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こんにちは、翼祈(たすき)です。
今主に子ども達がかかる感染症が猛威を奮っています。特に今代表的なもので言えば、RSウイルスやヘルパンギーナだったりと、小児科はそれ以外にもコロナやインフルエンザ、ヘルパンギーナ以外の夏風邪、ただの風邪などで、どこも患者が押し寄せ、入院なども満床のために出来ない子ども達も多くいるそうです。
その中で今回紹介したいのが、パラインフルエンザウイルスとライノウイルスです。
この2つの感染症は今年に入り、ずっと子ども達の感染症の状況を見守って来た私が、ある記事を読んでいて、初めて知った感染症でした。
今回は、子ども達の間で流行っている感染症の、パラインフルエンザウイルスとライノウイルスについて、お伝えします。
パラインフルエンザウイルスとは?
赤ちゃんから大人まで、上気道炎、発熱、鼻水、風邪、肺炎、ゼイゼイと言う喘鳴、咽頭炎、のどの違和感、喉が枯れる嗄声(させい)、喉の奥が腫れて、オットセイが鳴いたりや、犬が吠える様な咳が出るクループ症候群など、色んな呼吸器症状を引き起こす代表的なウイルスの1つに挙げられます。
潜伏期間は、3〜6日程度です。70%は鼻汁が出ません。クループ症候群の原因ウイルスとして有名で、発症した人の15%がクループ症候群を引き起こします。
名前が類似していますが、インフルエンザウイルスとは全く関係のないウイルスです。
RSウイルスに症状が似ていますが、RSウイルスよりは肺炎など重症化することは少ない傾向です。
パラインフルエンザウイルスは直径150〜200μmのRNAウイルスとなっていて、喉や鼻の上気道から、肺や気管支の下気道に感染します。 パラインフルエンザウイルスの型は5種類あり、発症年齢や症状などが少しずつ違います。 子どもで大人でも、3型が1番多く見られます。
好発年齢は、全ての年齢が発症し得ますが、一般的に5歳までに複数回、発症します。症状が現われる1週間前から症状が消失してから1ー3週程度までウイルスを排せつさせます。
▽合併症
赤ちゃんでは、中耳炎や気管支炎を合併する場合があります。ごく稀に二次感染で、肺炎を引き起こす場合もあります。重症化すると、気管支炎や細気管支炎、気管支喘息、中耳炎、肺炎の発作を引き起こす時もあります。
▽流行時期
3型は春から初夏にかけて流行ります。 1型、2型、4A型、4B型は、秋から冬にかけて流行ります。
1型と2型は秋に流行することが多く見受けられ、1年交代で1型と2型が交互に流行します。3型は年中流行りますが、春に特に多いとの報告もあります。4A型、4B型の流行時期に関してはよく分かっていません。
小さいお子さんには、再感染を繰り返します。 また、健康な大人でも、パラインフルエンザウイルスを発症することは一般的だとします。低年齢な程、3型を発症する割合が高く、段々と他の型も発症していきます。 5歳までに、1型〜3型の感染を発症することで知られています。3型は、感染力が強く、幼稚園や保育園、施設などで集団感染の原因になるケースがあります。
▽感染経路
飛沫感染
→感染している人の咳、くしゃみ、話している時の飛沫
接触感染
→ウイルスが付着した手やその手で触った食器やタオル、おもちゃ、ドアノブなどに触れて、舐めたりすると発症します。 赤ちゃんや小さいお子さんは、様々なものに触ったり、舐めたりするので流行時っている時期には発症しやすいと想定されます。
▽パラインフルエンザが重症化しやすい人
・生まれつき心臓や肺に病気がある先天性心疾患、先天性肺疾患のお子さん
・気管支喘息をお持ちの方
・神経・筋疾患、免疫不全の基礎疾患または骨髄移植を受けた方
・高齢者の方
▽診断基準
症状から見た判断と他の感染症を除外することで診断が下されます。 PCR法による検査や血液検査でパラインフルエンザだと診断を受けます。
▽治療法
特効薬はなく、ワクチンもないことから、年齢と症状に対応した対症療法を行います。
咳止め・たんを切る薬など風邪薬をベースに、解熱剤、抗生物質などを活用していきます。
クループ症候群の患者さんには、ステロイドの吸入や内服治療が有効な手段です。
それ以外の風邪と同じ様に、水分補給を促し、鼻水・鼻詰まりには鼻吸引をして咳や中耳炎対策も同時進行で行います。ですが、患者さんの状態が悪化した場合には入院する場合もあります。
▽予防策
接触感染対策については、 お子さんが日常的に触るおもちゃや食器、手すりなどは十分にアルコールなどで消毒して下さい。 手洗いや、アルコール消毒での手指の衛生も意識して下さい。
飛沫感染対策については、手洗い、咳エチケット、周りのものの消毒も必要となります。 お子さんや大人では、症状が軽症で気が付かない間に感染しているケースも多いことから、 咳やくしゃみがある時は、マスクを着けて下さい。
▽登園・登校の目安
明確な基準もなく、「保育園、幼稚園、学校において予防するべき感染症」では、「咳などの症状が落ち着いた後、全身状態の安定した人は登園・登校可能で、手洗いを励行して下さい」と明記されています。
参考サイト
パラインフルエンザウイルス(PIV) 医療法人 やなぎクリニック
シックキッズニュース 8月号 No.51 パラインフルエンザってなに? かみぞのキッズクリニック
【感染症ニュース】パラインフルエンザとは何? 施設などで集団感染した事例も 感染症・予防接種ナビ(2023年)
ライノウイルスとは?
風邪の引き始めの原因のウイルスの1つに挙げられます。普通感冒という風邪を引き始めた頃の50%近くがライノウイルスによるものだとされています。ライノ=リノは鼻という意味を持ち、「鼻風邪ウイルス」とも呼びます。
4月・5月・9月に流行ります。重症化するケースはほとんどありませんが、赤ちゃんから大人まで何度も繰り返し発症する感染症となります。
潜伏期は2〜3日で、まず鼻風邪症状から始まり、少し遅れて咳の症状が出ます。年齢が高いほど少しずつ免疫が獲得していることから症状が軽症で、小さい子どもほど重症化しやすいことから注意を払って下さい。
▽症状
ライノウイルスの症状はくしゃみ、発熱、鼻汁、鼻づまりで、咳、咽頭痛を伴います。
▽合併症
ライノウイルスから二次感染をもたらし、喘息を悪化させ、気管支炎、咽頭炎、肺炎、中耳炎などを引き起こすケースもあることから、抗生剤などを処方し、治療をします。
▽感染経路
ライノウイルスは菌に弱いことから消化管経由で発症しません。咳やくしゃみなど飛沫が付いたおもちゃなどに触った後に直接鼻や口、手、鼻などを触ったことからの接触感染と、感染者の咳や鼻水による飛沫を、鼻や喉などの上気道から直接吸い込む飛沫感染で発症します。
ライノウイルスは「血清型」といわれるウイルスの型が多くあることから、型が違うことで再感染する恐れもあります。
▽診断基準
ライノウイルスを発症した時には、鼻づまりや喉の痛みなど、その症状から診断を下し、特別な検査を実施しません。
ですが、高熱や呼吸困難、重篤な頭痛など風邪以外の症状が出ている時は胸部のレントゲン検査や血液検査などを実施します。
▽治療法
ライノウイルスの特効薬もなく、対症療法をします。副鼻腔炎や気管支炎などの症状が見受けられる時は、ライノウイルスとは違うウイルスを発症している恐れがあるので抗菌薬が病院で処方されます。
▽予防策
・ 出かける時には、マスクを着けること
・手洗い・うがいをきちんと何度もすること
・ 出かける時には、人混みを避けること
また、
◉喉の乾燥を予防すること
乾燥した空気の中にいることで喉の痛みを促し、咳が悪化する時もあります。加湿器を活用しながら室内の湿度を一定に保ち、乾燥を避けて下さい。また、出かける時にマスクを着用することで、周りの人にライノウイルスを移してしまう可能性を減らせ、喉の加湿も可能です。
◉消化に良いものを食べること
食欲のない時に無理に食事を摂る必要はありませんが、食べられるまで回復すれば、ゼリーやおかゆなどの消化に良い食品を食べると良いでしょう。
◉水分補給をすること
脱水症状にならないためには、意識して水分補給して下さい。この時刺激物のある飲み物は胃を圧迫することから、常温の白湯などを選ぶと良いと重ます。
参考サイト
ライノウイルス(HRV;Human rhinovirus) 秋山医院
ライノウイルスとは|原因や症状、感染経路、検査、治療法 医療法人社団 日暮里医院
この記事を書いたきっかけ
子どもの感染症に関しては去年書いたRSウイルスの時はそうでもなかったですが、2023年3月に三大夏風邪などの記事を少しずつ書いて行って、その後多くの感染症が今も流行っていることから、記事を書いて来た者として、その動向を引き続き記事やテレビなどで追っていました。
今回書いたものに関しては、2023年6月下旬頃に観た記事の最後の方に、「パラインフルエンザウイルスやライノウイルスも流行っている」と小児科医の先生の話が書いてあって、「それ何?」と思い、今回記事化してみることにしました。
感染症の記事を書いて行くと、ウイルスにも色んな種類があって、こんなにもあるものなのかと、毎回驚かされます。
ライノウイルスに関しては軽い夏風邪ということでしたが、パラインフルエンザウイルスの方は結構重ための合併症が起こりやすいことが今回分かりました。
子どもの感染症に関しては、これからも少しずつできれば8月までに書き切りたいと思っています。それ以外にも書こうとしている感染症もあります。また読んで下さると、嬉しく思います。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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