『オレンジ・ランプ』。〜39歳で若年性認知症となった男性と家族の希望と再生の物語〜 

オレンジ・ランプ 映画

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。

アルツハイマーは認知症の一種で、脳の一部が縮むことで物忘れなどが生じる病気ですが、高齢者だけでなく、若い方もなることがあることをご存知でしょうか?

今回紹介する映画『オレンジ・ランプ』は、39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断され、自らの経験を語る講演などで活躍している丹野智文さんが企画協力している、希望と再生の物語です。

本人や家族、周囲の人々がどのように認知症を受け入れ、ともに生きてきたのかー。実話を基に認知症の本人と家族の9年間の軌跡を描いたこの映画に、俳優の貫地谷しほりさんと和田正人さんがW主演し、2023年の公開が決定しました。

今回はその映画についてと、認知症当事者への支援を2つご紹介致します。

あらすじ

画像・引用:映画「ケアニン」シリーズが贈る最新作は、若年性アルツハイマー型認知症ご本人の丹野智文さんをモデルに、認知症と共に生きる人々を描く。映画『オレンジ・ランプ』製作決定。 PR  TIMES(2022年)

只野晃一は、カーディーラーのトップセールスマンとして活躍していた。妻・真央と2人の娘とも仲が良く、休みには仲間とフットサルを楽しむなど、毎日が充実していたが、ある日から、客やスタッフの名前も忘れるなど自分が想像していなかった症状に見舞われるなど、少しずつ異変を感じるようになる。病院で検査を受けた結果、診断は若年性アルツハイマー型認知症。

家族のことを思い、不安に押し潰されそうになる日々。何でもやってあげようとする真央と、日ごとに元気がなくなっていく晃一。しかし、あることをきっかけに妻や本人の意識が変わり、職場や地域の人々の意識も変わっていく…。晃一と家族は、なぜそのような生活を送れるようになったのか?

引用:貫地谷しほり×和田正人W主演、若年性アルツハイマーをめぐる家族の実話を映画化『オレンジ・ランプ』 cinemacafe.net(2022年)

認知症患者の方が地域で暮らしていくには、家族からの支援だけでは難しい場合もあり、地域の社会資源とのつながりが欠かせません。

ここからは、そんな認知症の当事者への支援をしている団体や活動について、ご紹介します。

兵庫県の支援団体「チームオレンジおの」

兵庫県小野市は2021年11月、認知症の基礎知識や支援に必要な心得を勉強する「認知症サポーター養成講座」とそのステップアップ講座を行いました。2つの講座を終え、サポーターに登録した9人の市民が認知症の患者や、その家族を支援する「チームオレンジおの」の活動をスタートしました。9人は交流を重ねながら認知症の相談や家族の生活支援需要など調査し、認知症当事者が安心して生活出来る街作りを目指しています

ベースは、同小野市西本町にある小規模多機能型居宅介護支援事業所「さわらびの郷(さと)」が、毎月第2、4水曜日に行なっている地域交流カフェです。

これまで、同「さわらびの郷(さと)」の通所者や地域住民が自由に集合して、コーヒーを飲みながら談笑する場所として愛されて来ました。

活動初日の2022年9月14日では、同「チームオレンジおの」から2人の市民が参加し、同「さわらびの郷(さと)」を訪れた軽度の認知症が疑いのある女性とその娘さんの話に傾聴しました。「物忘れが激しくなりましたが、刺激がある日常を送れる様に心がけて生活しています」「(母が作る)料理のレパートリーは少なくなりましたが、温かく寄り添いたい」など、娘さんが母との毎日の出来事に耳を傾け、お互いの理解を深め合いました。

参考:認知症でも生き生きと 支援団体「チームオレンジおの」始動 カフェで患者や家族らと交流 神戸新聞NEXT(2022年)

同「チームオレンジおの」コーディネーターとして働いている市地域包括支援センターの女性によれば「認知症の当事者が同じ地域で暮らしていることに気付かない人も多くいます。交流の場を設け、沢山の認知症の当事者やその家族と接点を持ち、共に支えてあげたい」と語りました。

東京都の支援活動「ミーティングセンター」

東京都品川区では、認知症の患者もその家族も一緒に楽しめるサポート活動「ミーティングセンター」がスタートし、高い評判を集めています。

「やってみると凄く楽しいね」。認知症の男性は、同品川区内の支援施設で実施されたジャム作りに妻と一緒に活動に参加しました。ぶどうを一粒ずつ房から外していって洗って、ミキサーを使用してペースト状にしました。他の認知症の患者やその家族とジョークを言って、笑顔が弾けます。

認知症の当事者とその家族への心のケアは別々に実施されることが多かったそうですが、一緒にサポートする活動を「ミーティングセンター」と言われています。

認知症の当事者とその家族がお互いの新たな一面を発見出来て、周りの違う家族から在宅生活のヒントをもらえたり出来るのが大きな特徴の1つです。自宅から外出して集合し、励まし合って暮らしているのを実感できるのも大きな糧となります。

ジャム作りを提案したのは、主催する夫妻や、他の認知症の患者とその家族1組、社会福祉法人の職員などで構成された、東京都品川区にある「ミーティングセンターめだかの会」です。横浜中華街へ赴いたり地域行事へ参加したりと仲良く過ごして来ました。

男性は認知症だと診断を受け62歳で会社を退職しました。同「ミーティングセンターめだかの会」の存在を「本音で言い合える。間違っても『またしちゃったよ』と支え合える。そんな明るい雰囲気だからこそいい」と笑顔を向けます。男性の妻も「人生こうでなければ、という想いから解放された感情になった」と微笑みます。

「ミーティングセンター」は1993年にオランダで発案され、その後ヨーロッパで拡大しました。日本国内では2020年度に国のモデル事業がスタートし、同「ミーティングセンターめだかの会」は2021年度から加入しました。2022年度から国は「ミーティングセンター」を事業化しています。

品川区高齢者地域支援課の認知症サポート係長の男性によると、「『ミーティングセンターめだかの会』の参加者が今後増えて欲しいと願っています。『ミーティングセンター』の拠点を置くのもめだかの会だけなので拡大させていきたい」と気持ちを込めました。

参考:認知症の人と家族に笑顔を 品川区のミーティングセンター 共に活動、互いの良さ再認識 東京新聞(2022年)

私の祖母も認知症。

祖母は昔は着物を仕立てたり、編み物をしたり、今は俳句を作ったり、絵を描いたりと色んなことが出来る人ですが、認知症が進んでからは忘れやすく、電話して受話器を置くとさっきまで話してた内容を忘れたり、どこにものを置いたか忘れたり、話す前に「さっきも言ったかもしれないけど」と前置きしながら、同じ内容を喋ったりします。

祖母の認知症は母の話ではここ数年で出て来て、原因は父の大怪我での入院による心配や、嫁の家族のことでの心配など、心配事とストレスが重なって、物忘れが酷くなったと言っていました。叔父さんが「薬をちゃんと飲んでね」と言っても飲み忘れたり、認知症の症状が出始めた頃も「私は認知症ではない」と言い張り、薬を使わない時期もありました。

今回紹介させて頂いた支援団体の取り組みもとても良いと感じました。認知症は誰でもなりうる病気です。そのため社会や周りのサポートが欠かせません。共生社会として、みんなで手を取り合って生きていきたいですね。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。