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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私の会社ではほぼ毎日見学や体験、面接の方が来られており、面接の時はスーツを着ている方も居れば、私の様に私服で来られている方もいます。スーツは一般就労をしていれば、恐らく身近な仕事着だと推測しますが、そんなスーツや靴、革製品に障害を持つ方が関わっていることが分かりました。
今回はそんな障害者の方が関わっている皆さんの身近な仕事着関連の商品について、3つご紹介したいと思います。
スーツ×障害者。
障害を抱える人の一般就労に向けて支援する大阪府八尾市のNPO法人「テイラーズ・ギルド」の仕事場では、就労継続支援A型事業所の訓練生たちがオーダーメイドスーツの縫製を実行しています。理事長の男性は「誇りを持てる仕事を手に職を身に付けて頂きたい」との熱い想いで、業界ではとても珍しい企画にチャレンジしました。
オーダーメイドスーツの縫製作業が中心の就労継続支援A型事業所として2016年に開設されました。現在36人が勤務し、4人のベテラン職人たちの指導を仰ぎながら、高品質のオーダーメイドスーツを製造しています。
最初は基礎的な縫製を勉強し、段々経験を重ねてくるとスーツの裾やボタンホールといった各パーツの縫製を専門的に出来る様に学べます。勤務実績を積み重ねるうちに縫製出来る部分が増加するので、今ではスーツのパンツなら一人で縫製可能な勤務者も中にはいます。技術を熟得し、最終的にオーダーメイドスーツ一着の工程を1人で全部担当出来るようになって独り立ちして貰いたいのがNPOの狙いです。
参考:「熟練の技」障害者へ伝承 オーダーメードスーツ縫製で「共生」社会へ 産経新聞(2022年)
このNPOには2つの課題を解決する狙いがあります。スーツ業界は深刻な技術者の後継者不足に悩んでいます。特にオーダースーツは技術継承の場がほとんどなく、今の職人が引退したら技術が途絶える恐れがあります。
もう1つは、単純な軽作業が中心となってしまいがちな就労継続支援事業所の実情です。就労は出来ますが「やりがい」を見つけるのが大変難しく、そうすると「将来」も見えないのが問題でした。
靴×障害者。
岐阜県関市内のマンションの一室に店を構える「靴磨き専門店LEON」。若き靴磨き職人の男性がコロナ禍の2020年4月に回転させた完全予約制の靴磨き店は、SNSや口コミで評判が拡散され、瞬く間に人気店までになりました。
男性は小学生の頃から人間関係に悩み、生きづらさを抱えていましたが、1つに没頭出来る靴磨きに出会って、中学1年生から路上靴磨きの世界に入りました。18歳の頃にASDと診断を受けました。集中力と記憶力を強みに靴磨きの修業を重ね、独立を果たした男性は、発達障害を抱えている人たちの相談にも応じています。
最初の店舗は岐阜県関市内で借りた、別のマンションの六畳間が始まりでした。開店した2020年4月当初は新型コロナウイルスが感染拡大し、日本全土に緊急事態宣言が発令された時期でした。月に1件程度しか注文が来ない厳しい船出でしたが、店の評判はSNSなどで拡散していきました。宅配での注文もスタートすると、1日に60足届く日もありました。
「どんな時も命を削って磨け」。男性は師匠の言葉を心に刻み、靴磨きに向き合う毎日です。靴のケアを習慣化し、一生履き続けられるような靴に仕上げたいと、店では1足の靴磨き料金を2000円台に設定し、学割も適用しました。
完全予約制の対面スタイル経営は、お客さんと話しながら靴を磨いて要望に応えたいためです。「今はそれなりに発達障害だと言える社会になりましたが、大人も企業もどのように発達障害を抱える人に接したらよいか分からないって人は多いと思います。発達障害を抱える当事者しか分からない問題はあります。自分の体験を誰かに伝えられたらいいなって。それが僕の使命です」。
男性自身が発達障害を抱えていることや、子どもが発達障害を抱えていて将来の生活を不安に感じる両親から、男性は相談を受けることが多いと話します。「僕の体験談から何かつかんでいただくきっかけがあればいいな」。すっきりした気持ちで帰って欲しいという願いを込めて、男性は今日も「靴磨きは心磨き」と言葉に出しています。
参考:集中力と記憶力を強みに 発達障害のある若き靴磨き職人 岐阜新聞Web(2021年)
男性と同じ発達障害のある子どもを対象に靴磨き教室を開き、小学1年から高校1年の14人が通います。靴を磨く子もいれば、靴を触ったり、靴磨きに関係なく遊んだりする子もいます。「子どもの特性に気付いた親御さんもいました」。放課後デイサービスでは月1回、靴磨きを教えるボランティアを続けます。
革製品×障害者。
株式会社ボーダレス・ジャパン(本社:東京都新宿区)のグループ会社であるジョッゴ株式会社(本社:東京都新宿区)は、障害を持っていても自分を信じられる社会を目指して立ち上がった革製品の自社ブランド「UNROOF」と、老舗セレクトショップSHIPSとのコラボレーションアイテムを、SHIPSの一部店舗並びにオンラインショップにて、販売開始いたしましたのでお知らせします。
UNROOFは、健常者・障害者という区別をせず、障害を一人一人の個性と捉え、一職人として自分に誇りをもつことのできる社会づくりを事業の目的としています。
画像・引用:革小物のコラボレーション商品を発売開始!「UNROOF X SHIPS made in Japan」 PR TIMES(2020年)
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スーツと私。
確か大学に入る前、入学するからとスーツを両親に買って貰いました。大学を辞めた後もそれを着て、150件以上の一般就労の面接に着て行ったり、一般就労に夢破れて引きこもり時代に通所していた施設で1年に2回だったかな?、開催があっていた合同面接にもそのスーツを着て行きました。
本当に引きこもりで寝てばっかりだったので、同じ位の体型でも、学生時代からの活動量が全く変わった為、筋肉が脂肪に変わり、スーツも大学入学の時のものでは、かなり無理がある様になりました。
私はA型へ面接に行った時にはスーツは着ていきませんでした。まだ一般就労は全く考えていませんが、今後の為にスーツを新調するのも大事かなと思いました。
本当に最近は障害者の方が、色んなジャンルの職種におられて、それを会社のサイトで紹介出来て嬉しい限りです。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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