ブルース・ウィリスさんが発症した、前頭側頭型認知症の症状や特徴とは? 

前頭側頭型認知症

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

アメリカの[アルマゲドン]や、アクション映画[ダイ・ハード]シリーズなどで知られる俳優のブルース・ウィリスさんの家族は2023年2月16日、ウィリスさんが認知症を患っていると明らかにしました。「前頭側頭型認知症」と診断を受け、コミュニケーションに支障が出ているといいます。

ウィリスさんは2022年3月に失語症の診断を受けたと明らかにし、家族は失語症によってウィリスさんの「認知能力に影響が生じている」ため、俳優業から引退する意向を公表していました。家族によりますと、その後に症状が進行し、病名が判明しました。

家族は「世界中からブルースに数え切れない程の沢山の愛を注いで頂いたことに心からの感謝しています」とSNSで綴りました。

今回は前頭側頭型認知症を発症したウィルスさんの2023年2月現在の近況、症状などについてお知らせします。

2023年2月、ブルース・ウィリスさんが前頭側頭型認知症を発症したと、家族が公表

家族は声明で「2022年春にブルースが失語症と診断されたのを明らかにして以降、ブルースの病状は進行してしまい、前頭側頭型認知症と診断を受けました」と説明し、「残念ながら、コミュニケーションの困難はブルースの前に立ち塞がる1つの症状に過ぎません。これは悲しいことですが、明確な診断がついて安心しています。私たちが聞いたこともない様な残酷な病気で、誰もが発症する恐れがあります」と訴えました。

この声明は、妻エマ・ヘミング=ウィリスさんや元妻デミ・ムーアさん、3人の娘らが連名で明らかにしました。

1892年にアーノルド・ピック医師が最初に報告したことで、元々ピック病と言われていました。

前頭側頭型は「神経変性」による認知症の1つで、脳の一部である「前頭葉」や「側頭葉前方」の委縮がみられます。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症と並んで四大認知症の1つで、同じ認知症でも全体の7割近くを占めるアルツハイマー病と違い、たった1%程度しか患者がいません。

現在、日本には1万人超の患者がいると推定されています。2015年に厚生労働省が「指定難病」と認定しました。

前頭側頭型認知症は40代から65歳未満での発症割合が高く、進行を防ぐ治療薬も未だに開発に至っていません。前頭側頭型認知症の発症の原因は不明ですが、物忘れなど有名な症状はほとんど出ず、発症することで人格が変わったり、衝動的で社会性に欠けた行動や、周囲に対して無関心であるかの様な振る舞いをしたり、言葉が上手く出なかったりするケースがあります。

「ブルースはずっと、自分の声を世界に発信し続けることが他者を助けることに結び付くと信じ、公的にも私的にも、重要な問題への意識を向上することに結び付くと信じていました。彼自身で、発信できるとしたらそうしていたと思います。報道によって、有効な治療法がない現在ですが、より深い理解と研究がこの病気に光を当て、私たちは何年か先にこの現実がてんかんすることを祈っています」と述べました。

その上で「ブルースが現在、もし自分自身でアクションできるとしたら、世界的に注目を集めて、身体を衰弱させるこの認知症と向き合っている人々と手を取り合い、多くの人やその家族にこの認知症がどんな影響を生じさせるかを表すことで応じたいと思うだろうということを、私たちは理解しています」とも説明しました。

参考:ブルース・ウィリスさん、認知症と診断 家族が公表 BBC NEWS JAPAN(2023年)

▽発症の見分け方

①「利き手」「長所」など知っているはずの言葉を聞いても意味がわからない

②知人や友人の顔を見ても誰かわからない

③店頭や人の家の庭先にあるものを勝手に持っていく

④一時停止違反や信号無視など交通違反を繰り返す

⑤毎日のように急に出かける

⑥甘いものが過剰に好きになる、毎日同じ料理を食べる、食べ物をあればあるだけ食べる

①②が側頭葉から萎縮する「側頭型」の症状で、③④⑤が前頭葉から萎縮する「前頭型」の症状、⑥はどちらが萎縮しても起こる症状です。

この6つの項目のうち、1つでも当てはまれば、前頭側頭型認知症が疑われます。

引用:前頭側頭型認知症とは?症状や対処法・セルフチェック NHK 健康ch(2020年)

▽症状

❶常同行動:同じアクションを繰り返し行う

日々の暮らしの色んなシーンで、時刻表的生活という、毎日決まった時間に同じアクションを繰り返します。

散歩の面では、常同的周遊という毎日一定の時刻が来ると同じコースを徘徊します。食事の面では、同じメニューを毎日作り、それが無くなるまで食べ続けるなど、同じアクションばかりを取ります。

それ以外にも、膝や机、机などを叩き続け、太ももを手で常時さすり続けるなどの反復行動が現れるケースもあります。

常同行動を伴っても、視空間認知や見当意識は維持されたままなので、家をフラッと出て行っても道に迷わず帰宅も可能です。

❷食行動の異常

食習慣に変化が現れる様になります。料理の味付けの好みが変化したことで、味の濃いものや甘いものを好み、食べ続けます。食欲が増して多く食べる様になって、冷蔵庫を漁って口に入れるケースもあります。

その後、口唇傾向という手に触れたものを全部口に入れて食べようとします。

❸脱抑制、反社会的行動

刺激に対する反応や欲求が抑制できず、本能のままアクションを取る傾向になります。周囲への配慮を欠いた反社会的な行動や、逸脱行動が現れ出します。相手に対して常識や社会通念、礼節への遠慮が消え、他人がどう感じているかなんて気にしなくなります。

度が過ぎた悪ふざけをし、規則に従わず、一時停止違反や赤信号無視などの交通違反を平気で繰り返したり、毎日のように突然外出したりします。

また、前頭葉が萎縮して来ると、様々な刺激への反応や欲求を抑制が困難となり、大量に物を買い込んだり、目に映ったものを全て欲しいと感じ、店頭に並ぶ商品などを勝手に持ち帰る、万引きや痴漢などの軽犯罪をし始め、周りの人とトラブルを起こし兼ねません。

注意を受けても全く悪気はなく、注意をしたことで逆に暴力を振るったり、怒り出したりする場合もあります。道徳観も低下していることで、罪悪感を感じません。

こうした性格変化、行動異常は突出するものですが、単に性格が最近変わった?と思われて、認知症として認識できず、診断が遅れることもあり、逆に認知症が進行して自発性の低下が進行していくと、症状が目立ちづらくなります。

❹被影響性の亢進:影響を受けやすい

外的刺激へよく熟考せず反射的に、質問にそのまま返事をします。また、相手の動作を真似したり、言葉をオウム返しに返事したり、同じ単語を言い続け、同じ内容の話ばかり話します。認知機能検査を実施しても、データが現状に反映しなくなります。

❺立ち去り行動:注意力・集中力低下、維持困難

すぐに気分が他方に反れがちで、1つのアクションを継続できなくなります。何も言わずに突然部屋を離れてしまいます。

❻無関心、意欲減退、自発性の低下

初期症状から自分自身や周りへの無関心が目立ちます。保清にも関心が無くなり、自発的に身だしなみや入浴することに注意ができなくなります。常同行動を伴っているケースでは、病気で寝ている家族に普段と同じ様に食事を食べたいと言ったり、何も行わずにボーッと過ごします。

物事に関心が無くなり、家事をしない、社会的にも孤立、質問しても真剣に答えない、引きこもりがちとなり、適当に相槌することも多く、うつ病と診断を受けるケースもあります。

更に症状が進行すると言葉を話せなくなり、椅子に座った状態、またはベッドに寝た状態で、無動無言状態に陥ります。

❼人物がわからない

右側の側頭葉が萎縮すると、親戚の顔を観ても誰か判断できません。

❽言葉の障害

知っているはずの単語も意味が理解できなくなり、物の名前が出づらくなります。また、文字を読み誤るケースも生じます。発音も上手くできず、滑舌が悪い話し方に至ります。

❾感情の鈍麻

他人に共感できない、感情の反応が鈍い、周囲に感情移入ができないという、感情の鈍麻も発症します。

❶〜❾の症状が緩やかで静かに進行し、発症した後平均6~8年で寝たきりの状態になります。

参考:前頭側頭型認知症とは はしぐち脳神経クリニック

父のことが心配

私の父は2023年に入った時、3ヵ月程度の中で、最低6回は落とし物をしました。銀行で家の鍵を落としたり、とある書類をコピーしに行って無くしたり、又書き直した数週間後に、警察から落とし物の通知が来たり。

年齢的なものもあるかもしれませんが、2023年に入り、さらに落とし物が増えました。幸いほとんど親切な人により帰って来ましたが、1つ落としたのか無くしたのか全く分からず、見つからないものがあります。

父は少し血圧が高く、薬を処方されているのですが、これをまた1日1錠なのに、「今お茶を飲んでるから薬は飲めません」とか、勝手な理由を言って飲みません。飲まないから薬が減らず、病院にも行きません。主治医も来ないことに何も言いません。「薬が高いから、貰いに行けない」と言うのですが、私と母の薬より遥かに単価が安く、私と比較しても15倍以上薬代安いのに、偏屈で素直さがなく、理由をつけて行きません。

補聴器 認知症の記事で書きましたが、父は認知症になる可能性を幾つも持っています。2023年に入り、余りにものを落とすので、認知症になりつつあるのでは?と、不安は絶えません。

父はたばこはもちろん止める気は全くないですし、せめて素直に血圧の薬を飲んで欲しいと思います。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。