喉科の医師の男性によれば、周りの人の話を聞くためには、他の雑音の中から周りの声を汲み取る注意力や内容を記憶する能力も必要ですが、先天的な発達障害やそのグレーゾーンがあると注意力や記憶力といった力が非常に弱く、体調が悪い時はより症状が悪くなるということです。

しかし、大阪府大阪市立大医学部付属病院の耳鼻咽喉科の医師の男性によれば、当事者が病院を受診する事例では「バイト先や就職後に聞き取れないなど困難が露呈してからの受診が多い傾向です」と指摘します。学校生活においては授業で教師の話が聞き取りづらくても、黒板や教科書の文字で理解出来るからです。

参考:「聞き取れない」障害知って 音は聞こえても認識困難 産経新聞(2020年)

根本的な治療法がないため、当事者は症状とうまく付き合っていく必要があります。APD研究の第一人者で国際医療福祉大学の教授は「まず自分の障害の特性を知り、対策を立てることが重要」と懸念します。例を挙げると話すときはテレビを消すなど雑音を少なくして貰うなど工夫を凝らします。また一対一で話して頂いたり、メールで指示して頂いたりと、「周りにAPDに対しての協力を求めることも大切」と話します。困りごとが軽減すれば気持ちが安定し、APDの症状も軽くなるということです。

聴覚情報処理障害(APD)を持つ女性が体験談の漫画へと昇華

画像引用・参考:聞こえているのに、聞き取れない!「APD=聴覚情報処理障害/LiD=聞き取り困難」とは? PR TIMES(2022年)

人の話が聞き取りにくい「聴覚情報処理障害(APD)」に苦しむ人たちがいる。芽室町出身の漫画家・イラストレーターの女性=三重県在住=もその一人。症状や実体験を漫画で発信し、「まずはAPDのことを知ってほしい」と訴える。

漫画家・イラストレーターとして活動するが、「口元やジェスチャーの見えない電話で指示されると、理解しづらい」状態が続いた。「自分は発達障害では」と疑い、インターネットや本などで情報収集してAPDの存在を知った。

「109点以下はAPDの疑い」となるチェックシートで自己採点すると、結果は54点。以降は「APDの漫画家が描くAPDがよくわかる漫画!」を執筆し、インターネットなどで情報を細かく発信する。

女性のSNSには「わたしもAPDかもしれない」などのコメントが続々と寄せられる。「知らずに悩んでいる人がたくさんいることを感じた」。同じ体験をしている人たちには、「持って生まれた脳の特性なのだから、自分を責めずにAPDとうまく付き合う方法を探って」と諭す。

引用:「聴覚情報処理障害に理解を」 芽室出身の漫画家・イラストレーターきょこさん 十勝毎日新聞(2022年)

また、2022年8月上旬にこの漫画家・イラストレーターの女性が描いた『マンガ APD/LiDって何!? 聞こえているのに聞き取れない私たち』が、Amazonや楽天ブックス、全国の書店などで販売されます。

今不安なこと。

私はAPDではなく、感音性難聴な為、左耳は全く聴こえず、会社でも座る席を自分で考えて座ります。いつも聴こえる右耳が音を最大限に拾える席に自主的に座ります。ですが、普段私の座っている席は、新しく入った利用者の方にも提供されやすい机で、私はこの記事を書く前に土曜日を公休にしていて、新しく入る利用者さんの事を知りませんでした。

次の週の月曜日出勤すると、私の席は新しい利用者の方の席になっており、私は席移動せざるおえませんでした。先週まで座っていた席の真正面の席ですが、人の話し声やエアコンの音で、若干朝礼の音が聴き取れていません。私が普通に話せるので聴覚障害を見過ごされがちだと思いますが、新しく入って来た利用者の方を考えると、今日から座っている席に慣れるしかないのかなと、まずは慣れる事を意識することにしました。聴き取りづらくなっているのは、本当なんですけどね。仕方ないですよね…。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、高眼圧症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。