この記事は約 4 分で読むことができます。
ゆいちゃんという親友がいた。
幼稚園で、なかなか友達ができなかった私。
いつも一人で遊んでいた。
今でも覚えている。
遊具で遊んでいる女の子。
私は、その子から目が離せなくなった。
長い髪の毛、二つ結びをしていて、とても可愛かった。
それがゆいちゃんだった。
いつの間にか、二人は友達になった。
ばぶばぶごっこという、赤ちゃんになりきる遊び。
二人だけの秘密のこの遊びを永遠していた。
たまに、喧嘩する事もあった。
お姫様ごっこでお姫様役をどちらがするかで、よく揉めた。
でも、とても仲が良かった。
特性のあった私は、幼稚園の期間、その子だけとしか仲良くなれなかった。
彼女に頼りっぱなしだった。
小学校に入り、その子は転校する事になった。
寂しい、という感情より、明日からどうしよう、と思った。
彼女以外の子と仲良くなかったからだ。
自分本位で、わがままな私は、そんな事しか考えられなかった。
小学校高学年になって、彼女は私の小学校に帰ってきてくれた。
また二人は仲良くなった。
だけど、私は、頭のいい彼女に、よく嫉妬した。
最低だけど、たまに我慢できなくて、意地悪な事を言った。
酷い事を言う私なのに、彼女はなぜか私とずっと親友でいてくれた。
優しくしてくれた。
小学校五年生の10月。
今度は私が転校する事になった。
転校先の小学校で、私はうまく馴染めなかった。
色々な人に裏切られて、私の心はすっかり真っ黒になっていた。
私は、離れて暮らす、大好きなゆいちゃんと文通を始めた。
学校であった辛い事、嫌だった事、腹が立った事。
私は、そんな愚痴を思う存分、気持ちよく吐いた。
彼女は、いつも長文の、何枚もの便箋で私を励ましてくれた。
ある日を境に、私は学校に行けなくなった。
その事を彼女に手紙で伝えた。
彼女から、数日後に手紙が届いた。
いつものように、私を励ます手紙。
当たり前のように読んだ。
もう一枚、小さな手紙が入っていた。
ピンクのペンでこう書いてあった。
「私は、ずっとずっとあなたの味方だよ。離れていてもずっとずっと親友だよ。」
それを見た私は、そっと手紙を引き出しに閉まった。
もう、返事を書くのはよそう。
そう思って、返事を出さなかった。
無視したのだ。
人に裏切られ続けた私は、みんなにされたように、彼女を裏切った。
幸せが怖かった。
失うのが怖かった。
人を信じるのが怖かった。
散々裏切られ続けた私は、こう決心した。
裏切られる前に、裏切ろう。
それから一度も、彼女とは連絡をとっていない。
返事が来なくて、彼女はどんな気持ちだっただろう。
今、考えると、とてつもなく苦しくなる。
ごめんね、そう伝えたい。
でも、もうあれから10年経ってしまって、彼女の連絡先ももう分からなくなってしまった。
ある日、彼女の名前でネットで検索してみた。
頭の良かった彼女は、頭のいい大学に入ったようだった。
彼女の画像が出てきた。
小さい頃と何も変わらない、可愛い顔で、笑っていた。
今だから伝えたい。
ゆいちゃんごめんね。
私もずっとずっと味方だよ。
ずっとずっと親友だよ。
大好きだよ。
元気でいてね。
あんな酷い事してごめんなさい。
これを読んでいるみなさんも、ぜひ、親友は大切にしてください。
私のように、後悔する事がないように…。
最近はnoteでも記事を書いています! よければこちらも読んでみてください! TANOSHIKA piasu|note
→HOME
私にも同じようなことがありました。いつしか距離をおかざるを得ないようなことがおきた時から親友は作らないと決めたのです。いちど離れたりした友達には心の中で元気にしてますか?ととうぐらいで今の自分が情けなくなります。気づかせてくれてありがとうございます。
同じようなことがあった方がいらっしゃる、という事が、なんだか安心しました。ありがとうと言ってくださってありがとうございます。私の方こそありがとうございます。