普通の中高年にも広がる「ひきこもり」-半数が女性と言う現実-

この記事は約 5 分で読むことができます。

こんにちは、金次郎です。

この記事は、2年前に書いた記事です。

「8050問題」と言う言葉を知っていますか?

 「ひきこもり」と言う言葉が使われる様になって40年以上が経ち、当時の子供たちも50代。
 そんな人たちの親も80代になり、「親子の今後の生活をどうするか?」と言う「8050問題」

 ところが「ひきこもり」にもならず、まっとうに会社に就職して真面目に働いていた人たちが、ちょっとした出来事で、会社内での人間関係が上手くいかなくなってしまい、それを理由に会社を「早期退職」した人が、そのまま「ひきこもり」なってしまうと言うパターンが増えているそうです。

 更に「ひきこもり」と言うと、労働力と言う面からどうしても男性をメインに考えてしまいますが、近年の調査で女性もかなりの人数が「ひきこもり」になっている事が分かりました。

早期退職した方が危ない「中高年ひきこもり」

 内閣府が、2018年に40歳〜64歳の中高年の「ひきこもり」の人を対象に行った調査によれば

「引きこもり」状態になった年齢が19歳以下だった人は2.1%しかいなくて、
4割近くの人は50歳を過ぎてから「ひきこもり」になったと言う結果がでたそうです。
 それら中高年の方の、「ひきこもり」になったきっかけの1位は「会社を退職した」でした。
 会社を退職してしまうと、見ず知らずの人との人間関係を構築できなくなる人が多く、結果として「ひきこもり」になってしまうとの事です。
 「退職」をきっかけに、社会に対して強い疎外感を持ってしまい
「もう人間関係には入れてもらえない」と言う絶望感を生じてしまう人が多いらしいです。

参考:(集英社オンライン)引きこもりの理由1位は「退職」…増える中高年の引きこもり「もう人間関係にいれてもらえない絶望」に耐え切れず

女性の「ひきこもり」も増えている

 各論①で書いた調査では、「ひきこもり」状態の人が全国で推計146万人いる事が分かっていますが、その半数が女性と言う事で大きな波紋を投げかけました。

 何故、今まで女性の「ひきこもり」は問題にならなかったのでしょうか?

 ある41歳の女性は
 「高校を中退した後、アルバイトをしながら就職活動をしていました。
 その頃は、友人と一緒にスポーツ観戦したりコンサートにも行っていました。
 でも、あの当時はバブル崩壊後の就職氷河期でして、女性の求人なんてほとんど無く仕事に就く事を諦めてしまいました。
 ゆえに『家事手伝い』として家にいる時間が長くなり、次第に友人たちとも疎遠になっていってしまいました。」との事です。

 「女性のひきこもり」問題に詳しい精神科医の斎藤環さんは、次のように指摘します。

 「女性の電車運転士や旅客機パイロットが存在する現代でも、女性は『家事手伝い』と言う言葉で許されてしまう部分が有り、家にひきこもってる状態を、その様な言葉でカバーできてしまう。
 『女性だから、特に社会に出て働かなくても良い』と言う偏見が、日本社会全体に未だ根強く残っていて、専業主婦や子育て中じゃ無いのに仕事をしていない事への不安感とか、女性の労働に対する問題意識が、日本人には未だ乏しいと思います。」
と言います。

参考:(NHK)見過ごされてきた”女性のひきこもり”

国の対応

 国もこの「ひきこもり」問題を解決しようと、色々な策をねっています。
 厚生労働省は、全自治体を対象にした実態調査を行う事を計画していますし、「8050問題」についても、各地の相談事例や課題の把握に務めています。
 多様な悩みに寄り添う「伴走型支援」を考えており、2024年度中にマニュアルを策定する予定です。
 マニュアルは、都道府県や政令指定都市などに設けている相談窓口「ひきこもり地域支援センター」で活用してもらうためです。

参考:(厚生労働省):「ひきこもり地域支援センター(全国窓口)」

終わりに 

 恥ずかしながら、私自身の身内の事情を晒しますと、弟一家の長男が、就職活動時期と新型肺炎の緊急事態宣言が重なってしまい、思う様に就職活動ができず「ひきこもり」になってしまいました。
 身内にそう言う当事者がいるからこそ、この政府の「ひきこもり対策」に関しては関心が有ります。

 ちなみに、下記参考記事の様な、30年ひきこもっていた人でも働く意思さえ示せば雇ってくれる会社もあります。

参考:(地域福祉マガジン「グッチョ」)30年ぶりの外食/孤独・孤立や引きこもりの時間に関わって感じたこと

 私自身は、通院している精神科の先生から「新卒で入社した会社を退職した後、色々と職は変わったけど、良く『ひきこもり』にならずに済んだもんだ。
 多分、あなたは『実家に戻ってしまったけど、働かなきゃ』って意識が強かったんだろうね。
 それは、パニック障害を誰に教えられた訳でも無く、自分で認知行動療法を実践して病気を克服し、今では急行電車に乗って通勤できる様になった事にも表れてるよ。」と関心されました。

 後、3年半ほどで定年になりますが、親が元気なうちは自分の食い扶持は自分で稼ぐつもりです
 その親である父がデイケアに行きだしたのが、ちょっと心配なので「予定は未定で決定では無い」ですけどね  

HOME

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。