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こんにちは、金次郎です。
「ストライキ」とは、その会社で働いている労働者が、会社へ要求を通すために、管理職を除く社員全員で労働を拒否することにより、雇用主に対して経済的圧力をかける行為です。
今年ですと、8月に東京のデパート「西武百貨店池袋本店」が百貨店業界では61年ぶりのストライキをおこないました。
これは親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)が、業績低迷を理由に、アメリカの投資ファンドに百貨店部門の売却を決定したことで労働組合が「百貨店としての事業継続が危うい」と反発したからです。
更に11月には、テレビ局の「テレビ山口」が「この物価高のおりに、冬のボーナス引き下げ要求には応じられない」と、ストライキに入りました。
これにより、取材やアナウンス業務に管理職やアナウンサー以外の職種の社員が当たっていましたが、夕方のニュース番組を休止するなど放送に影響が出ました。
「ストライキ」の始まり
「ストライキ」は英語の「Strike」に由来する外来語です。
18世紀のイギリスで、数千人の船員が帆を畳んでしまうことで商船の航行を妨げて、労働を拒否した事件がありました。
この事件を契機に、帆を畳むことを意味する「Strike the sails」と言う言葉の、「Strike」が集団での労働拒否を意味する言葉になりまして、現在でも使われています。
日本も、昔はたくさん起こった「ストライキ」
私が子供の頃は、国鉄(現:JR)をはじめ鉄道会社のストライキが良く有りまして、社会人や学生の方の通勤・通学ができなくなり、駅周辺が混乱している様子がテレビで報道されていました。
一番激しかったストライキと言えば、1969年から70年にかけて、福岡の三池炭鉱の炭鉱労働者によって行われた「三池争議」でしょう。
会社は、職場労働活動家を含む1200人以上を指名解雇して、炭鉱を閉鎖します。
これに抗議して、三池炭鉱の労働組合は無期限全面ストに突入します。
ストをやめさせる為に来た警官隊との衝突や殺人事件まで起きました。
でも、最近は交通機関をはじめ会社がストライキをしたと言う話しはあまり聞きません。
それもそのはず
・1974年には、半日以上のストライキを含めて5000件以上も有った「ストライキ」。
・2021年は、32件しか起こって無いのです。
これは、
・労使協議の定着
・従業員の高学歴化
・待遇への満足度の向上
・迷惑意識や違和感
・非正規雇用者の増加
など、労働環境が改善された一方で、働いている会社の組合員でない非正規雇用の人が多くなった事が理由としてあげられます。
労働者が「ストライキ」をする権利は、憲法で保障されています
労働者が「ストライキ」を行える権利は、「憲法28条」で保障されている労働三権の一つです。
さらに憲法上の権利を確認するかたちで、労働組合法1条2項で「ストライキ」に対して刑事責任の免除を与え、同法8条で民事責任の免除を与えています。
ですので、正当な手順で「ストライキ」を行っている限り、労働者が逮捕されたり刑事訴訟を起こされたりする事は無く、損害賠償義務を負ったりすることもありません。
「ストライキ」に入る手順は
1・先ずは、労働者に労働条件に対する不満が生じる事が発端です。
2・労働組合が、その不満を吸い上げ、企業に団体交渉を申し入れ、労働条件改善などの要請を
します。
3・交渉の結果が不調に終わった時、労働組合が検討するのがストライキの実施です。
4・ストライキの実施は組合員への投票結果で決定され、組合員が集団的に労働を停止すること
でストライキが始まります。
ただし、この「ストライキ」の権利は、日本の公務員には認められていません。
それは国家公務員法と地方公務員法が禁止しているからです。
「上記、憲法28条は公務員には適用されないの?」
と疑問に思いますが、憲法では別の条文で財政民主主義を定めており、国民が公務員の労働条件を決定する権利を持っているのです。
よって、公務員がストライキをするのは妥当でないと言う考えからです。
終わりに
テレビニュースで「テレビ山口の従業員がスト」と言うのを見ました。
ニュースの中で、「取材やアナウンス業務などを管理職が代わりに担当して行っているが、夕方のニュース番組を一部休止するなど、放送に影響が出ました。」と言うのを聞いて「そりゃ管理職など現場を離れた人に、いきなり現場に戻れと言われても無理だよなぁ〜」なんて思いながら見ていました。
そう言う、私は新卒の会社を含めて、今までの職場でストライキの経験が有りません。
1980年代後半は、既にストライキをしない社会になっていました。
ですから、いま仮に労働組合の有る会社に採用されて「ストライキをするぞ」と言われても「何をすれば良いのですか?」と、へんてこな質問をするかも知れません。
参考:(読売新聞)61年ぶり大手百貨店でスト「日本でびっくり」「雇用確保してあげて」
参考:(毎日新聞)テレビ山口で48時間スト 冬のボーナス減に納得せず 番組一部休止
参考:(Money Forward)ストライキとは?意味や仕組み、企業の賃金対応や防止策について簡単に解説
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記事を読ませていただきました。ストライキをしなくてはならない時があるようです。働いている人たちによってはさまざまな理由があり、改善策を求めているかもしれませんね
。次の記事を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
記事にも書いている様に、私は今までの勤務先ではストライキの経験が全く有りません。
ストライキと言うと、国鉄のイメージだけですね。
百貨店(デパート)も、今は格安店に押されて大変みたいなのは感じています。