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こんにちは、金次郎です。
皆さんは、最近タクシーに乗りましたか?
私は実家に戻ってからは、公共交通機関で行ける範囲のお店しか行っていないので、ここ20数年タクシーを利用した事が無かったです。
でも去年、部屋に置いてある500mlペットボトルが4本入るコンパクト保冷保温ボックスが壊れてしまい、それが置いてある電気屋さんを探していたら、隣市のモール街の電気屋さんに置いてある事が分かり買いに行きました。
コンパクトと言っても、重さは6kgほど有るので、帰りはお店の人がタクシーを呼んでくれまして、久しぶりにタクシーに乗りました。
そのタクシーが運賃の計算方法を変えようとしている事はご存じでしょうか?
現在のタクシー運賃の計算方法
現在のタクシーの運賃計算方法は、乗ってから1km以内は初乗り運賃で、それ以上は距離と時間によって運賃を計算します(初乗り運賃は都道府県毎に違います)。
例えば、順調に走っていれば走行距離で計算されますが、渋滞などに巻き込まれて車の速度が10km/h以下になった時や、お客の都合でお店や家の前で「待ってて下さい」と待機させられている場合などは、距離に変わって時間で計算します(時間・距離併用制)。
これは、運転手の拘束時間が長くなる状況に対応するために設けられたものです。
また、従来の距離計を使用せず、全地球測位システム(GPS)を搭載して、そのデータに基づき走行距離を計算する、新しい運賃メーターを導入するタクシー会社も出て来ています。
今回の国土交通省の「変動迎車料金」検討の背景
その距離や時間によって計算されるタクシーの運賃計算方法を、今回更に天気や曜日、客足などに応じて変えられる計算方法、「変動迎車料金」を加える検討に国土交通省は入りました。
例えば、こんな感じです。
平日の日中は、皆さん会社で仕事をしたり学校で授業を受けたりしていますので、タクシーを利用者する人が少なく、客待ちのタクシーが多くなり、運転手も「やっとこさお客が来た」と言う感じで、直ぐタクシーに乗れますので運賃を安くします。
逆に雨の日や金曜の夜などは、雨の中を歩きたくないとかアルコールを飲んでるからと、タクシーを利用する人が多くなりますので、運賃を上げます。
利用者が少ない時は安く、利用者が多い時は高くと言った感じです。
これによってタクシー利用者数の、全体的な底上げをしようとしています。
誰が影響を受けるのか?
なぜ、この様な料金体系を検討しだしたのかと言うと、公共交通機関が充実している現代、タクシーを利用しようと言う人が年々減っているからです。
それで倒産してしまったタクシー会社もあり、職を失った運転手も大勢います。
更に今回の新型肺炎の流行で外出する人が少なくなり、追い打ちをかけられています。
ただ、私の父の様に高齢になり歩くのが不自由になった人など「雨が降っているから、歩いて病院に行くのは大変だ」とタクシーを呼ぶ様な方にとっては、雨の日は運賃が上がるシステムは経費がかさみます。
そこで私は「では、車いすやストレッチャーに乗っている要介護者が利用する介護タクシーの料金はどうなるのだろう?」と思い調べて見ましたが、今回の変動運賃の検討対象には入っていない様です。
介護タクシーの場合、運転手はヘルパー2級など介護福祉関連の資格を持っていなければなりません。
また介護タクシーは、運転手が利用者の乗り降りの介助もしますので「訪問介護サービスの1つ」と位置づけられていますので、国土交通省だけの一存では、決められないのだと思います。
「定額タクシー運賃」も既に検証実験済み
また、国土交通省は、平成30年に「定額タクシー運賃」と言う制度に関して、北海道・福島・東京・神奈川・岡山・福岡と様々な地域性を持つ全国7地域のタクシー会社に依頼して調査しています。
狙い:運転免許を返納した高齢者の通院、共働き夫婦の子どもの通塾など、各地域の実情に応じた移動ニーズに対し、地域の足として割安なタクシーサービスを提供する定期券のような運賃を検討し、全国各地へ取組を広ていくための課題や 実現可能性を検証する。
料金概要:利用可能区域や利用回数などの条件の範囲内で、一定期間、定額で乗り放題とする運賃サービス。
実施期間: 平成30 年10 月1 日(月)~平成30 年12 月21 日(金)
引用元:地域のニーズに応えるタクシー料金・運賃へ
~動迎「変車料金」・「定額タクシー運賃」の実証実験、10 月1 日開始~
(国土交通省) https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000290.html?fbclid=IwAR1GEa6aNfbiFlapT0ps8fzkEdyuImvx3ghqzcT98ibjE8Km3_NHeISU1t4
高齢化だけじゃ無い、タクシーの事故
タクシーなどお客を乗せて走る車の運転手になるには、普通自動車二種免許が必要です。
二種免許は一種免許取得後3年経ってから受験資格が発生しますが、とても難しく運転免許試験場での実技試験の合格率は10%程です。
今は二種免許を取る為の教習所が有り、中には実技試験免除になる教習所も極少数ですがあります。
その様な教習所で安易に二種免許を取得した人たちが「他に職が無いから」とタクシー会社に就職しマイカーと同じ感覚でタクシーを運転するので、若いタクシー運転手が起こす事故が最近増えています。
また、キチンと実技試験を受けて免許を取ったタクシー運転手でも、高齢の運転手などは運転中に脳卒中を起こし意識不明になり事故を起こす事も増えています。
終わりに
私が住んでいる団地横のタクシー会社も、去年4月の第1回目の緊急事態宣言の時に、約半分の運転手を解雇しました。
朝の散歩の時やスーパーに買い物に行く時に、会社の前を通りますが、運転手さんの自家用車の台数を見て「今日は何人しか出勤していないのね」と思いながら通り過ぎています。
住んでいる団地は古いので高齢者が多く、結構そのタクシー会社に電話して用の有る場所まで行くと言う人が多いです。
なので、そのタクシー会社は需要があるのでしょうが、新方式の運賃体系になった時に「高齢のお客に説明して理解してもらえるかな?」なんて思っています。
参考元
・タクシーに変動運賃、天気・客足に応じて設定…国交省が検討(読売新聞 オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210509-OYT1T50145/
・タクシー運賃、需要に応じ変動制 メーターに代わりGPS測定も (共同通信)
https://this.kiji.is/736556620324487168?c=113147194022725109
・乗務員の「高齢化」だけが原因じゃない! プロである「タクシー」の事故が目立つワケ
(WEB CARTOP)
https://www.webcartop.jp/2021/05/698136/
・介護タクシーの料金と利用方法について (LIFULL)
https://kaigo.homes.co.jp/manual/homecare/zaitaku_service/caretaxi/
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