【体験談】精神科病院に入院する、もう一つのメリットは『薬選び』〜先生と共に、適切な薬を〜

薬 愛

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どうも、ゆたです。

前回の体験談の記事にて、入院は「日常と切り離し、本来の自分を取り戻す」目的があるというお話をしました。

【体験談】精神科病院の入院中、どんな生活してるの? 〜ゆっくりとした時間の中で感じたこと〜 

それに加え、もう一つ、入院にはメリットがあります。

それは『自分に合った薬を見つけることができる』という点です。

今回はそこに焦点を当て、体験談を交えつつ、記事を書いていこうと思います。

精神病は十人十色? 1人1人、薬は違う。

精神病、と一言でいっても、その種類は多岐に渡ります。

私は統合失調症ですが、それ以外にもうつ病、強迫性障害、睡眠障害などまだまだ沢山あります。

私も何度か取り上げているADHDやASDも大枠は精神疾患、精神病の一つです。

そして、精神病の難しいところは、人によって症状に差があることです。

病名がわかっていても、一人一人の症状は千差万別です。

先生もどの薬をどの量出すかは、毎度頭を悩ませています。

私は入院した当初は、幻聴や妄想などの症状もありましたが、現在その症状は全くありません。

治った、というよりかは健常者の方と大差がないほど良くなった、というイメージです。

私のように症状が緩和していくと、薬の量を減らすこともあります。

しかし、残念なことに通院だけでは薬を減らすタイミングを逃してしまうこともあるのです。

通院のみの場合、先生と診察をしますが、それだけでは症状がどれほどのものなのか、決めあぐねることがあります。

なので、正確な診断ができるようにするためにも入院は必要な過程なのです。

【体験談】私の薬は減ったり増えたりを繰り返しました。

入院当初、詳しい薬の名前までは覚えていませんでしたが、6種類ほどの薬を服用していました。

薬のせいか、頭がボーッとして毎日、眠たげでした。両親からは死ぬほど心配されましたが、症状は全く出ていなかったので、全くキツくありませんでした。

それが2週間ほど続いた時、私の担当医であるM先生から、

「少しづつ、薬の量を減らしていくね」

と言われ、三日ごとぐらいに薬を減らして様子を見ることになりました。

薬が減るにつれて、脳みそがクリアになっていくのを実感できるほど、意識がはっきりしていきました。

しかし、それに伴い、たまに幻聴が聞こえるようになったのです。

なので、薬の量を戻し、再び経過を見ていく、こういったことを何度か繰り返していきます。

そんな中、ある日、先生と話す機会が設けられました。

先生とは最近の調子について軽く会話した後、「薬自体が合ってない可能性があるから、色々試してみよう」と言いました。

なので、ここから1ヶ月ほどは様々な薬を試していくフェーズに入ります。

私は大雑把に三種類ほど試しました。

その中で私の体質とピッタリ合った薬が見つかりました。

それは、エビリファイという抗精神病薬でした。

この薬は脳内の神経伝達物質の働きを調整し、気分を安定させる働きがあり、それによって、意欲が高まる効果があります。

当初、沢山の薬を飲んでいた時は、ボーとしているだけでしたが、この薬に変えてからは色んなことにチャレンジしていこうと思えるようになりました。

入院中に色んな友達ができたのもこの頃からですね。

そして何より、症状がほとんど出なくなっていきました。

妄想は未だにありますが、幻聴・幻覚はピタッと止まりました。

すると、他に飲んでいた薬が飲まなくて良くなり、退院する頃には、エビリファイ+頓服(リスパダール)のみになりました。

このように入院中は『自分に合った薬を見つける時間』としても有効なのです。

これから。

光 希望

ただ、勘違いさせてしまうかも知れないので、予め言いますが、エビリファイが万人に効く薬というわけではありません。

私に合う薬だっただけです。

患者さんの中には、全く効果がない人も沢山いましたし、逆に私には強すぎる、という方も少ないですが、いました。

私には合わない薬としてクエチアピンというものもあります。

しかし、他の患者さんではこの薬が1番安定するという方もいましたので、薬に優劣はありません。

ただ、こういった精神病に対する治療薬には大なり小なり、副作用がつきものです。

定番では体重増加、眠気、不眠などもあります。

なので、自分の症状と照らし合わせながら、慎重に最適解を見つけていく必要があります。

先生方と共にこれからの人生が少しでも楽しいことで溢れるようにするためにも、前向きに薬選びに臨んでみてください。

(参考までに抗精神病薬についてわかりやすく書かれているサイトを載せておきます。統合失調症に効く薬が多いですが、興味がある方は是非、みてください)

参照:抗精神病薬の種類・効果効能・副作用の解説

最後に。

私が体験談として記事を発信する中で、入院中のことを多く取り扱っています。

それは精神科病院について、少しでも知ってもらいたいな、という思いも、もちろんありますが、それに加えて、これから入院する人たちの不安を解消したい、という思いがあったりします。

当時中学生だった私は精神科への入院について、とにかくマイナスなことしか考えていませんでした。

学校に行けないとか、もう普通じゃなくなるとか。

ですがいざ入院してみると、楽しいことや発見も沢山ありましたし、何より自分の未来に対してどうしたいか、どうしていきたいかを見つめ直すいい機会になりました。

この記事を見てくれた人の中で、これからもし入院するという方がいましたら、あまり悲観的になりすぎず、「休憩がてら、これからについて考えてみますか!」 と前向きな気持ちで入院するのも、案外悪くないかも知れません。

今苦しんでいる方々が、少しでも楽しいと思えるような未来になることを願って、今回の記事はここまでとさせて頂きます。

以上、相手はゆたでした。

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