「性同一性障害」カップルの婚姻を認めないのは、憲法違反-司法判断の根拠は、憲法24条-

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こんにちは、金次郎です。

 皆さんは「性同一性障害」と言う言葉を聞いた事がありますでしょうか?
 これは、「身体の性別」と「心の性別」が一致していない方の事を言います。
 「身体は男性なのに、心は女性」、もしくは「身体は女性だけど、心は男性」と言う方々です。

 今までは、性同一性障害の方は、無理やり性別適合手術を受けさせられていたりしましたし、民法ではこの様なカップルの結婚は認めていません。

 ところが今回、最高裁判所で「意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として、憲法に違反しており無効だと言う判決結果が出ました

「性別不合(性同一性障害)」について

「性別不合(性同一性障害)」とは、
 ・身体的な(生まれて来た時の)性と、自身で認識する性が一致しない状態のことです。

 分かりやすくする為に「性同一性障害」と呼ばれています
 「性同一性障害」では、体の性と心の性が一致しない為に、

・女性に特有な胸の膨らみや、男性に特有な筋肉質な体などに嫌悪感を抱く
・体の性とは反対の性を意識した言葉遣いや行動を好んだりする
 などを行うようになります。

 「性同一性障害」の人は、日本国内に約46,000人程度と推定されていますが、医療機関を受診していない人も含めると、更に多くの人が「性同一性障害」に悩んでいると考えられています。
 近年では「性同一性障害」の人たちへの理解も少しずつ広がっており、治療や法律の整備が進められています。

参考:(MedicalNote)性別不合 

判決の元になった、憲法24条とは?

 記事のタイトルにも書いた様に、今回の裁判で「憲法に違反している」と言うのは、憲法24条の事です。
 では、憲法24条には何と書いているのでしょう。 

・第24条第1項 
   婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相
   互の協力により、維持されなければならない。

・第24条第2項
   配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項
   に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならな
   い。

 この第1項の「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と書いている部分が「同性婚も保障すると理解できる」との判断です。

 判決の理由では、憲法24条1項については、旧憲法下の家制度での婚姻を否定し、当事者の自由意思で婚姻するために「両性」と表現したと指摘します。
 更に、憲法制定当時は同性婚を想定していなくても、現在では性的指向や同性婚の自由も十分に尊重すべきだとしました。

参考:(ぴくとの学び舎【わかりやすく】憲法第24条:婚姻について…同性婚の解釈について

性同一性障害学会」も、学会名を改名する事に

 今回の最高裁判所の判決を受けて「GID(性同一性障害)学会」も、学会の名称を改名することになりました。
 新たな名称は「日本GI(性別不合)学会」とする見込みです。

これは今回の裁判結果だけではなく、WHO(世界保険機関)が
・「心と体の性が一致しない「性同一性障害」については、現在の「精神障害」の分類
  から除外して、その名称を「性別不合」に変更する」
 と言う事で名称変更を2019年にしている事もあります。

 各論①で参考にした、「MedicalNote」での疾患項目名も、既に「性別不合」に変えられています。

参考:(東京新聞)性同一性障害学会、改名へ 国際的な診断名の変更受け

参考:(NHK)性同一性障害を「精神障害」の分類から除外へ WHO

終わりに 

 私自身は、性的な不合はありません。
 学生時代には、同級生の彼女もいましたし、社会人になってからは、会社の女子社員とも付き合っていましたが、私が病気になり実家に戻る事になって、付き合いも自然消滅してしまいました。

 今回の裁判の判決に喜んでいる「性別不合」の方にインタビューしているのをテレビでしていま
した。
 見た目はごく普通の女性でしたが「自分が女性であることに嫌悪感がある人なのか」と思いました。

 もし女性に「付き合って下さい」と言ったところ、「実は私、性別不合の男性なんです」と言われる可能性も将来あるかもしれません。
 なんだか、気軽に異性に声をかけられない時代になってしまった感じもいたします。
 仮に、私が「性不合」だったとしたら、近所の方からどの様な目で見られるのだろう?と言うのも考えてしまいます。

 今回の記事を書くに当たって、調べたLGBTの有名人が書かれた一覧のページを下に貼っていますが、クイズ番組などでその博学ぶりを発揮しているカズ・レーザーさんもそうだったのかと、少しビックリです。
 見た目で、その方が男性なのか?女性なのか?分からない時代。
 何とも生きづらい世の中です。

参考:(JobRainbow)LGBTを公表している有名人まとめ 日本&海外【2023年8月 更新】  

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