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皆さんこんにちは。Pinkです。いつものようにForbes JAPANの記事を読んでいると、またまた見慣れない言葉が目に止まりました。「シェアレンティング」です。一体どういったものなのでしょうか。
今回は「シェアレンティング」について書きたいと思います。
シェアレンティングとは
「シェアレンティング」とは、親が自分の子供の情報や、写真をネット上に投稿することを言います。「ソーシャルメディア」が社会に与える影響とはどれ程のものなのかと考えます。
「ソーシャルメディア」の形態としては、SNS、電子掲示板、ブログ、投稿サイト、情報共有サイトなど、様々なものがあると思いますが、あまりにも身近である為、そこにある危険性に気付いていないように私は感じます。
社会に与える影響、特に立場が弱く傷つきやすい子供や、青少年にどのような影響をもたらすかについては、科学的な見方から明らかにする取り組みが続けられているとのことです。
また、2022年に掲載された学術誌「国際環境研究公衆衛生ジャーナル」の批評では、子供や青少年の利用に関する研究68件以上を抜粋し、未成年による無制限のSNS利用には以下のような大きな危険性があることを明らかにしています。
① うつ
② 食生活に関する問題
③ 心理的問題
④ 睡眠障害
⑤ 依存症
⑥ 身体活動の低下
⑦ オンライングルーミング・性犯罪被害
これを見てみると、「ソーシャルメディア」が子供に悪い影響を及ぼす見込みがあることは明らかであり、子供がしっかりと責任を持って利用することが出来ない場合は、その危険性が高まります。
しかし、もしSNSへの投稿を決めたのが子供本人ではなく、親が子供の個人情報をインターネット上で必要以上に明らかにし、周知する「シェアレンティング」だとするならば、子供達のプライバシーやアイデンティティーにどのような影響を与えるのでしょうか。
「英バークレイズ銀行」は2018年の報告書で、ミレニアル世代の親による「シェアレンティング」の結果、個人情報を悪用した詐欺で起こる年間の損害額が、2030年までに9億ドル(約1300億円)近くに増すと想定されているそうです。
オンラインで子供の生活を共有している親は、SNSでは誰もがやっているという「誤った安心感に騙される」ことが多いと指摘しています。
そのことによって、若い親の多くが、無意識的に子供に関する重要な情報をいくつも漏らしてしまい、それが悪用される危険性もあります。無害に見えるかもしれませんが、実を言うと危険な個人情報には以下のものがあります。
① フルネーム
② 年齢
③ 生年月日
④ 自宅の住所
⑤ 学校名
⑥ ペットの名前
⑦ 写真
シェアレンティングによる子供への影響
個人情報盗難のl危険性の他にも、「シェアレンティング」によって子供に以下の2つの精神衛生上の悪影響に至る恐れがあるとのことです。
⒈親子関係に亀裂が生じる場合がある
2019年に、学術誌「Children and Youth Services Review」に掲載された研究結果によると、思春期の子供の多くは「シェアレンティング」に反対していて、その目的が周囲から好印象だと感じた場合は特にその傾向が強かったとのことです。
研究では、「シェアレンティング」に対する青少年の一般的な意見は「恥ずかしい上に役に立たない」というものだと判明しました。ただし、親のきっかけが情報の保存だった場合は例外でした。
これまでの研究で、両親との関係及び子育ての形が、子供の全体的な「ウェルビーイング」(身体的・精神的・社会的な健康と幸福)にとっていかに重要かがわかって来ています。
「シェアレンティング」をしようとする親は、子供の生活を通じて自身の承認欲求を満たしたりするのではなく、子供の「ウェルビーイング」とプライバシーを優先すべきでは無いでしょうか。
オンラインでの共有、本人の同意の有無、子供自身の尊重について、開放的で誠実な意思疎通をとることで、より健康なデジタル習慣を育て、良い親子関係を保つことが出来ると思います。
⒉子供達同士の不健全な比較や不安の原因になる
2022年に学術誌「心理学ジャーナル」に掲載された研究論文では、インスタグラムを始終利用している多感な時期の子供には、不自然な形で仲間と自分を比べる傾向があり、それが感情の感受性に影響する可能性があることが示されました。
「シェアレンティング」においては、子供達がSNS上で存在感を見せつける為に、自ら計画したり戦略を練ったりすることはないかもしれませんが、それでも社会的比較の影響は様々な形で現れると考えられています。
例えば以下のような場合のことでは無いかと思います。
① 親は「いいね」を多く取り、沢山共有してもらいたい為に、子供を必要以上に追 い詰めてしまうかもしれない。
② 子供は、良い成果を出さなければいけないという重圧感を内面化し、常に「ソーシャルメディア」の評価基準を通じた評価を求めるようになるかもしれない。こ れは、子供の自己評価や自信に逆効果を及ぼす恐れがある。
③ 共有された他の子達の生活と比較されることで、自分はネット上の仲間より低レベルだと感じ、コンプレックスを抱いたり自我がゆがんだりしかねない。
最後に
「シェアレンティング」が生み出す影響に気を付けて、研究結果や専門家の情報データに基づく最新情報を知ることで、ミレニアル世代の親は、責任ある形で「シェアレンティング」を行えるのでは無いでしょうか。
子供のプライバシーを尊重し、「ウェルビーイング」を守り、ネット社会で子供が成長し活躍できるようなデジタル環境になればいいなと思います。
参考サイト:子供のプライバシーを無視、「シェアレンティング」が生む2つの …
noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!
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