晩期合併症。小児がんが治ったのに…。不妊などの後遺症に陥る元当事者の苦しみ。 

晩期合併症

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

一般的に、辛い経験を乗り越え、それを発信している人を⚪︎⚪︎サバイバーと呼ばれています。この記事で紹介したいのは、小児がんサバイバーの方です。

そんな小児がんサバイバーですが、実は小児がんが完治したのに、ある悩みで苦しんでいる人が多いことが分かりました。

それは、晩期合併症です。

晩期合併症とは、小児がんの治療が終えて数ヵ月から数年後に、がんそのものからの影響や放射線治療、抗がん剤といった薬物療法など治療の影響から、心機能や肝機能などの臓器障害や不妊、低身長、学習や仕事に支障が出る認知機能障害など症状は個人差があって、発症する合併症のことを指します。 

治療後、数十年たってから様々な後遺症を発症する事例も見受けられます。合併症に関連する日本での正確なデータは乏しいといいます。小児がんの治療を終えた後も、個別の状況に適用させて、長期の経過観察(フォローアップ)を行っていく必要もあります。

晩期合併症は、がんの種類、発症の部位や年齢、治療法の種類や程度によって多種多様で、身体的な症状や二次がんの発症以外にも、精神的・社会的な問題なども含まれています。

今回は晩期合併症で苦しむ当事者の記事を紹介しながら、この問題を考えていきます。

晩期合併症で苦しむ当事者の女性の話。

小児がんの治療を終了した後で、別の障害や病気を発症する「晩期合併症」に苦しむ患者さんへのサポートが大きな課題となっています。

医療技術が進歩したことで小児がんは完治する病になってきている反面、抗がん剤治療などの影響を受け、心機能の異常や不妊、成長障害など色んな症状に苦しむ人が少なくなく、当事者からは「小児がんを克服した後も、闘病を続けている人が多いことへの配慮と理解が拡大して欲しい」との声を上げています。

「晩期合併症」の予防や適切な診療が可能な環境整備をサポートしようと、東京都にある国立成育医療研究センターは2023年度にも、新しい研究を開始する方針でいます。

小児がんは完治しても、生きづらさは消えることはありません」。

小さい頃に「急性リンパ性白血病」を発症した福岡県筑前町に住む女性はこう打ち明けました。小児がんの治療を終了したはずなのに、次々と現れてくる症状―。自分の病気のことをもっと理解したいと、担当医に聞き取った情報をノートで精査して、今までに50ページ超を書き込みました。

小児がんは、身体が大人へと成長する過程に抗がん剤や放射線の治療を受けたことで、数ヵ月や数年といった長い時間が経過した後、色んな症状が現れるケースがあります。

女性が急性リンパ性白血病と診断を受けたのは、4歳の時でした。治療で急性リンパ性白血病の症状は落ち着きましたが、7歳の時に血液が作れなくなる「骨髄異形成症候群」を発症し、お姉さんから骨髄移植を受けました。それから10年後、高校生になっても生理が来ないことで、卵巣の働きが低下し、子宮の成長が遅れていることが分かりました。

女性は当時17歳だったといいます。治療を試みましたが、20代に入ると肝臓腫瘍や肝機能障害が発見され、子宮の治療を続けられなくなりました。後に医師から子どもを持つことは極めて困難だと伝えられ、「腹は括っていましたが、悔しさで涙がこぼれました」。

仕事をする面でも大きな負担がありました。専門学校を卒業した後、長年の夢だった介護の道へと進みましたが、体力的な面などで周りの人と同じ仕事量をこなせず、傷付く言葉をぶつけられることもありました。何度か職場を転々としましたが、通院に伴う勤務配慮を受けることが困難なこともあって、仕事が続きませんでした。

女性は「合併症は見た目では分かりづらく、『晩期合併症』はほとんど知られていないことで、理解を得ることが難しいです」と述べます。

小さい頃、共に小児がんを闘病していた友人を亡くした経験もあります。周りの人たちからは「生きていただけで良かったんだよ」と声をかけられるといいます。命があることへの感謝は尽きないといいますが、将来の生活や医療費の心配を考えると、「小児がんを発症しなければ、どういう人生だったんだろうと考え込むこともあります」と複雑な思いを吐露しました。

参考:小児がん治った後に不妊「悔しさこみ上げた」…「晩期合併症」で消えない生きづらさ 読売新聞(2023年)

東京都にある日本希少がん患者会ネットワークが2022年に行ったアンケート調査によりますと、小児がんの当事者やその家族らおよそ200人のうち「晩期合併症で専門的なサポートを必要だ」との回答がおよそ6割を超え、半数以上が晩期合併症に苦しんでいる現状が浮かび上がりました。3割強が妊娠や生殖機能への影響に関連するサポートを求めており、およそ7割が小児がんを完治してもその後の通院を負担に感じていることも判明しました。

日本希少がん患者会ネットワークの馬上祐子理事は「『晩期合併症』はまだ分からないことも多く、不安を抱える当事者やそのご家族が多いです。医療を向上させる以外にも、『晩期合併症』を発症しても生活の質を上げるための対応や周りの人の理解が望まれています」と語ります。

この様な晩期合併症の実情を受け、国立成育医療研究センターは、小児がんを経験した人の晩期合併症に関連するデータを一括にまとめ、生活の質を上げることに役立てる研究を開始したい方針でいます。

同意を得た当事者に関する、治療記録や、経過観察で分かった合併症などをデータベースに登録していき、健康維持のために必要なルーティンを学習し、晩期合併症を防げる環境を整備する狙いで、将来的には、適切な検査法や治療法をまとめた指針の策定も掲げています。

国立成育医療研究センターの松本公一・小児がんセンター長は「小児がん治療を終了した後の当事者の方の自立や長い人生を共にサポートできる体制を整えていきたいです」と説明しました。

その後、

2024年6月、「晩期合併症」の実態の一端が判明しました。小児がん経験者を対象にした日本初の大規模調査が実施され、その結果が明らかになりました。

大規模調査を実施したのは名古屋大学の片岡伸介医師などの研究チームです。1990年から2017年までの間に日本で小児がんと診断された人、約1万7000人の医療情報を調査しました。

すると、約6割もの小児がん経験者が「晩期合併症」を罹患していたことが判明しました。かつ、約3割の人は複数の症状が出現していることも判明しました。

「晩期合併症」を罹患した割合をがんの種類別に見てみると、白血病などの「血液腫瘍」で約5割、骨肉腫や神経芽腫などの「固形腫瘍」で約7割、脳腫瘍などの「脳脊髄腫瘍」の治療を受けた人で最も高く約8割に達していました。

症状も多種多様でした。複数回答で具体的な症状を見てみると

主な症状

▽骨や筋肉の発達に影響が出現するなどの「筋骨格系障害」が10.7%

▽認知機能の障害によって就業や学業に影響が出現するなどの「神経心理学的障害」が14.2%

▽ホルモンの分泌異常などの「内分泌代謝障害」が24%

となっている以外にも、聴力の低下消化器への影響生殖機能など、多岐に渡ることも明らかになりました。

参考:WEB特集|治療後に新たな苦しみと不安が NHK(2024年)

ツラい。

私は2022年から[レモネードスタンド活動]や[ゴールドリボンナイター]から始まり、その後も様々な小児がんに関する記事を書いてきました。これから掲載されるものもありますし、まだ書いていませんが、今後も書いていきたい小児がんに関する記事もあります。

がんは抗がん剤や放射線治療をし、後遺症では髪が脱毛するのが一般的です。治療は大変ですが、それでも再発期間を乗り越えて、今は元気に暮らしている方を私は親族などを通して観ています。

子どもというものは大人になるために、色んな身体の部分に変化が現れ、その後身体が大人になっていきます。大人になるための様々な過程を踏んでいってから大人になるわけですが、小児がんを発症したことで、大人になるための過程が時に悪さをします。

小児がんを克服するだけでも大変なことなのに、それが大人になっても様々な後遺症が残ることは、あまりに不条理だと思います。

晩期合併症は、小児がんを克服してから、やってみたかった経験を得ることさえも、狂わしてしまうものだと思います。

色んな病気などに言えることですが、国にはそういう人たちを世の中から取り残さないためにも、早期の救済が求められますねー。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。