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こんにちは、翼祈(たすき)です。
子ども達にとって、一人で入院して、それだけでも不安で一杯なのに、特に今はコロナ禍、ご両親との面会も制限されなかなか会えず、一人で不安を抱えている子ども達もいるのではないでしょうか?
私も昔入院していて、「誰かにこの寂しい、悲しい気持ちを打ち明けたい」と思う時がありました。そんな時話を聞いてくれ、医療的にサポートしてくれる、CLSことチャイルド・ライフ・スペシャリストというお仕事の方がいらっしゃいます。
まだまだ数が全国的に少ないそうですが、今回はこのCLSのことについてご紹介致します。
チャイルド・ライフ・スペシャリストとは?
チャイルド・ライフ・スペシャリスト(Child Life Specialist:CLS)とは、医療環境にある子ども達やご両親に、心理社会的支援を提供する専門職です。子ども達が消極的になりがちな医療現場において、子ども達やご両親が抱えてしまう精神的負担を軽減して、主だって医療体験に参加出来る様に支援しています。
子ども達自身が主体的な存在として、医療体験を上手く乗り切って前に進める様に、「子ども・ご両親中心医療」を目標に掲げ、医療体験へ向かうまでの心の準備を支援したり、自己表現や感情表出、遊びを促進させます。また、医療における子ども達の心理社会的な要望を、広く社会に訴えていく役割も担っています。
CLSは、専門の大学や大学院で社会学、教育学、心理学、家族学など、医療現場での子ども達とご両親への心理社会的支援に関係する学問を勉強し、保育園、幼稚園、小学校、特別支援学校などの現場での実習体験、また、認定CLSのもと病院でのインターンシップを経験して資格を取り、名乗れる専門職です。
現在は、アメリカに本部を置いているAssociation of Child Life Professionals (ACLP)が、CLSの資格獲得までのサポートやCLSへの支援を担当しており、全CLSは、ACLPが制定した倫理規約に信条を置き活躍を拡げています。
Child Life Councilが管理運営する、CLS認定試験に合格し、認定を受けたCLSは、正式には”認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト(Certified Child Life Specialist:CCLS)”と呼ばれています。
画像引用・参照:チャイルド・ライフ・スペシャリスト協会
チャイルド・ライフ・スペシャリストして働く女性
手術や検査をしなければならない子ども達の心の負担をほぐし、心のケアからサポートする「チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)」という専門職が、埼玉県さいたま市にある埼玉県立小児医療センターに導入されて今年で10年目を迎えました。子ども達と毎日向き合う女性はCLSが担う役割の必需性を声を上げていますが、日本国内でCLSは49人しか活動しておらず、幅広く普及することが喫緊の課題へと繋がっています。
「ただの遊びに思えても、コロナ禍で制限ある子ども達の入院生活の中で『やりきった!』と達成感が感じられる大事な時間となります」。埼玉県立小児医療センターのCLSの第一人者として2012年4月から活動する女性は、抗がん剤治療に使用するカテーテルを付けた人形を手に子ども達と対話します。
この時に使用する人形は、病院ごっこをして遊んでいく中で医療行為の理解へと導く「メディカルプレイ」に起用されています。子ども達が思いっきり楽しむまで同じ環境で病院ごっこで遊び、手術を泣きじゃくって怖がる子には絵本を読み聞かせして教えたり、一緒に会話しながら検査に毎回我慢したり。手術などで医療経験をする子ども達に親身になるのがCLSの大事な仕事でもあります。
CLSの置かれている状況では日本国内に起用している大学や大学院がまだまだごくわずかで、資格取得までの壁がかなり高いのです。さらに日本国内では病院からCLSに支払われる診療報酬の対象にはなく、病院独自に持っている予算で勤務していることも普及の大きな障壁に結び付いているといいます。
参考:横市大附属病院 きょうだい通信発行 CLSが発案 タウンニュース(2021年)
女性は日本の「チャイルド・ライフ・スペシャリスト協会」の副会長も務めています。医療チーム内でのCLSの役割の確立や社会での認知度の向上などに取り組んでおり、「いつか国内で学べて資格も取れるようになり、教壇に立って次の世代のCLSをつくっていきたい」と語ります。
チャイルド・ライフ・スペシャリストのお仕事
チャイルド・ライフ・スペシャリストとして千葉県こども病院で働く女性は「子ども達の検査などで医療経験に対しての不安を取り除くことも大切な仕事の1つです。子ども達が主体的に治療に励めるようにサポートする、というのが私たちの役目です。『病院はとても悲しいところ』という否定的な記憶を抱かず、『元気になれた、これからの未来への道を導いてくれたところ』と感じる様に。
子ども達だけでなく、ご両親やきょうだい児の助けも担います。子ども達が自分が病気と理解したとき、サポートするご両親の精神的ストレスがかなり大きな負担となる。痛かったり恐怖を覚えた経験など、病院で受けたトラウマ的経験は、子ども達だけでなくご両親にも重くのしかかります。外国の研究結果ではありますが、小児がんの治療を経験した10代の子ども以上に、その家族にPTSDの傾向が見受けられるというデータもあります。トラウマを少しでも減少させるのが、CLSの病院における大きな存在意義なのです」と話します。
参考:シーツで拘束、迫る注射針 子どもの医療 日本の病院に足りないもの 朝日新聞デジタル(2022年)
CLSのお仕事では「プリパレーション」というやり方で、人形やMRI(磁気共鳴断層撮影)の機械を模した木製おもちゃ、手描きの絵本などを使い、その子に合わせてできる限りわかりやすく説明する技術もあります。本物そっくりの医療玩具を使って、自分が受けたのと同じ治療を人形に施す「治癒的遊び」で、気持ちを整理したり感情を表現したりする子もいるそうです。
こんな人がそばにいて欲しかった。
前回書いた医療的ケア児で書いた、ある意味続きです。深刻な基礎疾患を発症し、20代前半で入院3回した私。良くも悪くも、3回目の1番長く入院した時をよく覚えています。
3回とも4人部屋。私が初め3回目の入院した時、後から入院して来たおばあちゃん。病気の影響で、病室内に簡易トイレを置き、そこにしていました。病室内でトイレをするので悪臭でしたし、臭いが立ち込めます。これが入院していて、その人が退院するまで毎日辛かった。本当にその頃は毎晩辛すぎて母に毎日「帰りたい」と電話で泣いていました。
その後4人部屋で新しい人が3人入り、仲良かったのですが、連絡先を交換し、退院した次の年、私の携帯が突然壊れ、修理に出してもデータ復元出来ず、それで交流は絶たれました。
CLSはお子さんが対象の仕事ですが、大人になってからの入院も相当辛かったので、「こんな人に相談出来ていたらな」、とこの記事を書いてそう思いました。もっとこのCLSに就く人が増えて欲しいなとも思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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