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こんにちは、翼祈(たすき)です。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんに早い段階から炎症を抑制する薬を患部以外にも塗る治療を実施すると、卵アレルギーを発症する割合が減少したとする臨床試験の結果を国立成育医療研究センターの研究チームなどが明らかにしました。
アトピー性皮膚炎はかつて、卵や小麦、牛乳など食物アレルギーを引き起こしやすいものを摂取したことで悪化するとされ、発症すると食事制限などがとられてきました。
ですが、近年になってアトピー性皮膚炎を発症した後に、食物アレルギーを引き起こしたケースが報告されてきました。アトピー性皮膚炎の治療を早くスタートするほど、食物アレルギーの発症率を低下させられるという報告がありましたが、詳細な裏付けはこれまで明らかにされていませんでした。
今回はこの卵アレルギーの発症を4分の3に減少させた、国立成育医療研究センターの研究チームがまとめたデータについて、お知らせします。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが卵アレルギーの発症予防の研究データ
この研究データは、国立成育医療研究センターの山本貴和子室長などの研究グループが発表し、アレルギー分野の国際的な専門雑誌に掲載されました。
卵に含まれる食物アレルギー原因となる物質は、主に皮膚の炎症部位から侵入すると身体が異物と判断し、免疫機能が活性化し、下痢などアレルギー症状を引き起こす原因の抗体が合成されるとの仮説が言われてきました。ですが、それが臨床研究のもとでそれが実証されたことはありませんでした。
そこで、国立成育医療研究センターの研究チームは日本にある16の病院で、生後7~13週にアトピー性皮膚炎と診断された赤ちゃん640人を対象に、診断を受けてから28日以内に積極的な治療を施した318人と、一般的な治療を施した322人にグループ分けをし、卵アレルギーの発症率を分析しました。
積極的な治療では、湿疹が起こっている部分以外にも、全身にステロイドの塗り薬と保湿剤を使用しました。その一方で、一般的な治療では、湿疹の部分だけにステロイドの塗り薬を使用しました。生後7ヵ月の時点で卵アレルギーを発症する割合に相違があるか分析しました。
その研究データを分析した結果、生後28週の時点での卵アレルギーを発症した赤ちゃんは、
湿疹がある部位だけステロイドの塗り薬を塗った赤ちゃんでは41.9%だったのに対し、積極的な治療を施された1日に2回、全身にステロイドの塗り薬と保湿剤を塗った赤ちゃんでは31.4%で、一般的な治療を施した赤ちゃんよりおよそ25%少ない研究データとなりました。
アトピー性皮膚炎を発症すると、湿疹が出ていない部分でも皮膚の表面には現れない炎症が起こります。この分析データを受けて国立成育医療研究センターの研究チームは、積極的な治療により卵のアレルギーの原因となる物質が皮膚の炎症部位から侵入することを予防できたと推定しています。
参考:アトピー性皮膚炎の赤ちゃん 早期治療で卵アレルギー発症減 NHK NEWS WEB(2023年)
今回は卵アレルギーを分析しましたが、他の食物アレルギーの発症も予防できる可能性を秘めているといいます。国立成育医療研究センターの研究チームは、早い段階で皮膚の治療をスタートすることで食物アレルギーの予防に結び付くことを初めて実証できたとし、症状や重症度に適用させた塗り薬を選択することで食物アレルギーの予防に発展するだろうといいます。
研究チームの国立成育医療研究センターの山本医師は「湿疹が目に見えない部分でも皮膚が身体を保護する機能が低下していて、食物アレルギーの原因の物質が侵入するため、肌への治療のスタートは極めて大事となります。医師と相談してお子さんの肌の状況と照らし合わせて治療を加速して頂きたいです。赤ちゃんの頃は、アトピー性皮膚炎以外の湿疹もあることで、診断が困難となるケースもあります。早い段階でアトピー性皮膚炎と判断するためには、検査ツールの開発なども早急の課題となります」と説明しました。
アトピーと関連のある話
2023年4月13日などに黄砂が襲来しました。その金曜日のニュースで言っていたことは、「黄砂には色んな物質が含まれていることで、治っていた花粉症が再発し、さらに悪化した」や、「金属アレルギーが出た」とかや、中には「黄砂でアトピー性皮膚炎を発症した」という、皮膚科でのインタビューが流れていました。
私は黄砂の来た日は外出しなかったので影響はありませんでしたが、確かにこの間の黄砂は沖縄以外の46都道府県で確認され、そんなに色々病気を発症するとは知りませんでした。
今回のアトピー性皮膚炎のニュースは赤ちゃんの時に限りなく予防する話でしたが、今後研究が進めば、さらに予防できる赤ちゃんも増えてくることでしょう。研究の進展が望まれますね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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