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こんにちは、翼祈(たすき)です。
双極性障害とは、以前は躁うつ病とも呼ばれ、活動的になる躁(そう)状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰り返す病気のことを指します。
明らかな躁状態は誇大的な行動や浪費が表面化し、本人も周りの人にも発見されやすいですが、軽躁状態は「最近調子が良いみたいだ」と、見逃されやすいです。
双極性障害のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、脳の働きをコントロールする“神経伝達物質”のバランスが崩れることが関係していると明らかとなっています。それ以外にも、ストレス・生活習慣や遺伝などの環境も関係しているとされています。
双極性障害は約100人に1人が発症するとされています。日本では、500人に1人くらいで実際にはもっと少ないだろうという調査データがありますが、未だ双極性障害の研究が少ないことで、きちんとしたことは解明されていません。
また、発症のしやすさに大きな男女差はなく、20代前後から30代に発症することが多いと言われていますが、中学生から高齢者まで、幅広い年代で発症しやすい病気となります。
また、双極性障害には便移植をすると改善する、との研究も出て来ています。
今回はそんな便移植について、精神疾患を罹患する人の腸内環境に関してなどをお伝えしていきます。
双極性障害には便移植が効果的?
オーストラリアで「双極性障害」の便移植(便微生物移植)の手術を実施した結果、双極性障害の症状が改善されることが確認されました。
まだ便移植は2例目しかありませんが、2例目に報告されたケースでは、便移植を実施した患者は、双極性障害の症状の改善以外にも、ADHDや不安障害も改善されました。便移植が大部分の精神疾患の治療に役立つ可能性を秘めています。
便移植で双極性障害が完治したという最初のケースは、2020年3月に報告されました。
患者は20代の女性となり、便移植前は治療薬として毎日12個もの薬を処方されていました。治療薬の副作用で肥満体型になり、暮らしに支障が出る様になったことで、10回に及ぶ入院経験をしていました。
その後、健康体の夫から提供された便を使用した便移植を受けると、それから5年間双極性障害の症状が無くなり、33kg減量することにも成功しました。薬は必要ではなくなり、仕事も軌道に乗りました。
2人目のケースは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のグループが実施し、2022年2月に報告されました。
患者は10代の男性で、色んな薬を試しましたが、副作用に身体が耐え切れなくなりました。その後便移植を受けると、1年かけて少しずつ薬の全てを無くすことができ、気分の激しい波は基本的に起きなくなりました。
更に注目すべきポイントは、この男性はADHDや不安障害にも改善が現れました。
人間の腸内には無数の細菌が生活しています。この「腸内細菌叢(腸内フローラ)」は、私たち人間の健康全般に大きな影響を与えていると言われています。
腸内細菌叢の構成の相違が、肥満・過敏性腸症候群・糖尿病に関連するとの研究データも報告されています。
便移植の基本的な理念は、この腸内細菌叢を変化させることです。健康な人の便を身体に入れて、その便に居る健康な細菌を一緒に貰い、育てることです。
腸内細菌叢の異常は、双極性障害・統合失調症・うつ病にも関連するとされます。うつ病患者の便をマウスに移植すると、そのマウスもまたうつ病の様な症状を現れる様になります。同じ事例で、統合失調症の患者から便を移植したマウスには、統合失調症の様な症状が出ます。
このことに直接の因果関係を証明したものではありませんが、そうした中でも便移植を行うことで精神疾患を完治させる可能性を秘めたものだといえます。
参考:便移植で双極性障害の症状の改善に成功 世界初 カラパイア(2022年)
うつ病の人に多く見受けられる腸内環境とは?
うつ病には、「脳腸相関」という、脳と腸が相互に働いていることが明らかになりつつある現在、腸内細菌とうつ病との関連性を分析する研究も加速しています。うつ病の人は、下痢や腹痛、便秘など腸の疾患を抱えている人が多いです。
実際に精神疾患が罹患する人は、罹患していない人に比較しても大腸に病気がなくても腹痛や下痢、便秘などが持続して起きる過敏性腸症候群(IBS)を発症している割合が非常に高い数値なことが明らかとなっています。国立精神・神経医療研究センターの実態調査によると、精神疾患を罹患していない人はIBSを発症した確率はおよそ1割でしたが、うつ病の人のIBSが発症した確率はおよそ3割でした。
IBSの一部では、身体内の腸内細菌が大きく関与していると想定されます。IBSの人の腸内細菌叢では、ルミノコッカスやストレプトコッカス、大腸菌などの腸内細菌が増えていたという報告もあり、“善玉菌”である腸内細菌の乳酸桿菌やビフィズス菌が減っていました。
また、腸内細菌の種類が置き換わる以外にも、腸内細菌の総数が増加するという仮説も存在します。IBS患者の腸粘膜は軽度の炎症が現れることが多く見受けられますが、腸内細菌の数が増加することで炎症を発生させ、そのことで免疫が活性化すると腸の機能に影響を与え、腸の知覚が過敏な状態に陥り、腹痛の原因になると想定されています。
実際にIBSの一般的な治療薬では、乳酸菌やビフィズス菌を用いた発酵食品などのプロバイオティクスや、オリゴ糖や食物繊維などプレバイオティクスをかけ合わせた治療が有効な方法だった、とする報告も多いです。
うつ病は色んな素因が懸念されていますが、その1つで慢性的で軽度の脳の炎症によって発症する、という仮説があります。身体が炎症を起こしている時では、だるくてやる気が損なわれ、憂うつな気分になります。「脳腸相関」が解明された現在、注目されていることが腸に悪玉菌が増加することで腸粘膜に炎症を引き起こし、その炎症が血流に乗ることで脳にも炎症を誘発するという仮説です。
ですが、今までにもうつ病患者の腸内細菌を分析する研究は、ほとんど実施されていませんでした。そこで国立精神・神経医療研究センターの研究グループでは、43人のうつ病の人と57人のうつ病ではない人の腸内細菌を比較する研究を行いました。その結果、うつ病の人の便で暮らしているビフィズス菌数の菌数は、うつ病ではない人に比較して明らかに少ないことが証明されました。その上で善⽟菌の乳酸桿菌の菌数も少ない傾向でした。この結果を受けて乳酸桿菌やビフィズス菌が少ないと、うつ病を発症しやすい可能性が想定されます。
また、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの摂取頻度と腸内細菌の関連性を分析すると、うつ病の人の中で週に1回以上ヨーグルトなどを食べている人は、食べていない人に比較して腸内のビフィズス菌が多いことが明らかとなりました。
海外の研究データでは、うつ病の人にプロバイオティクスと抗うつ薬を併用したケースと偽薬(プラセボ)と抗うつ薬を併用したケースとでは、プロバイオティクスと抗うつ薬を併用したケースの方が、うつ症状の改善が見られたという報告もあります。それでも、似たような研究で有意差は出なかったとする別の報告もあることで、これからも研究を重ねて行うことが課題となります。
参考:うつ病の人の腸内細菌を調べたら… 調査から見えること 朝日新聞 Re:ライフ.net(2019年)
私とうつ病。
私はうつ病ではありませんが、うつ状態に陥りやすい傾向にあります。
3月はうつ状態が長くありました。3つそれが強かった原因がありまして。
1つは支援者の方が突然退職しますと言って、3月末で退職されたこと。色々信頼を寄せていたので、ショックでした。
2つ目は精神科の主治医が又もや1年で変わること。新しい先生が次の受診まで、分かりません。自分と性格が合うか、今年もこのことが心配です…
3つ目は、これは趣味のハンドメイドなのですが、もうアイロンビーズが作れないことです。「もうワークショップをしません」の先生の投稿を、たまたまインスタ開いた時に観て。
その後何回観ても、どの投稿にもアイロンビーズの文字もなく。私はあの日行ってれば、という瞬間が度々あり、あの日から会えなくなった先生もこれまでにも多くありました。自分の中でアイロンビーズは、ハンドメイドのワークショップの中でも、ずっと当たり前にあるものだと思っていました。
でもそうではなかった。当たり前なことなんてない、と気付かされた出来事でした。
3月は色んなことで心が不安定で、不安定な時は生理がいつも予定日より遅れるのが今回もそうで、その分ずっとPMDD期間が長くて、ずっと落ち込んでいました。
落ち込んでいる時は、「私なんかいらない人間なんだ」「必要とされていないんだ」と、うつ状態MAXで、とめどなく涙が溢れて来ました。
うつ状態が長かった分、3月の下旬の仕事は特にキツかったです。今は生理が済んで普段通りなのですが、幾つも別れを経験して、暫くこのどんよりとした気持ちや不安は晴れず、引きずるだろうなと思っています。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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