膠原病(自己免疫疾患)の原因と症状、日常生活で気をつけること

膠原病

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  関節リウマチとわかってから今日までに体にいろんなことが起きました。体の痛み、手首の骨の破壊、指の運動を助ける腱、そして、左ひじの骨が壊されたことが私の症状でした。

 関節リウマチという病気について調べてみると、膠原病(こうげんびょう)の1つであることやそれ以外の病気があることを知ったのです。前回書いた記事はこちらから読むことができます。 

 膠原病(こうげんびょう)の病原体や病気の種類について調べたくなったので、前回の続きとしてこの記事を書くことにしました。皆さんも記事を読んで、そういった難病に今も苦しむ人が多くいることを知ってもらい、理解を深めて頂ければと思います。もし自覚症状があれば、早期の受診をお勧めします。

膠原病とは…その性質と特徴について

 自己免疫は外からのウイルスなどを攻撃し、体を守っていますが、自己免疫が体の正常な細胞や骨を異物と勘違いをして攻撃してくることがあります。それが膠原病です。その多くは難病指定を受けています。

1.リウマチ性疾患(関節や筋肉に痛みやこわばりを来たす疾病。)
2.自己免疫疾患(免疫に異常が見られる疾病。)
3.結合組織疾患(細胞間の結合組織に異常を来たす疾病。)

※膠原病の多くは、割合から見て若い女性がかかりやすいようです。

【膠原病の特徴】

・関節や筋肉に痛みやこわばりを来たす。
・細胞の結合組織に炎症による病気が発症する。
・免疫の異常が見られる。
・はっきりとした遺伝性がない。
・伝染病では無い。
・悪性腫瘍の病気では無い。
・抗生物質が効かない。
・副腎皮質ホルモンは効果がある。(ステロイド薬)

 引用:おおうらクリニック「膠原病とその治療法」http://oura-cl.com/kougen/

 分類については下の図を見てもらうとわかりやすいと思います。

図ー1

 画像引用:中部ろうさい病院HP内科系診療部門 リウマチ・膠原病科
http://www.chubuh.johas.go.jp/patient/naika/ryumachi/spryumachi.html

図ー2                  

 画像引用:一般社団法人福山市医師会HP(https://www.fmed.jp/cnt/kenkou/check/2005/0510.html

症状が出やすくなる原因とは何か・・・・

 ストレスや感染症などにより抑えることができなくなった時に、自己免疫疾患がおきやすくなります。
 その他にも紫外線、寒冷刺激を受ける、妊娠をする、ケガや手術などの要因となることもありますが、多くの原因は今のところわかっていませんが、免疫の異常が病気の成り立ちに重要な役割を果たしています。

よく出る症状・・・どんなところにでやすいのか?

症状や出やすい部位

・疲れやすくなる・発熱がある・筋力の低下がある
・皮膚の硬化がある・手先が冷えて色が変わったりする
・特徴的な発疹の現れる・抜け毛がある・空咳をする
・唾液の分泌が悪くなる・涙の量が減り目が乾くようになる

検査で見られる膠原病のサイン

・血液検査で貧血、白血球の減少がある。
・尿検査でタンパクが出ている。
・レントゲンで異常が発見される。

それぞれの膠原病の特徴

 病気の種類によって、身体の様々な部位に影響が出る場合があります。
 大きく分けると全身に症状が現れるもの、血管に症状が現れるもの、脊椎や関節に症状が現れるもの、その他に分けることができます。
 病気によっては最初の症状は一緒でも、途中から悪化することもあります。
 患者数が多いのは関節リウマチで、現在70万人以上が治療に取り組んでいます。
 関節の自己免疫系の異常で関節が破壊され、痛みやこわばりが生じるなどします。症状が進むと私のように人工関節にする手術をしなくてはならなくなる場合もあります。

全身に症状が現れるもの

全身性エリテマトーデス(指定難病)

 発熱、 全身倦怠感などの炎症を思わせる症状と、関節、皮膚、そして腎臓、肺、中枢神経などの内臓のさまざまな症状が一度に、あるいは経過とともに起こってきます。

 日本全国に約6~10万人程の患者さんがいると考えられています。2013年に難病の申請をしている方は61,528人ですが、申請をしていない方、医療機関に受診していない方などを含めると、この2倍位の人がこの病気をもっていると推定されています。9割の患者さんは女性です。

全身性強皮症(指定難病)

 全身性強皮症は皮膚や肺、腎臓などの内臓が硬くなる変化が特徴です。国内の全身性強皮症患者は2万人以上いると確認されています。こちらも女性が圧倒的に患者数が多いです。
 レイノー症状という、冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になる症状が初発症状として最も多いものです。手指の皮膚の硬化やこわばり、今まで入っていた指輪が入らなくなったことで気づかれることもあります。また爪の上皮に黒い出血点が出たり指先の少しへこんだ傷痕指先や関節背面の潰瘍毛細血管拡張皮膚の石灰沈着皮膚の色素異常などがみられます。
 肺線維症を合併するとひどくなると空咳や息苦しさが生じ、酸素吸入を必要とすることもあります。
 また腎臓の血管に障害が起こると高血圧になり、頭痛や吐き気が生じます。
 その他逆流性食道炎、関節痛、便秘、下痢などが起こることがあります。

多発性筋炎、皮膚筋炎(指定難病)

 筋肉の炎症により筋肉に力が入りにくく、疲れやすくて痛んでいる病気です。
 腕や太ももの筋力低下により、高い所に物を上げるのが難しかったり、階段を昇るのが困難になったり、座った姿勢から立ち上がりにくいなどの症状がでます。
 また首や喉の筋力の低下により、頭が枕から持ち上げにくくばったり、食べ物が飲み込みにくくなってむせたりしゃべりにくくなったりします。その結果、肺炎を起こすこともあります。
 ごく稀に、心臓の筋肉も傷害され、不整脈や心不全症状を起こすことがあります。

 手指関節の表面に盛り上がった紅斑(ゴットロン丘疹)や肘関節や膝関節外側のがさがさした紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な皮膚症状がある場合は、皮膚筋炎と呼ばれます。現在2万人以上の患者さんがおり、女性の方が比率としては多いです。

混合性結合組織病(指定難病)

 前述の全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎が混在した症状が出ます。
 比較的特徴的な症状として、三叉神経障害があります。顔の下の方に出やすく片側性です。ピリピリした知覚障害や味覚障害が見られますが、神経痛をきたすことは少ないとされています。
 重篤な合併症として、肺動脈性肺高血圧症があります。疲れ易い、動いた時に動悸や息切れを感じるなどが初発症状となることが多いです。
 また、イブプロフェンなどの使用で、無菌性髄膜炎が誘発されることがあります。 

シェーグレン症候群(指定難病)

 涙腺と唾液腺を標的とする自己免疫疾患ですが、全身性の臓器病変を伴います。目・鼻・口の乾燥唾液腺の腫れと痛み・息切れ・熱が出る・関節痛・毛が抜ける・肌荒れ・夜間の頻尿・紫斑・皮疹・レイノー現象 ・ アレルギー・日光過敏・疲労感・記憶力低下・頭痛は特に多い症状で、めまい・集中力の低下・気分が移りやすい・うつ傾向などもよくあります。

成人発症スティル病(指定難病)

 子供に発症する「スチル病」に良く似た症状を示し、大人(通常16歳以上)に発症する疾患を「成人発症スチル病(成人発症スティル病)」と呼びます。1971年に初めてその存在が報告された比較的新しい疾患です。
代表的な症状は、関節炎、皮疹、高熱(弛張熱)ですが、他にのどの痛み、リンパ節の腫れ、肝臓や脾臓が大きくなったりします。薬にアレルギーが起きやすくなることもあります。
 血液検査所見では、 炎症反応 (CRP)高値、白血球増多、肝臓機能障害などが見られます。

ベーチェット病(指定難病)

【初期症状】…口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に、円形の境界が鮮明な潰瘍ができるのが、経過を通じて繰り返して起こることも特徴です。皮膚に赤い斑点のような湿疹ができ、敏感になります。
【重要な症状】…眼症状。ほとんど両眼が侵されます。虹彩毛様体炎が起こり、眼痛、充血、羞明、瞳孔不整がみられます。後眼部病変として網膜絡膜炎を起こすと発作的に視力が低下し、失明に至ることがあります。
 また、関節炎や血栓症、動脈瘤、腹痛、下痢、下血、神経病変(髄膜炎、脳幹脳炎、片麻痺、小脳症状、錐体路症状、精神症など個々の患者さんの症状は多彩です。外陰部潰瘍や副睾丸炎を起こしたりもします。

悪性関節リウマチ(指定難病)

 既存の関節リウマチ血管炎をはじめとする関節以外の症状を認め、難治性もしくは重症な病態を伴う場合もあるのです。関節リウマチによる多発関節炎に加えて、発熱、紫斑、筋痛、筋力低下、間質性肺炎、胸膜炎、多発単神経炎、消化管出血などの全身の血管炎にもとづく症状がかなり急速に出現します。また、皮膚の潰瘍、梗塞、四肢先端の壊死などを主症状とする場合もあります。

血管に炎症を起こす膠原病

結節性多発動脈炎(指定難病)

 高熱、体重減少、筋肉痛・関節痛、四肢のしびれ、皮膚潰瘍、尿蛋白や尿潜血陽性、腎機能低下、腹痛・下血、脳出血・脳梗塞、高血圧など様々な症状がおきます。特に重篤な症状としては、腎不全、腸出血、脳出血・脳梗塞、狭心症・心筋梗塞などがあります。検査所見では炎症反応の上昇や貧血がみられます。

顕微鏡的多発血管炎(指定難病)

 腎臓、肺、皮膚、神経などの臓器に分布する小型血管の壁に炎症を起こし、出血したり血栓の形成したりするために、臓器や組織に血流障害や壊死が起こり臓器機能が損なわれる病気です。

多発血管炎肉芽腫症(指定難病)

 発熱・体重減少などの全身症状や、血痰、呼吸困難などの肺の症状、膿性鼻漏、鼻出血、鞍鼻、中耳炎、視力低下、咽喉頭潰瘍など上気道の症状や急速進行性腎炎を引き起こします。
 その他、紫斑、多発関節痛、多発性単神経炎などの症状も起きることがあります。

好酸球性肉芽腫性多発性血管炎(指定難病)

 気管支喘息やアレルギー性鼻炎をもっている患者さんで、白血球の一種である好酸球が異常に増加し、体の様々な場所の細い血管に炎症を起こし、血液の流れが悪くなる病気です。

高安動脈炎(指定難病)

 高安動脈炎は大動脈やそこから分かれている大きな血管が炎症を起こし、血管が狭窄したり閉塞して脳、心臓、腎臓といった重要な臓器に障害を与える病気です。初期症状は発熱や 全身倦怠感 、食欲不振、体重減少のような症状から始まることが多く、その後炎症によって血管が狭搾や閉塞、あるいは拡張してきて、めまいや立ちくらみ、失神発作を起こし、ひどい場合には脳梗塞や失明を起こす場合もあります。
 難聴や耳鳴、歯痛、頸部痛もよく見られる症状です。また、腕が疲れやすい、脈が触れない、など多様な症状が出現します。弁膜症、腎臓の機能低下、歩行が困難になる方もいます。血管が障害されるため、高血圧症はよく見られる症状です。

巨細胞性動脈炎(指定難病)

 巨細胞性動脈炎は血管炎と呼ばれる病気のグループに含まれ、高齢の方に起こり、主に頭部の動脈がつまって症状を起こす、珍しい病気です。熱が続く、だるい、つかれやすい、体重が減る、筋肉が痛い、関節が痛いなど、全身の炎症によって起こる症状と、個別の血管がつまって様々な器官に障害を起こす症状の二つに分けられます。

若年性特発性関節炎(指定難病)

 16歳未満の子どもさんに発症した慢性の関節の炎症を指し、症状によって「全身型」「少関節炎」「リウマトイド因子陰性多関節炎」の3つの病気に分けられます。
 「全身型」は、1か所以上の関節炎に2週間以上続く発熱を伴い、それに皮膚の発疹、全身のリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の腫れ、漿膜炎のいずれかがあるものをさします。
 「少関節炎」は、発症6か月以内の関節炎が1~4か所にとどまるもので、関節炎が全経過を通して4か所以下の“持続型”と、発症6か月以降に5か所以上に増える“進展型”に分けられます。
 「リウマトイド因子陰性多関節炎」は、発症6か月以内の関節炎が5か所以上に見られるもので、それぞれリウマトイド因子が陰性または陽性のものです。

抗リン脂質抗体症候群(指定難病)

 血中に抗リン脂質抗体とよばれる自己抗体が、さまざまな部位の動脈血栓症や静脈血栓症、習慣流産などの妊娠合併症をきたす疾患です。脳梗塞や心筋梗塞、皮膚潰瘍や視野障害を起こしたり、下肢の深部静脈血栓症や腫脹、疼痛がみられます。また胸痛や呼吸困難などをきたし時に命にかかわることもあります。
 また稀ですが心臓の弁の異常を起こす弁膜症、四肢にみられる網目状の皮疹(網状皮斑)、血小板減少、腎障害、神経症状などがみられることがあります。

脊椎や関節に症状が出るもの

強直性脊椎炎(指定難病)

 脊椎や骨盤、手足の大きな関節(股、膝、足、肩など)や靭帯に症状が出る場合があります。
 各関節の疼痛、全身のこわばりや倦怠感、発熱などが主な症状で、病状が進むにつれて次第に脊椎や関節の動きが悪くなり、脊椎が骨性に固まって動かなくなることがあります。まれに股関節にも強直が起こり、人工関節置換術が必要になることがあります。
 その他に、眼、皮膚、循環器、呼吸器、腸管などに他の疾患を合併することがあります。

反応性関節炎(指定難病)

 主に脚部の関節(膝・足首・足の指・かかとなど)や関節の腱付着部の炎症を引き起こします。結膜の炎症や粘膜(口や性器の粘膜など)の炎症充血特徴的な発疹などが伴うことがあります。症状が重い場合、背中が痛むこもがあります。その他の症状には、微熱、体重減少、過度の疲労があります。
 まれに、心臓や血管の合併症、肺を覆う膜の炎症、大動脈弁の機能障害、脳や脊髄の症状または末梢神経系の症状が現れることがあります。
 性感染症や腸管感染症の後に起こることがあります。男性に多く見られます。

乾癬(かんせん)性関節炎

 慢性の炎症性疾患である乾癬の皮疹に加えて、関節を侵し、関節が変形することもある疾患です。末梢性関節炎、体軸性関節炎、さらに付着部炎、指趾炎、腱膜炎などが生じ、急速に進行することがあります。

 *それまで指定難病とされていなかった病気も指定難病になっている場合もあるので、詳しくは以下のサイトで指定難病かどうかを調べてみるといいでしょう。
 参照:難病情報センターhttps://www.nanbyou.or.jp/

膠原病にならないために日常生活で注意すること

安静と適度な運動

 十分な睡眠をとり、疲れやストレスを溜め込まないで、手足の筋力の低下に気をつける。

適切な食事

 バランスの良い食事を摂るようにする。

感染症に注意をする

 風邪やけがなどに気をつける。

まとめ

 私は前回の記事では痛みについて触れていましたが、それ以外の膠原病について知らないことがあったのです。この記事は、前回書いた続きとして取り上げたのは、膠原病という大きな枠の中で、他の病気があると知ったから書きたくなりました。私のように関節リウマチに似た症状でも病名が違う場合もあることを調べてみてわかったのです。

 もし、体の痛い場所や違和感に悩んでいるなら一日でも早く病院での受診をされることをおすすめします。治療が早ければ早いほど進行を抑えることができるでしょう。

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私は関節リウマチになっていろいろな制限があります。その他にも困難なこともありますが、今その時々を楽しむように頑張っています。読書に風景・動植物にいやされています。