この記事は約 5 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
早産で産まれた未熟児の赤ちゃんが、失明のリスクになりやすい病気、「未熟児網膜症」があります。
「未熟児網膜症」とは、早産で産まれた赤ちゃんの網膜の血管が異常な推移で発達する病気となり、妊娠32週未満、体重1500g以下で生まれた赤ちゃんのおよそ1割で、眼球へのレーザー照射や薬の注射が必要になります。
予定より早産で産まれた赤ちゃんは、視線が合わない斜視、乱視や近視という屈折異常のためにピントが合わせづらかったりという状態を合併する場合もあります。そして脳の合併症を持っていることから、それに伴い視力の発達が抑制される場合もあります。継続的な眼科検診を受けることが必要となります。
「未熟児網膜症」の種類によっては自然に治るケースもありますが、重症化に陥ると、異常に増殖した血管とその血管の周りの線維結合組織で網膜が引っ張られたり、剥がれたりすることで、視力が低下することや失明に繋がる恐れがあります。その上で、治療を受けて一時的に症状が回復した後に、「未熟児網膜症」の症状が再発する場合もあります。
「未熟児網膜症」の治療法は血管の増殖、拡張、蛇行の度合いが一定水準を超えてから、約3日以内に治療を施すと、効果が期待できます。
「未熟児網膜症」の患者数は日本では毎年およそ5000人と報告されています。また、2017年の政府統計の当事者の実態調査ではおよそ1000人が医療を受けていると報告されていました。
そんな「未熟児網膜症」をAIの力で診断しようとする動きが今あります。
今回は大阪大学が開発中の、AIについて特集します。
大阪大学が開発中の、「未熟児網膜症」を見つけるAIとは?
妊娠37週未満で産まれて来た早産の赤ちゃんに多い目の疾患「未熟児網膜症」の重症化を事前に予測すべく、2023年度から大阪大学などが、AIを活用した診断支援ソフトの開発を始めました。治療が遅くなると失明する可能性もある患者さんをソフトで早期発見し、専門の医師がいない病院でも十分な「未熟児網膜症」の診療体制を整えられる様にします。数年以内の実用化を目指しています。
大阪大学の眼科学が専門の福嶋葉子特任准教授など研究チームは重症化する「未熟児網膜症」の患者さんの特徴を探求するべく、2009~2018年に大阪府内の病院のNICUに入院した妊娠2週未満の早産で産まれて来た赤ちゃんおよそ200人のデータを分析しました。身長や体重、心拍数の推移などおよそ20項目のデータバンクから、4週間後に「未熟児網膜症」が重症化する患者さんを予測するAIを開発しました。
現在の予測精度はおよそ90%に達しますが、2023年度以降は、「未熟児網膜症」の検査がこまめに必要となる患者さんを絞り込める様に、予測精度をさらに高めたいとします。それと同時進行で、日本各地の病院の電子カルテシステムから必要なデータを得て、AIに「未熟児網膜症」の重症化リスクを予測させるソフトを企業と共同で開発し、医療機器としての承認を国に申請していきます。
福嶋特任准教授は「『未熟児網膜症』の専門の医師が常駐していない病院も多いですが、予測ソフトを活用することで時間の余裕ができて、専門の医師の派遣を受けるなど十分な診療体制を整備される運びとなります」と説明しました。
参考:早産児の失明リスク、AIで診断…大阪大などが支援ソフト開発へ 読売新聞(2023年)
日本小児眼科学会理事長の男性は、「『未熟児網膜症』の重症化を調べるためには眼底検査は必要となりますが、AIの予測精度がさらに向上すると、早産で産まれて来た赤ちゃんの負担軽減に結び付く可能性も秘めています」と期待を寄せました。
「未熟児網膜症」の種類と進行の具合
未熟児網膜症は、症状の進行スピードによってⅠ型とⅡ型に分けることができます。
Ⅰ型未熟児網膜症:比較的ゆっくり進行するタイプの未熟児網膜症です。
Ⅱ型未熟児網膜症:激症型(症状の進行スピードが速いタイプ)のため、失明する危険性が高いものです。超低出生体重児(出生体重1,000g未満)に起こりやすいとされています。
悲しい。でも、
出産は命懸けだとよく言われます。特に赤ちゃんが、お母さんが、もしくは二人とも出産で命を落とす場合もあります。
それだけ無事に産まれて来るということは、奇跡的なことなんだと思います。
「未熟児網膜症」に関しては、赤ちゃんもお母さんも誰も悪くない、どこにもぶつけられない、行き場のない悲しい病気だと思います。赤ちゃんだって、一生懸命産まれて来たのに…。もちろんお母さんだって、頑張っています。
この記事を書くまで「未熟児網膜症」のことすら知らなかったのですが、AIで「未熟児網膜症」の診断をし、リスクを減らす点では、今後「未熟児網膜症」を発症する赤ちゃんは、少なくなると思います。
ですが、今年から開発を始め、まだまだ開発中だと思います。今後「未熟児網膜症」の赤ちゃんを出さないためにも、AIの開発が急がれますね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す