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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2022年までに、東京都以外の46道府県では公立校の入試での性別欄を廃止していましたが、2023年に遂に東京都の都立高校の入試でも、性別欄の完全廃止が決定しました。LGBTQの当事者からは歓迎の声が上がっています。
2021年夏、署名と要望書を小池百合子知事ら宛で提出した市民グループ「東京ジェンダー平等研究会」の都立高教諭は「想定された最速のスピードで男女別定員の廃止に向かっていると考えます」と評価し、「受験生や進路指導の教職員に混乱を招かない様に慎重に協議して貰いたい」と言いました。
今回は都立高校の2023年度に入試で性別欄廃止までの、道のりについてお伝えします。
東京都以外の全国46道府県で、公立校入試での性別欄を廃止
公立高校の2022年度入試までに、東京都を除く全国の46道府県教育委員会が入学願書の受験生の性別欄を廃止することが26日、各教委への取材で分かった。出生時の性と自認する性が異なるトランスジェンダーら性的少数者への配慮から始まった性別欄削除の動きが全国に浸透した。
2022年、成績だけの合否判定の枠を増やす方針へ
男女別定員を設置している東京都立高校の2022年春の入試で、性別を問わず成績順で合格か否かを認めていたケースにすると、不合格だった女子284人が都立高校に合格していたことが明らかとなりました。都教育委員会が2022年7月13日に公表しました。
それを受け、東京都教育委員会は2023年2月から実施の都立高校の入試に関して、性別を問わず成績順で合格か否かを判断する定員枠を現在の1割から2割に拡大する措置を取りました。
東京都教育委員会は男女別定員を2022年春に緩和措置を行いましたが、性別だけで判断された生徒が今でも根強いことが判明しました。全国の共学の都道府県立高校の入試で男女別定員を未だに設置しているのは東京都のみで、性別だけで判断し不合格にさせる受験生を減少させ、最終的に都立高校での男女別定員の制度の撤廃を目標に掲げています。
東京都教育委員会によれば、2021年2月に行った都立高校の入試では、性別だけで認められず合格に至らなかった受験生は786人(女子のみでは691人)いましたが、成績だけで合否を判断する枠を全都立高校で1割導入した2022年2月に行った入試では299人(女子のみでは284人)に減少しました。東京都教育委員会は枠を2割に増やすと、成績だけで合否を判断したケースでは117人(女子のみでは114人)まで減少すると試算しています。
東京都教育委員会によれば、全日制168校の中で普通科のある109校では男女別定員となり、東京都では普通科のある高校の入試で男女別に定員を設置し、大半の都立高校が女子より男子の入学を多く認めて来ました。当初は女子高が多い私立高校との棲み分けを行うための提案でした。
参考:成績順だけだったら女子284人は合格 男女別定員の都立高109校 朝日新聞デジタル(2022年)
都教育委員会は男女別定員の段階的な廃止に向けて、「今回の調査結果を検証して協議する」と回答を寄せました。
2023年度の都立高校の入試から、性別欄を完全に廃止
東京都教育委員会は、2023年度の都立高校の入試より、入学願書から受験生の性別欄を廃止します。LGBTQの学生に考慮し、46道府県の公立高校入試の願書で性別欄の廃止した中で、都教育委員会だけが性別欄がそのままでした。
男女別定員に関しては同じ高校に入学するに当たって、性別で合否に差が発生し、「不平等だ」として疑問視されていて、都教育委員会では男女別定員の解消に向けスケジュールを調整してきました。
都教育庁の担当者によれば「男女別定員を設置しているので、性別の把握が大事だった」と性別欄がそのままだった経緯を説明。2023年度の都立高校の入試では継続して男女別定員はそのままとなりますが、「生徒自身に性別を記入させることは心理的に多大な負担だ。通学する中学校が作成した調査書を拝読すれば性別は判断可能だ」として、性別欄の廃止で取りまとめました。
都教育庁によれば、男女別定員を維持する理由については、私立高校の男子生徒の募集枠が女子生徒より少ないからで、公立高校で男子生徒の進学先を確保する目的があります。男女別定員を2023年度より完全撤廃が不可能なのは、男子生徒の進学先の計画に大きく左右する可能性が見られるためだとしています。
願書の性別欄は、LGBTQの学生への考慮から、大阪府と福岡県が2019年度入試から完全廃止を行い、その後全国で見直しが加速しました。教育庁の担当者は「合格に必要な点数は女子生徒の方が高いというデータもあるので、男女別定員が廃止されると男子生徒の合格者は減少に転じるだろう」と懸念しました。
東京都内在住のトランスジェンダーの中学生は「嬉しい結果です。性別欄廃止をきっかけに不要な男女分けを廃止する活動が加速して貰えたら」と笑顔を見せました。母親によれば、この中学生は都立高校では性別欄が設置しているので都外の高校への進学を念頭に置いていました。「性別欄が無くなることで選択できる幅が拡大した人も出て来ると思う」と歓迎しました。
現在、この中学生は性自認に適した通称名や制服で学校生活を過ごして来ましたが、過去には担任の先生の対応で嫌な感情も起こりました。母親は「性別欄の廃止だけでなく、皆が快適な学校に繋がって頂きたい」と言いました。
2023年9月、
日本各地の公立高校でただ1都、全日制の普通科の入試で設置されている都立高校の男女別の定員に関して、東京都教育委員会は2024年度の入試から全撤廃することを決定しました。
性別で判断され合否が左右されるのは「不公平だ」と見直しを要求する声が高まっていました。
都立高校は女子生徒がさらに高い点数を取らないと合格しづらい傾向だったことで、東京都教育委員会は2021年9月、段階的に男女別の定員の撤廃していく方針を決定し、男女別の定員の見直しを実施してきました。
東京都教育委員会は2021年9月、性別に関わらず成績順で合否を決定する枠を2022年度入試で定員の1割、2023年度は2割と拡大していきました。
この様な現状に対し、東京都教育委員会が2023年度の入試の結果をまとめた結果、男女別の定員の見直しだけでは、直近の2023年度は男女別の定員を設置している108校の中で、9校で女子生徒の合格最低点が男子生徒を上回り、その差が最大で51点の公立学校もありました。
東京都によりますと、全国的に男女別の定員の廃止が加速していき、都内は女子生徒の私立高校が74校、男子生徒が30校と大きな差があって、都立高校で男子生徒の進学先を確保する狙いなどから男女別の定員の制度が残ったままだったとします。
このことを受けて東京都教育委員会は2023年9月11日、校長などや東京都に住む高校生の就学計画を決断するために、私立高校側と協議する「公私連絡協議会」が都庁で行われ、全日制普通科の入試がある108校全部で2024年度の入試から男女別の定員を撤廃することを正式に決定しました。
東京都教育員会の浜佳葉子教育長は「これからも継続して生徒の適正な進学機会の確保に努めていきたいと思います」と説明しました。
男女別の定員制度は戦後の共学化に伴って全国の公立高校で浸透し、東京都教育委員会は1950年度に導入しました。当時、女子生徒は男子生徒に比較しても教育機会に恵まれずに学力差があったことで、女子生徒の入学枠を確保する目的がありました。
2024年1月から2月にかけて実施される一般と推薦の入試から対象になります。
参考:都立高校男女別定員撤廃は 令和6年度入試から 背景は 影響は NHK首都圏ナビ(2023年)
東京都教育委員会の担当者は「入学する生徒の男女数の差が極端に陥らない為に男女別の定員を設置してきましたが、性別の差での不公平感へ対するご指摘があるのは事実ですし、今回の決定を判断しました」と述べています。
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都立高校 男女別定員の撤廃 “歓迎すべきも 遅かったのでは” NHK NEWS WEB(2023年)
確かに最近感じていました。
私の場合入試ではなくSNSとかの話ですが、昔からあるSNSでは今も男性か女性かを性別を問う欄が今もあり、どちらか選択しなければ、会員登録は出来ませんでした。
スマホに機種変して、パソコンで登録していたものをスマホで登録し直したのですが、最近のSNSとかでは、性別はなしとか、回答しないという欄が出ていたり、必須項目だった性別を選択しなくても、会員登録が出来る様になっていました。SNS以外でも最近登録したものでも、性別を問わない場所が増えていて、10年以上前と違い、随分そういうところが変わったなと思いました。
都立高校の件は、確かに男女で合否に差が出ていたのは、おかしいことですね。少しずつでも、色んな人のためにアップデート出来る世の中にしていきたいなと感じました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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