みちる。中途視覚障害の亡き祖父を思い開発した、点字入りのインクルーシブデザイン靴下。 

みちる 靴下 点字

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

私は2022年インクルーシブデザインの靴下の記事を書きました。あの時も、「凄く画期的だ!」と驚かされました。

そんなインクルーシブデザイン靴下ですが、2023年に新たな靴下が産声を上げました。

点字と浮き出た文字で色が判断できる靴下が2023年6月、発売されました。ファッション性や履き心地にもこだわり抜いたといいます。

靴下は、愛知県名古屋市にある「マリモ」の新企画『みちる』シリーズの初アイテムです。1足1760円(税込み)。靴下の外側に色を表した点字と浮き出たアルファベットが描かれています。

本シリーズでは、「左右の靴下の色合わせでもう悩まない!私らしく楽しもう!」をメインテーマに掲げ、障害があってもなくても、みんなが履きやすい様に開発されました。

みちる』とはどんなシリーズなのか?今回は社長の女性がこの靴下を開発した秘話などを交えながら、発信していきます。

点字が入った靴下『みちる』。社長の女性が開発を決めた、亡き祖父の思いとは?

「ブラック」なら「BLK」です。ライトグレー、ホワイト、ダークグレー、ネイビーもあります。色を表したアルファベットが描かれているのは靴下の外側であることで、左右も間違うことはありません。サイズは、レディースが22~24.5cm(丈およそ15cm)とメンズが24.5~27cm(丈およそ15cmとおよそ24cm)となっています。地元・愛知県尾州産の綿をふんだんに活かして、履き心地も抜群だといいます。良質な糸を使うことで毛玉もできにくく、かかとやつま先も頑丈に製法されているとします。

日本には、およそ31万人の視覚に障害を抱える人や、およそ350万人の色弱・色盲という色覚異常を抱える人がいます。特に、ペアで揃えなければならない必要を持つ衣料品な靴下は、「色が判別できず、左右で色を揃えることができない」という悩みが多くの方々に共有されていることを当事者アンケートなどで知りました。

代表取締役の女性は、小さい頃から祖父が営んでいた「マリモ」で一緒に仕事をしたいという夢を抱き続けていました。大学を卒業したと同時に「マリモ」に入社しました。靴下などを開発する衣料品業界は、通販の普及や格安商品の登場などで苦境に立たされていました。

「他の会社と真似事をしていたらだめ」。代表取締役の女性は24歳の時、2代目社長の父親の後を継ぎたいと挙手しました。2歳年下の妹は、靴下デザイナーとして、靴下の新企画をサポートしてくれました。

今回の『みちる』の開発を思い立った経緯は、憧れた祖父がきっかけとなりました。病気の影響で片目が失明し、似た色の靴下を区別するのに困惑している姿を間近に見たことでした。視覚に障害を抱える人の「靴下の色が判別できず、左右を揃えるのもできない」との声にも、『みちる』の開発に向けて背中を押されました。

ITの革新を待つのではなく、靴下の専門メーカーとしてアイテムを開発し、その問題の解決を導くことが大事なことだと思い、(先天性・中途)視覚に障害を抱える当事者の皆さんとインクルーシブデザインの靴下を共同開発しました。

2021年から『みちる』の開発を始めました。視覚に障害を抱える人たちとのアンケートや対話を重ね、発売することができました。オリジナル考案の手法での点字や浮き出し文字は初めは、甲や足の裏に描こうと思いました。ですが、視覚に障害を抱える人の「みんなに点字を観て欲しい」との想いに共感し、外側に描こうと決定しました。祖父は2022年に亡くなりましたが、今も「多くの人に、この『みちる』がお役に立てれば」との願いを『みちる』に託しています。

参考:触って色が分かる靴下登場 片目見えなくなった亡き祖父きっかけに 毎日新聞(2023年)

『みちる』は、「マリモ」の通販(https://shop.marimosocks.com/)、または名古屋ライトハウス情報文化センター(052・654・4522、yougu@nagoya-lighthouse.jp)で購入できます。

『みちる』の3つの大きな特徴

①靴下外側に色を示す点字やアルファベットが浮き出ていることで、指で文字をなぞると色が判別できて、左右の色合わせが簡単にできます。

後天的な視覚障害で目が見えず、点字を知らないという人でも左右が理解可能な様に、アルファベットも併せて描いています。

また色の違いが判別しづらい人には、点字やアルファベットを触ることで、スムーズに確認ができます。

②限定的なアイテムではなく、みんなで履けるデザイン。

代表取締役の女性の恩師のひらせ鍼灸院の院長の男性らや名古屋ライトハウス情報文化センターの賛同を得て、見えない、見えにくい人も、そうではない人も一緒に履ける機能性とデザイン性との両立を意識しました。

点字とアルファベットを魅せるデザインとして側面に配置したことで、左右を揃えやすい実用性と、ロゴデザインソックスとしての、ファッション性も併せ持っています。

③自尊心や安心感を高めていける、身体と心の健康も第一に、お守り的な存在を担う全く新しいインクルーシブデザイン靴下。

失敗しない様に同一の色で合わせたり、左右の色が揃っているか心配する精神的な負担や、洗濯する時や保管する時、さらには履くのに要する時間的負担が軽減されることで、従来のライフスタイルの不便さが解消されることで、足を守り、同時に心も守ってくれる存在でいたいと願います。

画像引用・参考:【業界初*】 色覚・視覚障がいの方も楽しめる、色がわかる くつした誕生 創業66年老舗靴下屋の三代目アトツギ姉妹が新発明! PR TIMES(2023年)

私は多くは知らないけど、

世の中には自分が知らないことが多く、知るまでに時間がかかったり、凄く良いアイテムであっても出会う時期が来ないと、なかなかその良いアイテムでも知ることができません。

去年書いたインクルーシブデザイン靴下も、たまたま私の近くにその情報が入り、記事として素敵な靴下を紹介することができました。

今回の『みちる』も偶然知りましたが、今年発売で、かつ発売から2ヵ月程度しか経っていない現在に、この『みちる』という素晴らしい靴下を紹介できることも、本当に縁があって、奇跡だと感じています。

『みちる』は、ファッション性も追求したこともあり、普通にオシャレな靴下です。その上履き心地も良いとなると、本当に見た目だけではなく、優れた靴下だと思います。

今回も素敵なご縁で、『みちる』という靴下を紹介できたことを幸せに感じます。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。