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こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは日本がある国際的な賞に3年連続で選ばれているのをご存じでしょうか?
それは、「化石賞」という、地球温暖化対策に消極的な国に贈られる賞です。
2022年11月9日、エジプト東部シャルムエルシェイクで開催されていた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、世界の環境団体で構成する「気候行動ネットワーク」(CAN)から、地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本は3年連続選ばれました。
また、気候変動対策の評価も、50位と先進国で最低のレベルだと言われてしまいました。どうしてこの様な評価になったのでしょうか?
今回は様々な視点から、気候変動について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
日本、3年連続COPで「化石賞」を受賞
気候変動対策の議論を重ねる国連の会議「COP27」に併せて、国際的な環境NGOは、気候変動対策に消極的な活動をしていると判断した国を選出する「化石賞」に、3年連続で日本を選んだと公表しました。
「化石賞」は、国際的な環境NGOの団体「気候行動ネットワーク」のCANから約130カ国から1800団体が参加します。気候変動対策に消極的な活動をしていると判断した国を、COPでの会議のその日のメーンテーマに併せてCOPの期間中、毎日選出し、「資金」がメーンテーマだった2022年11月9日は、日本が選出されました。
「化石賞」に関しては、1999年にドイツ・ボンで開催されたCOP5からスタートしました。その後、毎年恒例のイベントとして現在まで継続しています。
環境団体の調査では、日本は2019〜2021年、年に換算して106億ドル(約1兆5000億円)の公的資金を石油や天然ガスなどの化石燃料に拠出しました。
カナダ(85億ドル)、韓国(73億ドル)、中国(67億ドル)も多額の公的資金を投入しましたが、CANによると「日本が断トツ」と1位でした。
その選出理由について、日本が継続して化石燃料を使用する見通しのある行動や、岸田文雄総理大臣が火力発電の廃止などに言及しなかったことが焦点になったとしています。
また、温室効果ガスの排出を抑制可能な「水素とアンモニアを燃料とした発電」への支援に関しても、「未熟でコストばかりがかかる技術」だと痛烈に批判し、岸田総理大臣がCOP27に出席しなかったことも理由の1つだと示しました。
2022年11月9日の「化石賞」の授賞式では、CANジャパンの代表者に恐竜の頭骨をモデルにしたトロフィーが渡されました。CANの「化石賞」担当ムハメド・サイディハン氏はコメントで「日本は化石燃料から再生可能エネルギーに資金の拠出先を転換して頂きたい」と訴えました。
日本は、2019年、2021年、2022年と3回連続で「化石賞」に選ばれました(2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響でCOPは延期)。それより前でも、日本は「化石賞」に何度も選ばれています。2021年のCOP26では、イギリスやアメリカ、フランス、オーストラリアなどが選ばれ、基本的には先進国が選ばれることが多い傾向です。
日本の環境NGOの参加者の女性は「日本は温室効果ガスの排出量が世界で5位と上位にいて、岸田総理大臣はCOPに参加すべきでした。日本政府には気候変動の課題が沢山の人々の生活と命を脅威に晒していることを理解して頂きたい」と述べました。
参考:「化石賞」に日本 環境NGOが発表 “気候変動対策に消極的” NHK NEWS WEB(2022年)
気候変動対策、日本が2021年45位から、2022年50位に後退
ドイツの環境NGO「ジャーマンウォッチ」などが14日、世界60の国・地域の気候変動対策を評価する報告書を、エジプトで開催中の国連気候変動会議(COP27)で発表した。日本は50位で、5段階で「最も評価が低いグループ」に認定された。
日本は前年の45位から50位にランクを下げた。2030年までに温室効果ガス13年度比46%削減や、50年までに「脱炭素」にするとした政策を歓迎するとしたが、「これらの目標を達成するための明確な計画がない」と批判している。
二酸化炭素を上手く取り入れられない、森林の老齢化が大きな課題に
日本各地の森林面積はほとんど変化がないのに、森林が吸収出来る温室効果ガスの量は、2020年度までの6年間で2割も減少しました。
林業の衰退によって、光合成があまり出来ない老木が増加したのが大きな要因でもあります。温室効果ガスは排出削減にばかり意見が傾くことになりがちですが、温室効果ガスの吸収量を維持出来なければ、政府の掲げる温室効果ガスの削減目標の達成は上手くいかないとしています
日本の人工林に関しては、その大半が戦後や高度経済成長期に植樹が行われ、伐採時期と言われる50年を迎えようとしていますが、手入れが行き届かず放置される事案が増加しています。林野庁によりますと、日本各地の人工林の面積は1980年代以降では、1000万ヘクタール余りでほぼ変化していませんが、植樹から51年以上の老齢化し森林の割合は、2007年が2割(215万ヘクタール)でしたが、2017年は5割(510万ヘクタール)にまで至りました。
森林の老齢化においては、気候変動対策の面でもマイナスなポイントです。CO2の吸収量は、光合成が活発な若木と比較して老木はかなり吸収量が減るからです。環境省によりますと、老齢化の影響を受けた森林のCO2吸収量は、2014年度の5220万トンから2020年度は4050万トンと、たった6年で22%も減少してしまいました。一般家庭の年間のCO2排出量に換算すると400万世帯分に到達します。
参考:「老齢化」する森林、温室ガス吸収量6年で2割も減少…背景に林業の衰退 読売新聞(2022年)
林業の衰退に関しても、安い外国産木材の輸入や林業に従事する人の高齢化など複合的な要因が混ざり合い、「特効薬」は特にありませんが、森林の健全化に向けた地道な活動も加速しています。
環境保護を訴える、学生団体「FFF」
「今、尋常ではない位暑いですし、激甚災害も多発しているのに、『温暖化を何とかしなきゃ』とならないのは、どうしてだろう?」。環境問題解決に励む若者たちは、「もっと気候変動に関して、国会で議論して貰いたい」と望んでいます。
気候変動対策を政府や企業に要望する国際的な若者団体である「Fridays For Future(FFF、未来のための金曜日)」の名古屋地区の参加者で、南山大1年の女性は疑問を投げかけます。
FFFの取り組みは、スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥンベリさんが2018年にたった1人で立ち上げ、SNSなどを介して世界中の若者に波及しました。
FFFの参加者の女性は高校1年の時、バイト先のホテルで大量の食べ残しが起きたことを疑問に思い、食品ロスなど環境の問題を検索する様になりました。
その後環境活動家の講演会でFFFを認知して、高校2年生からFFFに加入しました。名古屋市内でプラカードを掲げ脱炭素などを訴えながら歩き回ったり、ごみ拾いを行って来ました。
参考:FFF
私が身近に感じる気候変動。
私の家では母がお花が好きで、色んなお花を植えています。最近は花たちも異常気象に耐えられなくなっていると感じます。2021年は1番長い梅雨での冷夏で、雨が降り注いだ為に花が枯れ、2022年は猛暑だったので雨が降らなかったのもあり、枯れる花が多かったです。
母が空いたスペースに新しい花を植えるのですが、基本的に昔からあって、根がしっかり張っている植物ではないと、この異常気象を植物が乗り越え切れなくなっています。新しい花は自宅に定着するのが難しくなっています。ですが、昔からある植物も、異常気象で突然枯れてしまうことが増えて来ました。
今年の冬はとても寒いそうですね。虫でカメムシには今年の様に猛暑で「カメムシ注意報」が出ていた年は、雪が多く降ると昔の言い伝えでずっと言われていると言います。去年は暖冬だったので寒い冬は嫌いです。もう昔の様に、「少し今日は暑いね」「少し寒いね」という、夏冬が来ないかと思うと、やっぱり悲しくなりますね。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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