化学物質過敏症〜アルコール消毒液や、柔軟剤などの香害で発症する持続性症状〜 

化学物質過敏症 香害

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

コロナ禍に入り、店内に入る時、入口にアルコール消毒液が置いてある、そんな世の中が当たり前の風景になって来ました。多くの人が入口で消毒する中、化学物質過敏症というアルコール消毒液や柔軟剤などの香害で体調を崩されている方がいらっしゃるのをご存知ですか?中には専用の消毒液や防毒マスクを付けないと外出が困難な程重篤な方もいます。

今回はそんな化学物質過敏症の症状や当事者の証言、労災が認められた件などについてお話ししていきます。

化学物質過敏症とは?

「かなり大量の化学物質に接触した後、または微量な化学物質に持続的に接触した後に、同じ化学物質に再接触した場合に出てくる不愉快な症状」(Cullen、エール大教授)が化学物質過敏症であると定義されています。

最初は1種類の化学物質に反応していただけなのが、途中から非常に多種類の化学物質に反応するように変化することがあります。

これは多種類化学物質過敏症(Multiple chemical sensitivity:MCS)といわれます。

軽症の場合には、体の疲れや風邪、また女性であれば、更年期障害などとの鑑別が難しい場合が多くあります。

自律神経失調症や心身症などを疑う前に、患者自身もひょっとしたら化学物質過敏症かもしれないと疑うことや、医療関係者もCSの可能性を念頭に置いて診療することが早期発見に重要です。

引用:ふくずみアレルギー科

香害に悩む、化学物質過敏症の当事者達。

化学物質過敏症(CS)-。柔軟剤や香水、アルコール消毒液などに混入している化学物質が引き金となり、ズキズキする頭痛や重篤な倦怠感などに見舞われる疾患です。

京都府市内に住んでいる女性は、香害から自分の身を守るため、買い物を短く済ませて混み合う時間には行かないなど、制限のある中で日々生活しています。

女性は「香りで症状が現れる人がいる。タバコなど自分の身の周りの香りを再認識して欲しい」と切実な訴えをしています。

化学物質過敏症は、体内に蓄積された化学物質がその人の許容量をオーバーすると発症します。発症後は、微量の化学物質に触れても症状が現れると言われてます。

この女性の場合、洗剤の柔軟剤や肥料などさまざまな製品に過剰反応し、ズンズンする頭痛や吐き気、集中力の低下といった症状が長時間続きます。

化学物質過敏症の問題を認識する人は徐々に増加傾向にあります。シャボン玉石けんによる2021年の世論調査で、香りで生じる害を指す香害という言葉を認知している人は2020年比15ポイント増加の71%という結果になりました。

啓発活動も加速しています。京都府南丹市の小中学校は2021年秋から、「その香り 困っている人がいるかも?」と発信する国の啓発ポスターが掲示されています。

参考:柔軟剤などの「香害」で頭痛や吐き気、被害の声広がる…国「未解明な部分多い」と販売規制慎重 読売新聞(2022年)

化学物質過敏症となり、労災認定

トイレの清掃作業で殺菌剤の成分を嗅いだことで化学物質過敏症を罹患したとし、40代女性が国に対し、労災を認めなかった決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が札幌高裁で行われました。裁判長の男性は、原告の請求を棄却を行った1審・札幌地裁判決を取り消し、女性に労災を認める逆転判決を言い渡しました。

2021年9月17日付の判決によれば、女性は2012年2月、当時勤めていた北海道岩見沢市の回転寿司店で、トイレをキレイにするために使われた殺菌剤の原液を拭き取る作業をしていました。そして、拭き取った後で頭痛や舌のしびれなどを訴え、病院で化学物質過敏症と診断されました。

女性は岩見沢労働基準監督署に労災を訴えましたが、清掃作業と化学物質過敏症のとの因果関係を認めず、2017年5月に提訴しました。裁判長の男性は「化学物質過敏症はトイレの殺菌剤の拭き取りの清掃作業に起因したものと分かるものだ」と判断をしました。

参考:店のトイレで殺菌剤拭き取り作業、化学物質過敏症に…高裁が「労災」認める 読売新聞(2021年)

関連記事

香害 被害者が全国組織 柔軟剤など化学物質で体調崩す 仕事、学業に支障「危険性知って」 東京新聞(2021年)

化学物質過敏症の実態調査結果

無添加石けんのパイオニアである福岡県北九州市のシャボン玉石けん株式会社は、6(む)月5(こう)日の「無香料の日」を前に、また、人工的な香料などによって体調不良をもたらす「香害」の被害が増加傾向の夏に対し、20~70代の男女へ「香害・化学物質過敏症に関連するアンケート調査」を実施しました。

アンケート調査を集計すると、人工的な香料を嗅いだことで不快な経験をしたことのある人は全体の72%、体調不良をもたらしたことのある人は39%に上っていました。その体調不良の起因となった香料は、1位「香水」、2位「柔軟剤」、3位「芳香剤や消臭剤」という生活の中にあるものの香りからでした。

画像引用・参考:<6月5日「無香料の日」香害・化学物質過敏症に関する意識調査>人工的な香料で72%が不快な思い、39%が体調不良を経験 PR TIMES(2022年)

他に化学物質過敏症での香害対策などもアンケートに集計されています。気になる方は参考リンク先をご覧下さい。

化学物質過敏症はアルコール消毒液でも罹患する。

「体調悪化がある」の大半が柔軟剤や香り付き合成洗剤が原因ですが、線香や防虫剤で症状が出る人もいて、香りを長持ちさせるため香料を含むマイクロカプセルを使った商品もあって、長期にわたって香害をもたらすことが懸念されています。

コロナ禍になって、アルコール消毒が努力義務とされている中、化学物質過敏症の方はそのアルコールもダメで、買い物にも長くは行けず、体調を崩す方も多いと今回知りました。中には防毒マスクを付けないと、外出出来ない程深刻な方もいらっしゃるのですね。

京都の化学物質過敏症の小学生の兄弟の為に、専用の教室が学校に作られた取り組みは良いなと思いました。この病気は周りの理解がないと生活がしづらくなる疾患です。私も今一度この化学物質過敏症について考えたいなと記事に書いて思いました。

関連記事

過敏症患者に快適な宿を 福井、化学物質持ち込まず 日本経済新聞(2021年)

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。