【体験談】入院中、私を救ってくれたのはラップだった〜障がいを抱えながら、魂を歌う人たち〜

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こんにちは、どうも、ゆたです。

今まで何度か体験談と表し、計3回、入院した時の話をしてきましたが、今回は3回目のお話です。

一回目、二回目は中学生でしたが、三回目は大学生の時でした。

この頃になると、子どもの枠ではなくなり、大人と行動することも多くなりました。

その中でも個人的に『兄貴』のように慕っていた先輩がいました。

当時、私は20歳になりたてで、彼が23歳でした。今まで年上と絡むことは少なかったのですが、彼は本当に私に色んなことを教えてくれました。

彼ーーRくんは私の入院生活を本当に楽しませてくれました。

バスケをしたり、散歩したり、慣れないタバコを吸ったり。

Rくんとの日々は本当に楽しいものでした。

その中でも特にハマっていた遊びが、ラップごっこです。

スマホは持ち込み禁止だったので、WALKMANという音楽を聴く機械を専用のスピーカーに差し、迷惑にならなそうな場所を探して、ラップをしていました。

その時のお話をしようと思います。

最初にハマったきっかけ。

高校生の頃、友人との間で「高校生ラップ選手権」というものが流行っていました。

ちょっとやんちゃなクラスメイトがふざけて真似事をしていました。

当時の私は「何がおもろいんだ?」と思い、ボーと眺めていましたが、大学生のある日、とあるラッパーを知りました。

それが高校生ラップ選手権にも出場していたGOMESSさんです。

彼の「人間失格」という楽曲にどハマりして、そこからラッパーたちの曲を聴くようになりました。

そんなある日、体調を崩し、再び精神病棟に入院。そこでRくんと出会います。

「え、ラップ、好きなん? 俺も好きよ!」

そういって嬉しそうに話すRくん。彼は自分のWALKMANに入った色んな曲と共に高校生ラップ選手権の映像も見せてくれました。

耳心地の良いかっこいい音楽に即興で言葉を吐き出してく高校生たちをみて、私は物凄く感動しました!

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、Rくんは「よし、サイファーしよう!」と外に連れ出しました。

そして、音学を流し始めました。その音楽はラップ用語でビートと言います。歌詞はなく一定のリズムで繰り返し音が鳴ります。

そしてRくんがラップを披露してくれました。

そして、お前の番だ! と言われ、いきなり私の番が回ってきました。

とりあえず、リズムに乗りながら、適当に言葉を言っていきますが、まぁ、ひどいもんでした笑

こういったビートに乗りながら即興でお互いにラップをしていくことをフリースタイルといって、これがもし、観客がいて、勝敗がつく場合はMCバトルになります。

もちろん、当時はバトルと呼べるほどのものではなく、ただただお喋りのような状態でしたが、時間が経つと、韻(ライム)とかフロウ、バイブスといったラップ特有の動きができるようになりました。

詳しく知りたい方は検索で『MCバトル』などで調べれば無数の動画がヒットします。

用語を知りたい方はこちらがわかりやすいかなと思います。

参考:【初級編】ラップバトルでよく使われるヒップホップ用語の意味と使い方

このようにRくんとラップバトルをしながら苦しい入院生活を乗り越えていました。

障がい者でもラッパーに? 逆境を力に変えるラッパー2選。

ラッパー

ここからは私が個人的にお気に入りのラッパーの中でも自分は障がい者であると公表して、ステージで戦っている二人を紹介します。

まず一人目は先ほども紹介しました、『GOMESS』さんです。

彼は自閉症であることを公言し、ラッパーとして第一線で戦い続けています。

彼は韻を踏むことにこだわるタイプというわけではありませんが、流れるような滑らかなフロウと相手に訴えかけるような言葉の数々で、毎度アツい試合を見せてくれます。

伝えたい、相手と対話したい、その思いが溢れていて、物凄くかっこいいです。

第二回のBAZOOKA!!! 高校生RAP選手権では準優勝を果たしております!

ですが、彼の魅力はMCバトルだけではありません。

それは楽曲です。

その中には自分の経験とそこから思ったこと、感じたことを凝縮したような言葉に障がい者である私は何度も助けられました。

もちろん、病名も状況も、全て一緒なわけではありませんが、ただ、自然と涙が出てくるような、そして、君も生きてていいんだよ、そう思わせてくれるような歌声と言葉です。

何曲か、公式でyoutubeの方にも上がっていますので、是非、聞いてください!

おすすめはこちらです。

二人目は『達磨』です。

この方を知ったのは第13回のBAZOOKA!!! 高校生RAP選手権です。

この高校生ラップ選手権では試合の前に紹介VTRが流れるのですが、そこで既に自分の症状を話しています。

達磨さんは『か行』が話しづらく、今でもその症状は続いています。

ですが、不思議なことにラップをしていると吃音が出なくなり、たくさんの言葉をリズムに乗せて吐いていきます。

私の友人も吃音症で悩んでいる人がいて、達磨さんを紹介しました。

その友人も格好いいね、といっていました。

何より、YouTubeにも上がっている「音文」という楽曲が物凄くかっこいいです。

一番印象的なところは、なんといっても、声を張り上げて歌うこの部分。

「幸せを沢山、抱えた奴が、人の不幸を、鼻で笑うな」

ここからの感情剥き出しのがなり声と彼が今まで吃音症でどれだけ辛かったか、それが凄く伝わります。

とにもかくにも、上のURLから是非、一度確認してみてください。

終わりに。

自分は舞台に上がれるほどの度胸はないですが、彼らのように障がいを武器に音楽をしている人の姿に感動し、魅了されます。

そして、そんな世界を教えてくれたRくんにも感謝します。

皆さんも興味を持ってくれたら嬉しいです!

今回はここまで。

以上、ゆたでした。

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