低温やけどが起こる原因や暖房機器。その予防方法とは? 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

低温やけどとは、体温よりも少し温かいと感じる程度の発熱するものに、皮膚の同じ場所が長時間当たることで起こるやけどのことを指します。正しくは「低温熱傷」といいます。

「温かくて、心地良いな」と思っていても、使い捨てカイロや湯たんぽなどが皮膚に長時間同じ場所に当たっていると、低温やけどを発症してしまう恐れもあるので、細心の注意が必要となります。

表面の皮膚温度と低温やけどを発症するまでの温度は、44℃で3〜4時間、46℃で30分〜1時間、50℃で2〜3分です。感覚神経が「痛い」「熱い」と感じなくても、一定以上の熱で皮膚組織は破壊されます。そのため、気持ち良いと感じる温度でも注意が必要となります。

本人も気付かないうちに皮膚の奥まで損傷していることが多く、重症化しやすいことも大きな特徴の1つです。今回は低温やけどについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

低温やけどが起こる原因など

画像引用・参考:心地よい44~50℃でも低温やけどの危険 ウェザーニュース(2019年)

こたつや床暖房などで暖を取る機会が増える冬場。冬にリスクが高まる低温やけどは、気付きにくく重症になりやすいため注意が必要となります。低温やけどは、比較的温度の低い熱が一定程度の時間、皮膚の同じ場所に触れ続けたことで起こります。専門家によると「低温でも例えば45度であれば2~3時間、50度であれば数分でやけどになる可能性が高い」と懸念します。

暖房器具の代表例、湯たんぽは、昔ながらのブリキやトタンといった金属製の楕円形の湯たんぽ以外にも、ゴム製やプラスチック製の物も近年では多く種類があり、カバーなどのデザインも拡大し、お子さんから高齢者まで幅広く使われています。

低温やけどが起きる仕組みについて専門家は、「密着した器具が皮膚を圧迫し血流が悪くなっていることも影響している」と指摘します。通常、皮膚に伝わった熱は、血液を介して全身に拡散されますが、血管が圧迫されることで血流が悪くなり、熱がこもりやすくなります。

低温やけどは、足、腰部、臀部など下半身に多く見られます。低温やけどは痛みなどの自覚症状を伴わないことも多く、長い間、熱源に触れたままになります。皮下脂肪も温められることになり、皮下脂肪層のたんぱく質が変性してしまいます。その部分にある動脈が閉塞し、皮膚の深い組織まで損傷したり、血流が無くなって筋肉や皮膚が壊死したりすることもあります。

壊死した筋肉や皮膚は再生できません。そうした場合は手術が必要となり、感染症にかかりやすくなったりする場合があります。普通のやけどよりも治りにくく、重症化して入院治療を余儀なくされる場合もあります。

低温やけどになるケースとしては、飲酒したままこたつで寝て過ごしてしまったり、使い捨てカイロを皮膚に長時間付け続けてしまったりしたケースなど理由はいろいろあります。独立行政法人国民生活センターによれば、次のような具体的なケースも報告されました。

具体的なケース

  • 座った状態でノートパソコンを太ももに置きながら仕事をし、パソコンの熱で低温やけどを負った。
  • 使い捨てカイロを10時間貼って寝たら、低温やけどになって、3ヵ月入院した。
  • 就寝中に電気毛布を使用したら、低温やけどになって、2週間入院した。

脳梗塞や脳出血の後遺症で四肢感覚が衰えている人も多くいますが、健康でも、高齢になればなるほど皮膚感覚が分からなくなります。脳梗塞や脳出血を発症した後の当事者では、皮膚感覚が衰えているのに、冷たい刺激や痛みには過剰に反応する「感覚過敏」の人もいて、要注意です。

一般的なやけどでは、すぐに患部を水などで冷やすことで悪化を食い止められますが、低温やけどは「効果はあまり期待できない」と言います。直ちに病院へ行き、医師の治療を受けることが大切です。

「低温」だからといって、決して侮れないやけどであることが理解できます。

原因になりやすいもの

・ 湯たんぽ

・ こたつ

・ 使い捨てカイロ

・ 電気あんか

・ ストーブ

・ ホットカーペット

・ 暖房機能付き便座

・ 電気カーペット

・ 足湯器

・ 温風ヒーター

・ スマートフォン

・ 石油、ガスファンヒーター

・ 電気毛布 など

参考:寒い季節こそ低温やけどに注意! 産業保健新聞(2017年)

対策

湯たんぽ

就寝前に布団に湯たんぽを入れて温めておいて、就寝時には布団から取り出します。

あくまでも、湯たんぽは布団を温める暖房機器であり、身体を直接温めるものではないです。

また、厚手のタオルや専用カバーを湯たんぽに使っていても低温やけどが起こる可能性がありますので、長時間の使用は控えて下さい。

使い捨てカイロ

使用期限は必ず守りましょう。また、使用上の注意も正しく守ってください。貼るタイプのものは必ず衣類の上から使い、同じ場所に長時間触れないようにしましょう。

そしてサポーターなどではさんだりして圧迫しないように気を付けて下さい。靴下用のカイロは靴下の上から使い、他の部位に使用しないで下さい。

  • 眠る時には使用しない
  • 同じ場所に長時間当てず、1時間に1回程度、肌の状態を確認する
  • 同時に複数の袋を使用しない
  • ベルトやサポーター、椅子などに押し付けて使用しない
  • 身体に押し付ける様にして横にならない
  • こたつや寝具の中、暖房器具の近くでは使用しない

暖房機能付き便座

  • 温度調節を「低」に。
  • 使用直前まで温め、使用中はスイッチを切る。

ホットカーペット

  • カバーを使い、電源を入れたまま就寝しない様にして下さい。
  • 自動で電源が切れる様に、タイマー機能のあるものをオススメします。

スマートフォン

  • 就寝時に布団の上で充電しない。起動中のアプリはオフにする。

暖房機能のある便座に長時間座っていることで低温やけどに至るケースも2015年に4件確認されています。いずれも80歳以上の高齢者です。「トイレをしている最中に眠ってしまうなどして便座に長時間座ってしまうことがある。温度を低く設定するか、使用中はスイッチをオフにする様に周りの人も気を付けて欲しい」と専門家は言います。

スマホでも低温やけどは起こり、国民生活センターによりますと、「充電しながら寝たらスマホが腕の下にあり、やけどした」という事例も報告されました。東京都生活安全課が、スマホを毛布に包んでアプリを起動状態にする実験を行った結果、50〜2時間程度で50℃前後まで発熱しました。専門家は「就寝時にスマホを使う時には十分注意して下さい」と発信しています。

参考:ホットカーペットに赤ちゃんを放置しないで•••重症化しやすい「低温やけど」 皮膚が壊死して再生不能に ヨミドクター(2022年)

私もカイロで、

寒過ぎてカイロをお腹と腰と2枚貼っていた時に、気温は低いのに、痒みが出だして急いで剥がしました。今までそういうことがなかったので、油断していました。

こうやって記事化するととても怖いものだということに気付きました。私の家は暖房機能付き便座で、母がよく「トイレに座って、何かを考えるのが好き」といつも言っていて、それはダメだよと伝えなくては、と思いました。

低温やけどは些細なことで起こります。まだまだ寒い季節、低温やけどには気を付けて生活しないといけないですね。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。