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わたしは通院しているのですが、その病院の受付であるポスターを見かけました。
漫画アンサングシンデレラの葵先輩のイラストなんですけど、「『バイオシミラー』って何ですか?」というポスターです。
…何なんでしょうか、バイオシミラーって。
まずはバイオ医薬品について
その前に、まず「バイオ医薬品」について解説していきます。
一括りに医薬品といっても、その成り立ちは様々です。
一般的に認知されているのは、低分子医薬品だと思います。
これは、様々な薬品を掛け合わせて新しい化学反応をさせて作る薬です。
それに対して、バイオ医薬品とは、遺伝子組み換えや培養技術など、細胞や微生物の力を利用した薬です。
人間の身体に欠かせないタンパク質を生成することで、病気を改善していくことを目的としています。
…と、話せば長くなりそうなお話なので、前置きはこのくらいで。
バイオ医薬品・バイオシミラーって何?
Microsoft PowerPoint – 03_市民公開講座スライド (mhlw.go.jp)
バイオシミラーって何?
では、ここから本題。
『バイオシミラー』とは、バイオ医薬品の後続品です。
医薬品にも特許が存在しており、この特許が切れたあとに作られた薬です。
先行バイオ医薬品と同じような品質・安全性・有効性が確認されたバイオ医薬品です。
バイオシミラーとは?
バイオシミラーとは? – Pfizer-バイオシミラー.jp|ファイザー (pfizer-biosimilar.jp)
ジェネリック医薬品との違い
ここで、ジェネリック医薬品を思い浮かべる方は多いと思います。
ジェネリック医薬品とは、低分子医薬品の後発品のことです。
先発医薬品の特許が切れたあとに作られた、有効成分の構造が同じ医薬品です。
そのため、同等性が証明されれば、多くの場合は臨床試験をする必要がありません。
しかし、ジェネリック医薬品と似たような位置づけのバイオシミラーですが、少し過程が違います。
変化に敏感な微生物や細胞を利用しているため、生合成反応や構造が先発医薬品と全く同じという薬は製造できないのです。
バイオ技術で生成されるタンパク質は非常に複雑な構造をしているので、同じものを作ることができないのです。
なので、後続品が先行バイオ医薬品と同等の品質・有効性・安全性を示すために、効果や副作用などを評価する臨床試験を行わなければいけません。
バイオシミラーは安いの?
バイオシミラーは開発コストが抑えられているため、ジェネリック医薬品と同様に、先行バイオ医薬品と同等の効き目や安全性が期待でき、かつ安価に利用できる点がメリットです。
患者さんにとっては治療の費用負担が軽減され、薬剤師にとっては治療の選択肢を増やすことができます。
薬価は原則として、先行バイオ医薬品の約70%に設定されています。
※薬剤の使用量や患者さんの年齢などによってはバイオシミラーで負担が軽減されないこともあります。
どんな病気に有効?
現在治療に使われている病気は、やはり細胞へのアプローチで改善される病気のようです。
たとえば、がんの治療においては、抗がん剤でがん細胞を攻撃する化学療法が一般的ですが、正常な細胞も攻撃してしまい副作用も起こりやすい状況にありました。一方で抗体を有効成分とするバイオ医薬品(抗体医薬品)では、がん細胞の抗原に結合するためがん細胞を狙って攻撃でき、副作用を少なくすることが可能です。
バイオシミラーとは?後発医薬品との違いや変更調剤の可否など疑問を解決|薬剤師求人・転職・派遣ならファルマスタッフ (38-8931.com)
【バイオ医薬品が使われている病気の例】
・がん ・糖尿病 ・関節リウマチ
・肝炎 ・腎性貧血 ・血友病
・低身長 ・クローン病 ・多発性硬化症 など…
注射薬になります。
まとめ
とある街頭調査では、バイオシミラーの存在を認識しているひとは1割未満でした。
そして、バイオシミラーの存在を知った約6割が利用したい、約8割以上が必要だと思うと回答しました。
患者さんの治療の選択肢として、そして医療費負担軽減として、もっと世の中に周知される日がくるといいですね。
ところで、バイオシミラーって再生可能エネルギーになるんでしょうか?
SDGsに貢献することになるんでしょうか?
化学薬品を使わない分、地球に優しかったりして…?
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