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1.はじめに
「なんだかやる気が出ないな…。」、ということは誰しもあることだと思います。一時的にモチベーションが低下することは、ごく自然なことです。しかし、そのやる気のなさが、ひょっとすると精神的な病気であることもあります。その1つが、今回ご紹介する “学習性無力感” というものです。私は最近その状態に陥っているので、実体験をもとに説明したいと思います。
2.学習性無力感とは?
まずはその意味をご紹介しましょう。Wikipediaで学習性無力感と検索すると、下のような説明が最初になされています(2018年6月7日現在)。
学習性無力感とは、長期にわたってストレスから回避困難な環境におかれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。
つまり、長期間ストレスにさらされ続け、自らのちからでそのストレスを解決できない状態が続いた場合、「もうこのストレスから抜け出すことはできないんだ…」と諦めてしまうような状態になってしまう、というような感じです。
私の場合は、「統合失調症は一生治らないから一生病気から抜け出すことができない、何しても病気で行動が制限されてしまうから、何をしようとしても無駄だ…」、というような状態になりました。
3.学習性無力感の具体的な症状
症状は大きくわけて3つあると、Wikipediaには書いてありました。引用すると、次の通りです。
・被験者は、その圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況から、自ら積極的に抜け出そうとする努力をしなくなる。
・実際のところ、すこしばかりの努力をすれば、その状況から抜け出すのに成功する可能性があったとしても、努力すれば成功するかもしれないという事すら考えられなくなる(言い換えると、長年受けた仕打ちによる反動で、どんな可能性さえも「無駄な努力」と断じ、自発的行動を全くしなくなる)。
・ストレスが加えられる状況、又ストレッサーに対して何も出来ない、何も功を奏しない、苦痛、ストレス、ストレッサーから逃れられないという状況の中で、情緒的に混乱をきたす。
この引用にあるようなことが、私にもありました。“病気を回復させよう” という努力をしなくなり、努力のことを意味のないことと感じ、あまりにも “病気” のことを考えすぎて “病気” という言葉に押しつぶされて情緒不安定になりました。この状態は、かなりきついものでした。
4.学習性無力感を治療するには?
自分は病院で治療を受けたわけではないので詳しくありませんが、認知学習療法を行って、そのストレスへの考え方を変えることが有効だとされています。私が自分で行った治療は、“リフレーミング” というものになります。リフレーミングは、英語のスペルでは re-framing ですので、直訳すると “枠を捉えなおす” という意味になります。行うことは簡単で、自分が今直面している短所や問題を、良い意味で捉えなおすというようなかんじです。ちなみに、私が行ったリフレーミングは、下のようなものになります。
「こんな簡単なことで治療できるのか?」、と思われるかもしれませんが、私の場合はこれを行ったことで無気力状態から少しだけ脱出することができました。特に私にとって効果があったのは、リフレーミングを行えば学習性無力感から脱出できることがわかったことや、小さな成功を積み重ねることも治療になるとわかったことでした。ちなみにわたしは病院で他の認知行動療法を行ったことがあるので、そのことも功を奏したのかもしれません。
5.終わりに
学習性無力感は、誰しもがなる可能性のある精神的な病です。例として挙げると、いくら勉強しても成績が上がらなくて滅入っている受験生や、仕事で失敗を繰り返してつらい思いをしている大人がなりやすいようです。この学習性無力感が悪化すると、うつ病になってしまうこともあります。早めに自覚して、病院などで治療することが望ましいです。やる気の出ない対象が何かに限定される場合は健全な範囲ですが、無力感が生活の全体にわたる場合は学習性無力感の可能性が高いので要注意です。もしこの記事を読んで「なんだか自分にもあてはまるな…」と思われる場合は、一度心療内科や精神科を受診してみてはいかがでしょうか。以上で、今回の記事は終わりになります。
参考にしたもの
・「学習性無力感」wikipedia(2018年6月7日閲覧)
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