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こんにちは、翼祈(たすき)です。
光線過敏症とは、別名では日光過敏症や日光アレルギーとも呼ばれ、太陽の光によって発症する免疫系の反応を指します。太陽の光に当たった部分の皮膚に発赤や発疹、ぶつぶつ、かゆみ、炎症を引き起こします。 光線過敏症での医師の診断は一般的に、医師の判断に基づいて行います。
皮膚疾患罹患あるいは悪化する素因は、代謝疾患や遺伝疾患などからの内因性の事例と、薬剤などの外因性の事例の2つがあります。光線過敏症の身体への反応の出やすさは遺伝から来ると想定されています。
紫外線での日焼けは、ある程度の紫外線量であれば、みんなが日焼けをします。ですが、光線過敏症の患者さんは、一般的ならば反応が起きないごく少数の紫外線が当たっても過敏に反応し、炎症を引き起こします。
光線過敏症は真夏よりも、皮膚が強い太陽の光に当たっていない春先から初夏にかけて発症することが多いといいます。中には、代謝異常や膠原病の病気が隠れているケースもあるので、一度は病院を受診して頂くことが良いと考えます。
今回は光線過敏症の原因、診断、治療法、予防策などについてお伝えします。
▽原因
画像引用・参考:湿布に注意! 日光に当たると皮膚が荒れる“光線過敏症” ウェザーニュース(2018年)
光線過敏症の原因が外因性のケースでは、光線に皮膚が当たることで発症する化学物質(クロモフォア)が、皮膚に炎症を発生させるものです。クロモフォアはタール、香水、化粧水、果汁など皮膚をまとう媒介を介して皮膚まで達します。
クロモフォアでの光線過敏症の発症のケースは、原因である薬剤には複数の種類が存在しますが、ほとんどの反応に関して原因物質の数は特定されています。光線過敏症の反応は、誘発物質がアレルゲンとなって免疫反応からの炎症を発症させる「光アレルギー反応」と、誘発された物質が毒性をそのまま持っている「光毒性反応」に2パターンに分類され、医師の判断で判別ができます。
光線過敏症を起こす主となる薬剤は、例を挙げるとクラビットなどのニューキノロン系抗生物質、ラシックスの利尿剤、イスコチンなどの抗結核薬、ホリゾン、オダインやダカルバジンなどの抗がん剤、メキタジンなどの抗ヒスタミン剤、ピレチアなどの抗精神病薬などがあります。
▽診断
光線過敏症の診断は医師からの評価がメーンです。太陽の光に当たった皮膚の部分に現れた発疹を発見した段階で、第一に光線過敏症を疑います。その上で、皮膚の状態の視診に併せ、現在皮膚に塗っている薬剤や化粧品に関してのヒアリング、病気、患者本人が服用した薬剤や病歴を確認します。特に専門的な検査を実施することは珍しいです。
光線過敏症だと疑うケースでは、皮膚の発疹などが太陽の光を原因としたもので有るか否かを検査するために光線過敏試験という検査を実行します。
光線過敏試験では、光線過敏症の原因として推定される物質を貼り、光線を当てた時の皮膚の様子を観察する皮膚パッチテスト、様々の波長の違う光線を背中に当てた時の皮膚の変化を観察する反応再現検査のどちらかを行います。
また、別の病気が原因となっているケースもあることから、血液検査などで光線過敏症を発症し得る病気の有るか否かを検査する場合もあります。
▽治療法
光線過敏症はかゆみや発疹などの病変が現れてから、数分~数時間程度で症状が少しずつ緩和していきます。有効性の高い治療方法は特段なく、まずは1週間前後は極力直射日光を避ける暮らしを送ることが肝心です。ガラスを通過した太陽の光も光線過敏症には危険因子となりますので、十分に注意を払って下さい。
クロモフォアによる光線過敏症を罹患している患者さんのケースは、軽度の炎症が見受けられるので、抗炎症作用のあるステロイド外用剤を塗って治療するのも有効な手段の1つです。冷やしてもヒリヒリとした痛みや赤みが残る「日焼け」のケースでも同じく、ステロイド外用剤を使用すると良いと思われます。
また、ヒスタミン剤を使用し、ステロイド外用薬を塗ったりして症状を落ち着かせ、直射日光を極力浴びない様に暮らしをしている内に、皮膚への過剰な反応を出にくくする体質へと変換していきます。
薬局・クリニックで買ったステロイド外用剤を5~6日間使い続けても、改善が見受けられない場合は自己判断で使用を止めず、皮膚科を受診して下さい。
全身性エリテマトーデスによる光線過敏症の患者さんや多形日光疹の患者さんのケースは、ヒドロキシクロロキンを飲んだり、またはコルチコステロイドを塗るか飲むという治療法が有効な手段です。これらは、紫外線を浴びる量を少量ずつ増やすことで、太陽の光への過敏な反応を軽くしていく効果がある可能性に期待を込めます。
太陽の光が皮膚に当たり過ぎない様に気を付けるべき対策では、UVカット効果のあるカーディガンやサングラス、日傘、つばの広い帽子などで紫外線から身を守って下さい。部屋の中にいる場合もカーテンをしめて、遮光を徹底して行って下さい。日焼け止めやファンデーションなどの化粧品を使うこと、紫外線カットの長袖やズボンなどの衣服や手袋を身に付けることなどが推奨されています。
▽予防策
光線過敏症を発症させる原因物質ではセロリ、ライム、クロレラ、パセリ、ドクダミなどの食品・化粧品によっても起こる事例があります。モーラステープ(ケトプロフェン)は光線過敏症を発症する原因のうちの最も代表的な1つに挙げられます。かゆみや湿疹などの症状が現れた場合は、皮膚科などを受診して下さい。
なお、光線過敏症の予防対策で塗る日焼け止めですが、光線過敏症を誘発するのは紫外線であることが最も多いので、PA(+)~PA(+++)などの日焼け止めを選択することが好ましいです。
明らかに原因が判明しているケースは、原因となる物質の摂取・接触を止めましょう。原因不明で光線過敏症を発症したケースは、新しく使い始めた香水・化粧品や、新しく飲み始めた薬などがないか確認を取った上で、皮膚科などを受診して下さい。
光線過敏症を発症した原因が他の病気の誘発によるケースは、原因疾患の治療を施すことで症状が改善する場合もあります。ですが、遺伝性疾患などが原因の光線過敏症では治療する手段がなく、場合によっては一生に渡り、光線過敏症を予防する対策が必要です。
参考サイト
私は過去、薬剤性光線過敏症になりました。
今みたいにサポーターを着ける前、膝によく湿布を貼っていました。今思えば恥ずかしいことですが、湿布丸見えで色んなところに外出していました。
私が薬剤性光線過敏症になったのは、夏に短パンを履いて、膝に湿布を貼って外出した時でした。歩いていて、膝に違和感というか、かゆみが生じて来ました。最初はどこがかゆいのか分かっていませんでしたが、膝だと分かって、帰宅した後急いで膝の湿布を貼りました。
母にそのことを話すと、「湿布でまけたんじゃない?湿布じゃなく、サポーターの方が良いよ」と言われて、それから湿布を膝に貼ることはありませんでした。あのまま貼り続けていたら、薬剤性光線過敏症が悪化したかも知れませんでした。
今はその様な症状はありませんが、日焼けでも油断せず、色んな病気になるんだよと、この記事を持って改めて再確認ができました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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