この記事は約 13 分で読むことができます。
こんにちは、改めましてM. Jです。
タイトルにある『骨粗しょう症』とは、「骨の新陳代謝のサイクル」がうまくいかず、「骨密度の低下が起こっている状態」と考えられています。
端的に言えば「骨の健康が損なわれている状態」です。
「骨粗しょう症にならない身体づくり」のためには、若い頃から「骨のケア」が必要不可欠です!
1日1日、良い生活習慣をつくることで骨量を正常に保つことができます。
今回、「骨粗しょう症による骨折への対応は高齢者になってからでもいい」という「安易な考え方」をすることがどんなに「危険」なことかを「警鐘」していこうと思います!
人ごとと思わず、ぜひご覧いただきますようお願い致します。
以下の項目に沿って、骨についての記事を書いていきます。
- 骨粗しょう症について
- 骨粗しょう症を放置すると・・・
- 母・骨粗しょう症で骨折!
- 骨密度の検査
- 骨粗しょう症を防ぐ生活・運動
- 健康寿命を伸ばすために
次の項からは、骨粗しょう症について深く掘り下げていきます。
骨粗しょう症について
【骨粗しょう症とは・・・】
骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気。
腰痛や骨折がない場合でも、腰・背中の痛みが出て「骨折」しやすくなる。
たとえ症状がない場合でも、骨密度が低下していれば「骨粗しょう症」と診断される。
【骨粗しょう症の特徴】
①骨密度は50歳以降低下していく。
→50歳以上の女性の4人に1人は骨粗しょう症。
②女性が8割以上:圧倒的に「女性」に多い。
→女性の場合閉経するとエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下する。
③ダイエット経験者は「骨粗しょう症予備軍」である。
→食事量が減少して、カルシウムが不足すると骨密度が低下するため。
④運動不足で骨密度の低下が起こる
→骨に負荷がかからないと、骨芽細胞が活発にならない。
【骨粗しょう症になりやすい人】
●喫煙をする人 ●多量の飲酒をする人
●低体重の人(BMI値が18.5以下の低い人)
●高齢者 ●閉経した女性
●ステロイド薬を服用している人(薬剤性の要因)
●カルシウム不足の人 ●運動不足の人
●家族に骨粗しょう症の人がいる場合(遺伝性の要因)
【骨粗しょう症の症状】
《軽度》
①外見の変化:背中や腰が曲がってくる
②立ち上がる時や重いものを持った時、背中や腰が痛む
《重度》
①外見の変化:背中や腰の曲がりが著しくひどくなる
②背中や腰の痛みで寝込んでしまう
③転倒をするだけで骨折する
骨粗しょう症は、骨密度の低下によって「骨折しやすくなる」ので「厄介」です。
転倒などによって腰や足の骨を骨折してしまうと、固定の期間が長期間となります。
すると、日常での「移動が制限」されたり、場合によっては「寝たきり」になったりします。「QOL(人生の質)」が著しく低下してしまいます。
しかし、骨粗しょう症は、初めのうちはなかなか症状が出現しません。
よって、骨粗しょう症の状態を「放置」する人が多いようです。
骨粗しょう症を放置するとどのようになってしまうのでしょうか?
骨粗しょう症を放置すると
骨の強度が低下するため、骨折しやすくなります。
《骨粗しょう症によって骨折しやすい部位》
①椎体:背骨
②大腿骨近位部:脚の付け根
③橈骨遠位端:手首
④上腕骨近位部:腕の付け根
この中でも特に注意が必要なのは、上記①②の骨折。
椎体(背骨)の骨折は、軽度の場合「単なる腰痛」として見過ごされる場合があります。
大腿骨近位部、いわゆる脚の付け根を骨折すると「骨の癒合が悪い」ので予後が悪いです。
骨粗しょう症による骨折は、治療やリハビリに時間がかかる。
①杖を使用しないと「歩行が難しい」場合が多い。
②日常生活に介護が必要になることが多くなってしまう。
③車いすが必要、または「寝たきり」となる。
④生活の質(QOL)が低下してしまう。
⑤精神的に大きな影響を与える場合が多い。
骨粗しょう症は、症状がなかなか出てこないので「放置」してしまうことが多いようです。
ただ、万が一背骨や脚を骨折をしてしまうと「固定の期間」が長くなるので、身体的・精神的に「機能低下」を起こしてしまいます。
そうした悪影響を考えた時、骨粗しょう症は放置せず対応していくことが大事と言えます。
母・骨粗しょう症で骨折!
ここでは実際に骨折を起こしてしまった親族を通して、骨粗しょう症による骨折がどんなに「危険」かについてお知らせしようと思います。
M.Jの母は、「痛っ!痛たたたっ!」と声を上げて痛がってから、腰痛が2週間以上続きました。最初は少しだけ動けていたようですが、ある日突然急に動けなくなりました。
近所の病院の整形外科に母を診察に連れて行くと、「軽い腰痛」との診断で「様子を見ましょう」「鎮痛剤をお出しします」とのことでした。
しかし、母は急に動けなくなったことに加え「痛みの訴えが強い」ことが引っ掛かり「様子を見ていくのは、後で最悪のことになるのではないか?」と整形外科の先生の診断を疑いました。その病院には、腰椎(腰の骨)を撮影する「最新式のMRI(磁気共鳴画像)の設備がない」ことに加え、何か「先生の診断が適当」という感じがしていました。
そのため、その整形外科の先生に「診療情報提供書(紹介状)」を書いてもらい、別の病院の整形外科に母を診察に連れていきました。
別の病院に到着して「最新式のMRI」で母の腰椎(腰の骨)を撮影してもらうと、「腰椎圧迫骨折」「骨粗しょう症がかなりひどくなっています」という結果が出て、とても驚きました。
母は「重度の骨粗しょう症」だったのです。その後、母は即入院となりました。
この時期の母は、精神状態が悪く「周囲に暴言を吐く」ことが日常だったので、母の精神状態を穏やかにするのがやっとの状態で「身体的な部分」にまで目が行き届いていませんでした。
骨粗しょう症だったことを考えると「骨に対するケアが不十分だった!」と言わざるを得ません。
若い頃からの「骨のケア」は、ものすごく大事なのではないかと思います!
「骨のケア」をするためにおススメしたいのが、骨密度の測定です。
自分の骨密度の数値を知ることで、自分がどんな対策を講じていけば良いかよく分かります。
では現在、骨密度の検査はどのようになっているのでしょうか?
骨密度の検査
【骨粗しょう症の検査】
- 主に整形外科などの医療機関でX線や超音波を当てて行う。
- 骨量の検査→以下の文献を参考にされてください。
①DXA(デキサ)法
②MD(エムディー)法
③QUS(キューユーエス)法
→成人の骨量の70%以下の場合「骨粗しょう症」と診断される。
骨量の検査については、以下の文献に詳しく書いてあります。ご覧ください。
参考:大正製薬:1からわかるロコモ→骨粗しょう症編(PDF)
《注意》女性は40歳以上、男性は60歳以上になったら「骨密度」を検査しましょう!
【骨粗しょう症の検診の地域格差】
特定健診による骨粗しょう症の検査には、地域格差があります。
《都会の市町村》
- 新宿区(東京都)の場合:「20歳以上の区民」に骨密度測定。
- 久留米市の場合:「25歳の女性」に骨密度測定。
→その後、30歳・35歳・40歳・・・で骨密度測定。
《地方の市町村》
- 大崎市(宮城県)の場合:「40歳以上の女性」に骨密度測定。
- 和歌山市の場合:要望があれば、主に「40歳以上の女性」に骨密度測定。
→その後、45歳・50歳・55歳・・・で骨密度測定。
市町村の特定健診による骨密度測定の対象年齢は以下の文献に書いてあります。ご覧ください。
若い人にはなじみのない「骨密度」ですが、若いからといって「骨粗しょう症」のリスクがないとは言いきれません!若いうちから「骨密度の検査」をしておくことが必要です!
骨密度の検査は、現在「医療機関」でのみ行われていることが多いようです。地域での検診は年1回で、地域格差がある状態です。
基本的に若い人(特に女性)は、自分の「骨密度」を測定する機会がないまま年齢を重ねることが多いため、今後特定健診の中で「基本的なもの」として位置づけられるようになっていくべきだと私は思います!
次の項では、骨粗しょう症を予防する方法について書きます。
骨粗しょう症を防ぐ生活・運動
骨粗しょう症を予防するには「生活習慣を見直す」ことがものすごく大事です!
「骨の健康を促進する」ためには、以下の3つの要素が必要だと考えられています。
- 「カルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどの栄養素を摂る」
- 「日光浴をする(過剰になり過ぎないように)」
- 「骨に負荷をかける運動(体重負荷など)で骨を鍛える」
これらのことをしっかり行うことで、骨粗しょう症による「骨折を予防すること」ができます。ここからは詳しく見ていきます。
【骨粗しょう症を予防する生活】
①食事
- カルシウム:牛乳・ヨーグルト・小魚・小松菜・豆腐など
- ビタミンD:サケ・うなぎ・さんま・しいたけ・卵など
- ビタミンK:納豆・ほうれん草・大根の葉・キャベツなど
- タンパク質:肉・魚・卵など
- マグネシウム:緑黄色野菜・果物など
②生活環境→「転倒しにくい生活環境」にすること!
- 「コード・カーペットなどでの転倒が多い」ので部屋を整理整頓する
- 段差をなくす。「小さな段差」にはわかりやすく「目印」をつける
- 階段に「手すり」をつける
- 外出するときは転びやすい「ヒール・サンダルなど」は避ける
- 悪天候・夜間の外出は「足元に注意」する
- 動きづらくなるので「長靴・ブーツ」は避ける
③運動
- 運動を行う前に必ず「ストレッチ」を行う
- 基本的に「ロコモティブシンドローム予防の運動」を行う
《1》片足立ち
《2》スクワット
- 買物の時、歩く距離を長くする→できれば30分以上運動する
- 日常生活の中でできるだけ「階段」を使用する→エレベーター・エスカレーターは避ける
- 座っている時間ではなく「立っている時間」を長くする
- 掃除・庭仕事など「身体を動かすこと」を心がける
- 有酸素運動:ウォーキング・ジョギングなどを行う
- 筋力トレーニングを行う。→骨に刺激を与える
- 日光を浴びるようにする
【理論】
①骨に「負荷をかける運動」がものすごく重要です!
②運動によって「骨の中の細胞の働き」が活発になります。
→骨量が増えることにより「骨折する危険性が減少」します。
「骨のケア」において食事の際どんな栄養素を摂取すればよいかはよく言われているのですが、意外と「生活環境」や「運動」についてはおろそかになっている感じがします。
上記のように「転倒しにくい生活環境の整備」と「骨に負荷をかける運動」をしていかない限り、骨粗しょう症による「骨折を防ぐ」ことはできないのです!
日常生活の中で意識して「体重をかけて日々の動作を行う」「立っている時間を長くする」「転倒しないしないよう注意深く行動する」ことはものすごく大事なことです!
健康寿命を伸ばすために
以上「骨を大切にしよう!骨折を防ぐ」でした。
改めて聞きます。「骨のケア」について考えるのは「高齢者」だけでいいのでしょうか?
それは断じて違います!「骨に対する関心・ケア」は若い人にも大事です!
骨粗しょう症ついての知識はとても重要です。
骨粗しょう症は、初めのうちはなかなか症状が出現しません。
そのため「放置」され、ひどくなってから「骨折していた」ケースが多いです。
骨粗しょう症による転倒などで骨折すると、固定して動くことができない期間が長期間になり、その後の生活の質(QOL)が低下してしまいます。
背骨や脚を骨折をしてしまうと、「移動能力の低下(杖歩行・車イスなど)」「日常生活動作への支障」「精神状態の悪化」「認知症」といったものが出現する「危険性」が高いです。
よって、骨粗しょう症は「放置」せず「対応していくこと」がものすごく大事なのです!
しかし、現状では「骨粗しょう症」に対しての対応は「不十分」だと言わざるを得ません。
骨粗しょう症の検診は、本当に現状のままでいいのでしょうか?
一刻も早く「骨密度検査」を40歳以上で年1度行うことを「義務化」してほしいです!
誰でも「私の骨密度は〇〇だよ!」という会話ができるような「メジャーなもの」になってほしいと思います!
それに加えて、骨粗しょう症に対する「医療」も、もっと進化することが求められます。
今後、骨粗しょう症によって「容易に骨折する人」を減少させることができればと思います!
若い頃からの「骨のケア」について真剣に考えてみましょう!
この記事をご覧いただき、どうもありがとうございました。
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
基本的な考え方は、こちらの記事を参考にしました。ご覧ください。
骨粗しょう症に対する医療は、薬物療法と皮下注射があります。
詳しい治療法についてはこちらの文献を参考にしてください。
参考:骨検:骨粗しょう症の治療
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、《介護》地域包括ケアシステムの勉強会に参加して感じた問題点と改善案、《精神》地域包括ケアシステムの勉強会に参加して感じた問題点と改善案、デパートにいる時の災害時の対応があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
→ HOME
記事を読ませていただきました。小さなことだけど、食事と運動と日光浴を心がけることが大事なんだ!とわかりました。どんなことでも気をつけていると、小さな変化にも気づきやすくなるでしょう。これからも記事を楽しみにしています。
にわとり様 素敵なメッセージ、どうもありがとうございます!おっしゃる通り、骨粗しょう症にならないようにする方法は「適切な食事・運動・日光浴」です。若い頃から骨のことに関心持っていただければと思います。骨密度のことにも注意していただけると「いつの間にか骨折」も防ぐことができると思います。健康第一です。今後とも、よろしくお願い致します!