『きっと地上には満天の星』。〜実在のニューヨークの地下コミュニティで暮らしていた、実話をベースにした映画〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。昔アメリカ・ニューヨークには地下トンネルの中で暮らす地下のコミュニティが複数あり、そのコミュニティは2001年の9・11発生により、取り締まりが強化され、そこで暮らす人々は退去せざるおえませんでした。そんな地下トンネルで暮らしていた実話をベースにした、映画『きっと地上には満天の星』が、2022年8月に日本でも公開されます。今回はその映画についてと、実際に今でも地下トンネルで暮らしているという男性の話、2つを語りたいと思います。

 

2020年第77回ヴェネチア国際映画祭で国際批評家週間でマリオ・セランドレイアワード最優秀技術貢献賞、2020年第27回SXSW映画祭で審査員特別賞を受賞で絶賛された、”今こそ見るべき1本”として2022年3月に全米公開された【Topside】が、『きっと地上には満天の星』の邦題で2022年8月5日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開されることが決定し、日本版メインビジュアルが解禁となりました。

星空に憧れる主人公の少女リトルをモチーフにした日本版メインビジュアルでは、「地下鉄の廃トンネルで育ったリトルは、まだ夜空を知らない――」というキャッチコピーと一緒に散りばめられた広い星空が目を引くビジュアルとなっています。

あらすじ

N.Y.の廃トンネルで暮らしていたニッキーとその娘リトル。ある日、不法住居者を排除しようと地下鉄の廃トンネルへ市の職員たちがやってくる。隠れてやり過ごすことができないと判断したニッキーは、5歳のリトルを連れて地上へと逃げ出すことを決意する。初めて外の世界を体験するリトルは、眩いばかりの喧騒の中で、夜空にまだ見ぬ星を探し続ける。N.Y.の街で追い詰められていく母娘に、希望の光は降り注ぐのだろうか…。

また併せて解禁された場面写真では、母娘が寄り添う様子や暗い地下鉄内を歩くリトルの姿をとらえており、N.Y.の街の奥底で暮らす母娘の、心震える愛の物語の一端が垣間見えるものとなっている。

引用:NY地下鉄の廃トンネルで暮らす母娘の逃亡劇『きっと地上には満天の星』8月公開 cinemacafe.net(2022年)

原案、監督、キャスト陣

「その場所に子供はいないよ。5歳位の大人はいるけどな。」という、本映画の原案となった、実在した地下コミュニティへの潜入記[モグラびと ニューヨーク地下生活者たち](著者:ジェニファー・トス)の印象的な一節の流れからスタートする『きっと地上には満天の星』。ニューヨークの地下鉄のさらに下に拡がる暗い迷宮のような空間で、ギリギリの生活で暮らしている母と幼い娘を描きます。

監督を務めたのが、2018年の短編映画[Caroline]がカンヌ国際映画祭で話題をさらい、アンソロジー・TVドラマシリーズ[モダン・ラブ]の1篇[本当の私は心理テストで分かるかも]を手がけたセリーヌ・ヘルド&ローガン・ジョージの2人の長編監督デビュー作となります。

セリーヌ監督自身が母のニッキーを熱演し、娘のリトル役には新星ザイラ・ファーマーを起用されました。セリーヌ&ローガン監督は現在、新作のプロデューサーにM.ナイト・シャマランを抜擢し、長編2作目となるミステリー・ホラー[The Vanishings at Caddo Lake]を製作中で、いまアメリカで最も注目を集めているクリエイターです。ニューヨークの街の奥底で暮らす母と幼い娘の、心震える愛の物語に期待する一作です。

予告編も解禁。

 

公開された予告編では、暗い地下の空間で幼い娘リトルが母親ニッキーと仲睦まじく生活しているシーンから一転、不法居住者の摘発から逃げ延びるため、2人は地上のニューヨークの街へと飛び出していく緊迫したシーンが捉えられています。

ニッキーに背中を見せながら「ママ 翼は生えた?」と問いかけるリトルと、「ママはもう少ししたら翼が生えるのよ。リトルに翼が生えたら“地上”に行けるわ」と返すニッキー。地上に出て来たら自由に翼を広げ、まだ見たことのない満点の星を探しに行きたいと願うリトルの想いが胸にギュッと来ます。

ここからは2017年と少し情報が古いですが、アメリカの地下トンネルで生活する男性に迫った記事をご紹介致します。

現在のアメリカの地下トンネルで生活する男性の話

ニューヨークの地下トンネルで生活する人がいることは、ぼんやりではありますが多くのニューヨーカーに周知されていました。実際には、地下都市が存在したというよりも、様々な問題から地上での生活を切り離し、地下トンネルで生活しているコミュニティが複数あっただけの話です。そのコミュニティが連携したり、組織化して大きくなったりということは無かったのです。

ただし、多いときでは数千人単位の大型コミュニティなっていたため、アメリカでは1つの社会問題にまで発展していました。市の治安悪化を懸念したニューヨーク当局の判断により段々取り締まりが強化され、2001年に起きた9・11の同時多発テロ事件が重なって、ほぼ地下コミュニティは無くなりました。

地下鉄のような交通経路は、軍事施設と同様にテロの標的となりやすいため警備の強化が一気に加速し、地下鉄や連絡通路といった地下トンネルに住み慣れていた人々が一斉に取り締まられ退去せざるおえませんでした。

出会った地下住人はそれほど多くありませんでした。地下住人の存在を確認してきちんと話が出来たのは、3人程度でした。3人のうち2人の男性は、それぞれが10年以上も地下トンネルでひっそり生活するベテラン。特にホセと名乗る男性は、生まれてすぐに親に捨てられて施設で育っています。15歳になって児童施設を離れてから50代になる現在まで、地下トンネルで人生の大半を過ごしてきたと話します。

参考:ニューヨークの地下トンネルで暮らす人々の「こんな事情」(丸山ゴンザレス)現代ビジネス(2017年)

「強がりではなく、それしか生き方を知らないから出てきた言葉。そして彼の境遇にこそ、都市の抱える闇が集約されているように思えました。たったひとりで生きる辛さはあります。だが、ひとりでも生きられてしまうという都市の持つ便利さや収入源がいまの彼を作り上げてしまいました」と、インタビューされた方は、この様な言葉を残しています。

映画の様な話で、作り話ではない。

この地下に住んでいる人の話を読んで、まず私は自粛期間だったので観に行っていないですが、韓国映画の[パラサイト 半地下の家族]を思い出しました。

私は主に映画関係からですが、色んな国の方の記事を書いて来ました。書いていく内に衝撃的な内容が多かった中、今回の地下トンネルで今も暮らしている男性の話にも、凄く衝撃を受けました。

「学歴もないから、まともな仕事にもつけないでいまに至っているんだ」「この場所以外の生活を知らないからな。気に入っているにもなにも比較しようがないよ」

「男性は落ちた底辺生活者ではない。地下でしか暮らしたことのない。だから家が地下にあるだけで、ニューヨークで生まれてそのまま暮らしている生粋のNYっ子なのだ。」

この男性と、ジャーナリストさんの言葉が、重くのしかかりました。確かに人は住む場所も親も選べません。最近親ガチャという言葉がありますが、生まれて来る子どもも、自我がハッキリしてくるまで、自分の親がどんな両親なのかも分かりません。

私も30過ぎにもなってまだ実家暮らしなので、両親との衝突はやっぱりあります。時々色々詮索されて嫌にはなりますが、何か両親が困っていたら助けたいという思いは、やっぱり親子として暮らしていてその気持ちはあります。

最後に載せた地下トンネルで暮らす男性の記事はコロナ禍前なので、今その男性がコロナ禍に入り、どんな生活になった、変わったのか?とか気になりました。元々の映画の本題になぞって、満天の星の下で色んな人の事を祈ります。

関連サイト

noteでも書いています。よければ読んでください。

TANOSHIKA 翼祈|note

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。