この記事は約 8 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
ヘルペス性歯肉口内炎とは、小さい子どもが単純にへルペスウイルスに初めて感染した時に、その中のおよそ5%に罹患する感染症です。高熱が4~5日続き、不機嫌になったり、口の中に口内炎が沢山できて、歯ぐきが赤く腫れてきます。
口の周りの皮膚に水ぶくれが生じることもあります。
歯磨きをするとヘルペス性歯肉口内炎でできた口内炎から出血します。
痛みは5~7日、症状全体は7日から14日続き、治癒します。
今回はヘルペス性歯肉口内炎の特徴、感染経路、診断基準、治療法、予防策などについて多角的に紹介します。
▽特徴
ヘルペス性歯肉口内炎の3つの特徴は、舌の口内炎、歯肉の発赤・腫れ、口唇の口内炎と発赤・腫れが見受けられることです。
初めてのヘルペス性歯肉口内炎の感染でこの3つの症状が現れるのは、10%前後とされていて、残りは不顕性感染と、無症状の状態です。
単純ヘルペスウイルス1型に感染して発症します。単純ヘルペスウイルス1型は、世界で50歳未満のおよそ7割が感染していると言われているウイルスです。潜伏期は2〜7日です。
好発年齢は、主にお母さんからの移行抗体が無くなる、生後6ヵ月から3歳までの小さい子どもに見受けられますが、近年では15歳くらいまでの大きな子どもにも稀に見受けられる様になりました。
口内炎での口の中の痛みが激痛なことから、よだれを飲み込めず一杯出てきたり、食事を食べれなくなる場合もあります。口から全く水分が摂取できない場合やぐったり、ぼんやりが強くなる場合は入院が必要です。
▽感染経路
唾液の接触感染や飛沫感染で、ヘルペス性歯肉口内炎に感染します。幼稚園や保育園でヘルペス性歯肉口内炎の友達や、家族の人の再発ヘルペスなどから単純ヘルペスウイルスを貰い、感染します。
新生児が母子感染(産道感染)する場合もあります。
単純ヘルペスウイルスは、近くにいるだけでは感染せず、単純ヘルペスウイルスを含んだ口唇病変や唾液への直接の接触など、濃厚な接触により伝染するウイルスとなります。ですが、伝染力は強いことから、子どもの集団生活ではコップやタオルなどを共有して使う機会が増えるため、ヘルペス性歯肉口内炎が移る機会はそれだけ多くなります。
また、口内炎や発熱、口の湿疹など明確な症状が出現していなくても、単純ヘルペスウイルスを持っている可能性もあって、時に商業施設内で流行ったり、家族同士で感染することもあります。
▽合併症
アトピー性皮膚炎の患者さんや湿疹症状が強く出ている場合には、カポジー水痘様発疹症という、全身に水ぶくれが多発する症状が現れることがあり、注意を払って下さい。
ヘルペス脳炎、ヘルペス性湿疹(全身型・部分型)などの発症は稀ですが、重症な合併症です。
▽診断基準
診断は、症状・経過より特徴的な口腔内の初見から、ヘルペス性歯肉口内炎だと行います。検査では発疹部位からの抗原検査などを実施する場合があります。
口内炎ができて、発熱する病気として、夏に流行るヘルパンギーナや手足口病などがあります。口内炎の出現の仕方がそれぞれ感染症で違いますが、初期にどれなのか判断が困難なこともあります。
▽治療法
単純ヘルペスウイルスのアシクロビルという特効薬や、口内炎の塗り薬が処方されますが、ある一定期間は、発熱や口の痛みは続きます。高熱も出るので、解熱鎮痛剤やビタミン剤なども処方されます。もしくは入院して点滴治療を施します。
高熱が続く場合では、熱冷ましシートを適度に使用し、お子さんが過ごしやすく、療養できる様にして下さい。また、身体を冷やすなら大きい血管が皮膚の近くにある場所など両脇の下や足のつけ根・首が効果的な部位です。
口内炎で痛みが強く、食べ物を食べられないことが多いので、可能な限り刺激の少ない水分を十分に摂取しましょう。食べ物を食べなくても水分をしっかり摂取できていれば安心できます。
療養中は飲みやすく、口当たりの良いものを食べさせましょう。乳酸菌飲料やオレンジジュースなどのジュース類などのすっぱいものは、口内炎にしみるので、痛みを増幅することがあるので控えて、食べさせない方が無難な行動です。牛乳、薄めのポタージュスープや味噌汁、麦茶、経口補水液などが好ましいでしょう。
口の中が口内炎で痛みが強い場合には、酸味や塩味の強いもの、辛いもの、熱いもの、かたいものは控えて、口内炎にしみないものを選びましょう。ゼリーや冷ましたおじや、プリン、豆腐、アイスクリーム、ヨーグルトなどが好ましいでしょう。少量頻回に食べさせるのも1つのやり方です。
▽予防策
単純ヘルペスウイルスは一般的には1週間、時には数週間後に身体外に排出されることもあります。再燃の可能性は3~4日後だとされています。
・ヘルペス性歯肉口内炎の感染を防ぐために手洗いを行い、食器やタオルなども家族間での共有を止めて、別に分けましょう。
唾液には、たくさんの単純ヘルペスウイルスが生きています。水ぶくれを触った手で身体の他の部分を触ったり、口の中に指を入れたりすると、そこにさらに単純ウイルスが病変を生成します。舐めたり口に入れたりするおもちゃを媒介にして、ヘルペス性歯肉口内炎に感染する場合もあるので注意しておいて下さい。感染している子どもに接触した時にはよく手を流水で洗います。
・歯ぐきの発赤・腫れが酷く高熱が出ている時は、単純ヘルペスウイルスの活動が非常に活発で周りの人に伝染しやすいので家族内でも注意が必要です。熱が下がり見た目は元気そうにしていても歯肉の症状が残っている時は、感染したお子さんの抵抗力はかなり落ちていて、単純ヘルペスウイルスの伝染力も残っていますので、外出は体調が良くなってしまうまでは控えて下さい。
・入浴は、元気がない時や高い熱がある時以外は、入浴しても大丈夫です。
・とにかくヘルペス性歯肉口内炎による口内炎が激痛なので、歯みがきは、歯の炎症が落ち着くまで中止して下さい。どうしても歯みがきをする場合は、ガーゼや柔らかい歯ブラシで歯茎に当たらない様に歯磨きをし、うがいを頻繁にして口の中の清潔さを維持しましょう。うがいの出来ない小さいお子さんなら、お茶や水を飲ませて少しでも口の中を清潔にしましょう。
▽登園・登校の目安
身体から完全に単純ヘルペスウイルスは排出されませんが、初期の高熱、口内炎が強い時期は単純ヘルペスウイルスの身体外への排出が多く、隔離が必要です。よだれなどで伝染することから、元気があっても、歯ぐきの腫れや口の中の口内炎が完治して、熱も下がり、口から食べられる様になると登園・登校ができます。
参考サイト
- 高い熱が3日以上続く時
- 口の中の口内炎が痛くて、水分がしっかりと摂取できない時
- 元気もなく、ぐったりしている状態の時
この単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると生涯神経節に潜伏し続け、身体の免疫力が低下した状態になると再発します。大人になって風邪などを引いて、体調の変化によって単純ヘルペスウイルスが活性化され、抵抗力が低下したり、体調不良の時に何度も繰り返して現れ、口の周りに水ぶくれなどができて、痛みを伴うものが口唇ヘルペスとなります。
私はよく頬を食事中、不意に噛んで傷にしたり、体調や栄養のバランスの崩れによって口内炎ができます。この場合はアフタ性口内炎と呼ばれる口内炎に変化したりします。
母は私が大学時代、精神的に参っていました。
行っていた仕事先で、「辞めて下さい」と退職を余儀なくされたこと。
実は私は大学の寮時代、外泊届けを寮母に出したくない、でも寮には居たくないと、朝4時に起きて、朝5時のバスで実家に戻れるバスに乗って、朝から夜まで家にいて、その後遅くならない内に、寮に戻るという行動を非常に多くしていました。
大学が休みの日は、天気が良ければ、よくそうやって実家に戻っていました。
実家に帰って、ゆったりして、帰る間際、泣き続ける私を見て、それで仕事の退職のことも重なり、凄く体調が悪くて、母は口唇ヘルペスではないらしいですが、ストレスで口に近い顎の付近に、ヘルペスができてしまったそうです。
母は暫く痛みがあって、病院には行かず、市販の薬を塗って、1ヵ月後徐々に治りましたが、その時のヘルペスの痕が今も顎にあるそうです。
母も過度なストレスがかかり、免疫力が低下し、単純ヘルペスウイルスに感染したかもしれませんね。
このヘルペス性歯肉口内炎も小さいお子さんが感染したら大変な感染症ですが、不顕性感染と無症状で終わることもあって、早い段階で治りやすい感染症で安心しました。
本当に子どもの感染症は様々だなと思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す