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皆さんこんにちは。Pinkです。「医療崩壊」という言葉を目にすると、終わったわけではありませんが、数年前の「新型コロナウイルス感染症」が思い浮かびます。
毎日のように、各国の医療現場の状況がテレビで報道され、「パンデミック」「ロックダウン」という言葉を聞いては、現実とは思えずにいました。
その当時私は、保育園の清掃の仕事をしていて、小さな子供たちのマスク姿に、大人でも苦しいのに、大丈夫だろうかと心配していたのですが、明るく元気な笑顔に助けられたように思えます。
Yahoo! JAPANニュースに掲載されたForbes JAPANの記事に、イギリスの「医療崩壊」のことが書いてあり、厳しい現実に心が痛みました。
今回は、そのことについて書きたいと思います。
イギリスの看護師でつくられた労働組合の調査
イギリスの看護師でつくられた「労働組合」の調査によると、調査した看護師の3人に1人以上(37%)が、「勤務中に患者が不適切な場所で看護を受けるところを見た」と回答したとのことです。
また、入院待ちの患者が、病院の廊下や駐車場、挙句の果てには備品置き場で治療を受けるのが普通の状態になっていると、病院の現状について、現場の看護師たちが警告を発しているそうです。
病院では、最低でも過去2年間、緊急救命室(ER)の過密状態が大きな問題になっており、待ち時間は格段に延びているため、廊下に置かれたストレッチャーなど、病院内の必ずしも機器が整っていない不適切な場所で、治療を受ける患者が続出しているとのことです。
調査した看護師およそ1万1000人のうち半数超(53%)は、「こうした『廊下治療』では、酸素供給装置や吸引器のような救命機器が使用できない」と答えているとのことです。
さらに、約67%は、適切な治療環境で期待できるような、プライバシーや体面が「廊下治療」では損なわれるとしているそうです。
かつて世界をリードしていたサービスが、いまでは駐車場や備品置き場で患者を治療する状況で、高齢者が椅子の上で衰弱したり、患者が廊下で亡くなったりしているとのことです。
こうした状況の恐ろしさを軽視してはならず、患者の安全にとって国家的な緊急事態であり、システムが危機に陥っている徴候だとも話しています。
この危機は、主に病院と地域医療の両方で、資源が限界を超えてしまっているために発生しており、どちらのサービスも人口の高齢化にともない、増える患者の需要に追いつけていないとのことです。
どういったことなのか、下記の通りまとめてみました。
① ソーシャルケア施設のベッド数や、在宅ケアワーカーの数が足りていないことに より、 病院から高齢者や高リスク患者が退院するのが遅くなる
② 病院で利用できるベッド数が減り、ER部門からほかの部門に患者を移すことに時間がかかるようになり、過密状態に陥る
③ 病院は救急車で搬送される患者の受け入れも難しくなり、救急車もたらい回しにされるため、新たな救急要請に対応できる台数が制限されてしまう
以上となります。
救急医療の遅れで1万4000人が死亡したと推定される
救急医療の長い待ち時間は、患者の臨床成果の悪化と関係性が持たれているとのことです。
イギリスの医療専門誌向けに行った調査では、救急医療の遅れについて書かれた検視報告書が、昨年2018年比で4倍に増えていることがわかったそうです。
これらの報告書は、検視官が将来の死を防ぐために、それなりの対策が必要と判断した場合に公表されるとのことです。救急医療危機が引き起こしている害を示唆するものとしては氷山の一角にすぎないとのことです。
イギリスの救急医でつくる「職能団体」によると、救急医療の遅れに関係した死は2023年におよそ1万4000件にのぼると推定しているそうです。
最後に
イギリスでは来月に総選挙が実施され、新たな政権を選ぶことになっているとのことです。いくつかの医療団体は、次の政権幹部たちは救急医療危機を優先課題のひとつにすべきだと訴えています。
看護師でつくられた「労働組合」は、担当相らに対して、「廊下治療問題」を追跡調査し、この問題について理解を深め、説明責任をもっとしっかり果たすよう要望しているとのことです。
また、会長は、患者が一般開業医の予約をとれず、地区看護師の訪問も社会福祉のサービスも受けられないために、病院の救急外来部の扉をたたくということは、本来あってはならないことだけれど、現実にはそうなっていると話しています。
そのうえで、「廊下治療」は病院の災難だけれど、解決策はわかっていて、保健医療システム全体と、そこで働く看護師たちに投資することだと政府に行動を促しているとのことです。
参考サイト:「患者が廊下で死んでいく」 英医療崩壊の恐るべき実態
noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!
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