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はじめに
オノマトペって知ってますか?
ビュウウウン ガタンゴタン ルルルルル ポロンポロンなど、自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した言葉。音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など。
参考:Oxford Languages and Google – Japanese
漫画や、小説などでも使われる擬音だったりのことです。
【例として】
そのオノマトペを駅のホームで使用する。という画期的な実験が行われています。
「エキマトペ」とは?
聴覚障害など耳が不自由な方に、ホームで鳴る様々な音やアナウンスを文字と手話で伝える装置です。
この専用ディスプレー「エキマトペ」は、山手線と京浜東北線ホーム、上野駅1・2番線の自動販売機上に設置されています。
画像引用:ビュウウウン ガタンゴタン ルルルルル ポロンポロン…駅の音なぜ文字化? 「エキマトペ」の思い | 乗りものニュース
自販機の上に設置してあるモニターからは、発車した電車のモーター音の変化や、レールを走るガタンゴトンの音、発車ベルやホームドアの開く音などが文字で表されます。
これは、突発的な事故や事件のほか、災害などによる電車の遅れや運休を、アナウンスだけでなく、視覚化(文字化)することによって、耳の不自由な人にも分かりやすく伝えようという実証実験です。
何かトラブルなどが起きた際、その場で駅員さんが専用マイクを使ってアナウンスした内容もディスプレイに表示することができます。
また、その時の声のトーンに応じて文字のフォントを変化させることもできるそうです。
私がエキマトペを知ったきっかけ
私がエキマトペを知ったきっかけは、一件のツイートでした。
そのツイートには、はじめて「正解の音を知った」と書かれていて、その様子がエッセイ漫画として掲載されていました。
“正解の音たち”(1/2)
— うささꪔ̤̫ |書籍発売中 (@usasa21) September 2, 2022
耳がきこえない私がホームで出会った、
正解の音たち。#エッセイ漫画 #漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/KZ1bN904po
ツイートをされたうささ(@usasa21)さんは、生まれつき耳が聴こえず、補聴器をつけているものの、音声で言葉を判断することはできないそうです。
正解の音とは?
私たちは日頃、電車に乗るとき、車に乗るとき、道路をわたるときなど、生活の音が自然と耳にはいってきます。
うさささんは、例えばバスが近くを通った際は、状況と補聴器から聞こえてくる音と照らし合わせて、「これが、バスが走る音なのだろう」というように「予想」して暮らしているそうです。
いつも付き添って判断してくれる人はいないので、予想が正解なのかは分かりません。うさささんの周囲は、知らない音であふれているのです。
そんなうさささんが、出会ったのが「エキマトペ」でした。
駅の電車の発車音や、通過音が擬音として表示され、今まで曖昧だった駅のアナウンスも文字と、手話とで表示されることに、うさささんは感動します。
「こんなことを言っていたのか?!」
と驚く場面もあったそうです。
そして、なにより感動したのが自分が「聴者と一緒に駅に立っている。」という感覚を味わえたことだったそうです。
うさささんのツイートには、たくさんのコメントも寄せられていました。
「補聴器で音を補ったからといって、それを認識するというのとは違うものなんですね。」 「へぇ…ぐらいにしか思ってなかったけど、なるほど…広めていかなくちゃいけない物だな。」
エキマトペを設置した富士通の担当者は設置目的について、
「聴覚障がい者にとって、安心安全な鉄道利用環境になることはもちろんなのですが、健常者の方がエキマトペを見たときに、考え方や行動が変わることを期待しています。」
と話しています。
さいごに
健常者である私たちには当たり前のように聴こえているアナウンスや、警告音も聴覚障がいを持たれている方には、「当たり前」ではなく「正解」でもないのだと感じました。
今回の記事を書いていて、「音に正解・不正解」という解釈があること、聴こえない人たちには音を可視化するだけでも、どれだけの助けになるかということを学びました。
そして、学びは私たちだけでなく、駅で働く駅員さんにも、言えることだと思います。
「エキマトペ開発のために、駅員さんが手話を覚えてくれることなども、エキマトペがおこした、行動の変化の一つだと思っています」ということでした。
参考サイト
「作ってくれた人には感謝しかない」 駅の『自動販売機の上』に表示されていたものに感動! – grape [グレイプ]
ビュウウウン ガタンゴタン ルルルルル ポロンポロン…駅の音なぜ文字化? 「エキマトペ」の思い | 乗りものニュース
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