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この度、管理栄養士の資格を持ち、その知識と経験を生かしてフリーランスライターとして活躍している米澤菜保さんへインタビューする機会をいただきました。
米澤さんは特別養護老人ホームや急性期病院、そして障害者福祉施設などで勤務していましたが、職場の人間関係や激務でメンタルヘルスの問題を抱え、やむなく退職。
その後、一念発起しフリーランスwebライターとして活動されています。
米澤さんはnoteでも活動されており、AKARIのライターの記事を見て興味を持っていただき、AKARIにご自身のこれまでの歩みに関する記事を寄稿をいただいたこともあります。
寄稿いただいた記事はこちらです。
https://akari-media.com/2025/11/11/member-3556/
今回は、寄稿いただいた内容からさらに掘り下げて、休職の時のご心境や経験、フリーランスのライターとして働く上でお感じになったことを中心にお話を伺いました。
フリーランスやwebライターを目指している方や、メンタルヘルスの問題を抱えながら働く皆さんに、ぜひ読んでいただきたい内容となっております。
ぜひ最後までご覧ください。
お仕事をされていた時のお話
hibiki:初めて精神科に通院した時は、どういった心境になりましたか?
正直「すごい怖い」という印象があったことを覚えています。
精神科は、「どうしてそんな小さなことでここに来たんだろう」と思われたり、「そんな悩みくらい自分で解決できる」と高圧的に言われるようなイメージがありました。
島川:精神科に行かれてからは、そのイメージは変わりましたか?
私が担当していただいた先生は、ものすごく明るい先生だったので、無理に励まそうとはしてきませんでした。でも、励まそうとしている雰囲気が、その先生からもすごく伝わってきました。何度か通院していくにつれ、先生に自然と気持ちを話せる雰囲気になりました。
hibiki:休職されてから、職場のことなどは気になったりしましたか?
ものすごく気にしてしまいました。
本当は、その精神科の先生からは、「できるだけ考えないように」とは、たびたび言われていましたが、私が休職することで現場が回ってるのだろうか、会社から電話がかかってくるんじゃないかと、正直すごく気にしていました。
hibiki:その時は、どういう対処をされたのでしょうか?
考えるな考えるなと言うほど自分にとってストレスになることは理解していましたので、特別対処をするというよりは、考えてしまう時は、考えてしまう自分を責めないで受け入れるようにしていました。
hibiki:パニック障害や適応障害を経て、自身に変化はありましたか?
私の周囲の友達や家族が、パニック障がい・うつ・適応障がいなどにならないか、逆に心配するようになりました。
もともと人の相談に乗るのは好きなのですが、「仕事の人間関係などで落ち込んでいるな」と心配になったり、行き過ぎてしまわないか、悪い考えを持ってしまわないかと、内心思いながら話を聞くようになりました。
hibiki:障がいを抱えているからこそ、強みになると感じる部分はありますか。
精神疾患というのは、インフルエンザや風邪の咳などの症状として出ないため、分かりにくい部分があります。
相手が元気が無いことなどに気付くことができる感受性が高い部分は、自分の強みです。
人によっては今は話したくない方もいらっしゃいますので、その判断のラインというのは難しいところですが、昨日と顔色が違う・そっけない態度・元気がないなと感じたら、もし話をきけそうな状態なら「どうしたの」と一言声をかけるようにしています。
島川:転職前の自分に声をかけるとするなら、どんな言葉をかけてあげたいですか?
「よく頑張ったね」という言葉をいっぱいかけてあげたいです。
当時は、自分が頑張っていることには全く気付いておらず、思ってもいませんでした。
だからこそ、「もうそんな頑張らなくていいんだよ。 充分に頑張ってる」ということをあの頃の自分に伝えてあげたいです。
フリーランスへの転身について
中村鮮魚店:ご病気の原因になった職種を、Webライターという形で続けようと思われた理由を教えてください。
1番は、「誰かの役に立ちたい」という想いが強かったことです。
大学4年間で管理栄養士という資格を取得したのに、何にも活かさないっていうことがとても嫌で、誰かの役に立ちながら、少しでも知識を誰かに広めたいと考えていました。
ただ、病気を発症してしまった当時は人前に立つことさえも正直怖いと感じていました。
「人前に立たずに発信できる手段は無いか」と考えた時に、web上で発信することを思いつきました。
時と場合にもよりますが、WEB上からであれば、相手と顔を合わせる必要もなく、自分が持っている管理栄養士の知識を活かした情報発信ができるかもしれないと感じました。
それからは管理栄養士という職種とライターを合わせて、今に至ります。
中村鮮魚店:フラッシュバックには、どのように対処されていますか?
必ずしもフラッシュバックが消えるという保証はありませんが、緊張する場面に行く前は深呼吸するように心がけています。
hibiki:現在、管理栄養士のライターとして、素晴らしい記事を書かれてますが、ライターになるために、どんなことをされましたか?
正直なところ、特別なことはしていません。
強いて挙げるとすれば、本屋さんでwebライターやフリーランスにまつわる本を手に取って、パラパラと読んだくらいです。
また、休職している時に、本当は仕事のこと考えるなとは言われてはいましたが、ネットでライターとはどのような仕事なのかを調べたりするくらいでした。
何か手順を踏んでライターになったわけではないのですが、本来はちゃんとした手順を組んでやるべきだとは思いました。
中村鮮魚店:準備をされている時に、参考になった本や動画などあれば教えてください。
高田ゲンキさんというイラストレーターが本職の方の著書の『世界一優しいフリーランスの教科書』は、実際に買って読んでみました。
正直フリーランスって聞くと、難しいイメージを持たれる方が多いと思いますが、高田ゲンキさんはイラストレーターなので、漫画チックでわかりやすく解説してくださっています。
難しいところはは難しいですが、そこまで難しく書かれていないので、私のような初めてフリーランスを目指す方にもオススメです!
フリーランスのお仕事について
The piasu:一日のお仕事スケジュールを教えていただきたいです。
私、実はフリーランスで仕事をしている傍ら、祖母の介護をしていて、今は実家に祖母と一緒に住んでいます。そのため、1日のスケジュールが全く同じというわけではありません。
大まかに説明しますと、だいたい午前中に祖母の介護を終わらせて、 10時頃から自分の仕事を始めます。
12時半くらいにお昼ご飯を食べて、祖母の部屋へ一度、様子を確認しにいきます。
色々とお話や身の回りのお手伝いをしますが、その日によってどれくらいの作業量になるかは変わります。それが終わり次第、自分の仕事に戻ります。
仕事の合間に祖母の様子も何度か見に行って、大体17時〜18時頃には仕事を終えます。
納期が近いときや、終わりそうにない場合は夜ご飯を食べ終わったあとなどに、少し作業をすることもあります。
中村鮮魚店:お仕事をする上での時間管理術などあれば教えてください。
私は現在介護の合間に自分の仕事をしているため、介護のすきま時間に「この時間なら、この仕事がやれそう」という形ですきま時間を把握し、有効に時間を使うようにしています。
The piasu:米澤さんはフリーランスになって、生きやすくなったとお感じでしょうか?
正社員で働いていた時期よりは、かなり生きやすくなったと感じています。
The piasu: ライターやフリーランスとメンタルヘルスの問題を抱えた人の相性は良いと思われますか?
相性が良いかというと、確かにいい部分もあるとは思います。
好きな時に働ける・体調が悪い時は仕事をしないなど、働き方を自分で調整できる点はメリットが大きいかなと考えます。
デメリットとしては、作業スケジュールや体調の管理などを全て自分自身で行わないといけないことです。締め切りや納期というものが必ずありますので、それに自分が確実に対応できるかどうかは人による部分もあるかと思います。
The piasu:実際にフリーランスになられてみて難しく感じるところはありますか?
また、その対処法などはありますか?
難しく感じるところは、やはりなんでも自分で管理しないといけないところです。
実際に私もその日によって体調に波がありますので、そういう時は無理に予定を入れないようにしています。
現在長期でご契約させていただいてるクライアントさんには、仲良くさせていただいていることもあり、納期を1日だけずらしていただくお願いを数回だけしたことがあります。
あまりそうしたことが続くと契約を切られかねませんので、休む時はしっかり休むなど、体調やスケジュールの管理には気をつけています。
また、フリーランスはどうしても会社のように職場に行けば誰かがいるということがないので、仲間や横の繋がりがなかなか増えません。
自分1人で抱え込んでしまっているせいで、周りが見えなくなってしまうということが良くあるので、SNSを通じて、同じようにフリーランスでウェブライターをしている方と交流をしたり、どのような働き方や休みの過ごし方をしているのかを参考にしたりしています。
The piasu:フリーランスは憧れますが、正直同時に不安定なイメージがあります。フリーランスの経済的なものなどの不安定さが、メンタルに影響することはありますか?
フリーランスになりたての頃は正直、収入面がメンタルに大きく影響していましたが、「フリーランスはこういうものだから」と割り切るようにしました。
今年で3年目を終えて、今4年目の途中ですが、決して不安要素がなくなったわけではありませんが、なりたてのころに比べると、メンタルに大きく影響することはなくなりました。
The piasu:精神疾患の方が、フリーランスとして生き抜いていくコツなどありますか?
やはり一番大事なのは、無理をしないことです。
多くの人は私も含め、いくら周囲から無理するなと言われても、無意識に無理をしてしまう人間なんだと思います。
ですが、フリーランスとして生き抜いていくためには、自分のキャパシティや「ここを超えたら駄目だというポイント」を理解していく必要があります。
そのため、「今日はここまで仕事しよう」など、小さな目標でいいので立てていくことと、
たとえ達成できなかったとしても、自分を責めないことも大切です。
「何でこんなこともできなかったんだろう」と思う時もたまにありますが、そんな時は「そんな日もあるよね」「今日天気が悪くて低気圧で体調悪くなったから」など、状況を受け入れて、自分をできるだけ追い詰めないようにすることは大切だと考えています。
中村鮮魚店:現在のお仕事でやってよかったなと思えるエピソードなど教えてください。
また、苦労したエピソードなども教えてください。
自分が書いた記事がWEB上に掲載されることは嬉しくて、やってよかったと感じます。
やっぱり「誰かの役に立つこと」が、私が本来求めていることです。
自分が書いた記事がどこかのサイトに掲載されて、それを読んだ方の何かのきっかけになってくれたら嬉しいので、続けてきてよかったと思います。
苦労したことは、クライアントさんとの契約が切れてしまうことです。
手元に残った業務が大幅に減ってしまい、かなり焦りを感じました。
中村鮮魚店:フリーランスに転身された後に、印象的だった記事ですとか、印象があった出来事などあれば教えていただけますでしょうか。
iPhoneやPCに関してなど、栄養に関係のない記事も執筆させていただくこともあるのですが、この仕事をしていなければ携わらなかったであろう分野の知識を身につけられる点が印象的です。
フリーランスとして活動していなければ、きっとそれらの知識は身につかないままだったと思います。
The piasu:今後の夢や目標について、お伺いしてもよろしいでしょうか?
有名になりたいわけではありませんが、管理栄養士のWebライター「米澤菜保」として、本名で活動していますので、自分の名前を検索したら表示されるようになると嬉しいです。
「名前を聞いたことある」「あの人の記事を読んだことある」「あの人の栄養指導を受けたことがある」など、私のことを知っていただける方がたくさん増えるといいなと思っています。
中村鮮魚店: 最後に、同じようにフリーランスで働きたいと思っている方へ、メッセージやアドバイスがあれば、教えてください。
フリーランスという言葉をきくと、簡単・楽そう、休みたい時に休めるなど自由そうといったイメージを持たれがちですが、現実は自分で全て管理しなければならないという、大きな責任も伴います。
またクライアントさんとのトラブルや、納品物のミスが起きても全て自分で責任を負わなければなりません。そういった点も忘れないで欲しいです。
こういった面を聞くと、「フリーランスをやめといた方がいいのかも」と感じる方も、もしかしたらいるかもしれません。
ただ、今現在、正社員やパートなどで働いていて、「職場に行くのがつらい」「職場のあの人に会いたくない」など、人間関係で悩んでいるのであれば、無理して正社員やパートで働くよりも、フリーランスという働き方を考えてみてもいいのかなと私は思っています。
お話を聞いた感想
中村鮮魚店:実は私も調理師学校を出ている関係で、少しの間、集団給食に調理師として携わらせていただいたことがあります。
私の友人達にも集団給食を経験している方がたくさんいますが、どこの現場でも業務だけでなく人間関係で皆さんすごく悩まれていて、心を病んで辞めていってしまういうことが多く、私自身も本当に苦しみました。
また、同じ職種だと、フラッシュバックが起きやすく、『食』から離れていく子達が多くいて、私も一時、包丁を握るのも嫌な時期や、料理ができない時期がありました。
米澤さんのお話を伺って、フリーランスという形で、自分が勉強してきた『食』に前向きに携わっていけることを知れて、嬉しく思います。
米澤さんがされているお仕事や、フリーランスという働き方は、すごく沢山の方に希望を与えることができる可能性があると感じました。
hibiki:今回お話を聞きながら、昨年100歳で亡くなった祖母のことを思い出していました。
私の場合、半分嫌々で祖母の介護をしてたという部分があり、亡くなった時にすごく後悔していました。
介護をされながらお仕事をするのは大変なはずなのに、米澤さんが笑顔でお話されておられるのをみて、米澤さんみたいに笑顔で接してあげてればなという後悔もありましたが、今日お話を聴いて救われた気がします。
The piasu:私は若い頃、フリーランスに憧れてた時期があり、勉強はしていましたが勇気が出ず、周囲に止められたりもして、全く実行に移せませんでした。
米澤さんは先程、手順を踏まなかったと謙遜されていましたが、勇気を出して実際に実行に移すということが、夢を叶えるためには1番大事なのかなと感じました。
精神疾患・発達障がい・その他メンタルヘルスの問題を抱えている方で、フリーランスに憧れてる私みたいな人たちがたくさんいらっしゃいます。
このインタビューが記事になることで、米澤さんの存在に励まされる人が多いのではないかと感じました。
島川:米澤さんのお話を聞いていて、周りの人のことをとても気にかける方なんだという印象を受けました。そういう優しい方ほど落ち込みがちだったりすると思います。
メンタルヘルスの問題を抱えながら働く方にも共通する悩みや向き合い方があったのではないかと感じたので、今回のお話を読んでいただくことで、気持ちを切り替えてく方法などをぜひ参考にしていただけたらと感じました。
是非、今後とも応援させてください。
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