壁は『トランプ大統領』銃規制を訴える高校生たち

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 2018年2月14日マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃乱射事件が起きたのを覚えているでしょうか?生徒14名、教師3名が死亡し17人が負傷しました。そのわずか2日後に髪をスキンヘッドにした女子高生エマ・ゴンザレスが涙を流しながら演説し、銃規制を訴える姿をTVニュースで拝見した方も多いかと思います。

 その3カ月後には、サンタフェ高校で銃乱射事件が起こり10人が死亡しました。2017年のデータですが346件もの銃乱射事件が起こっており、15590人が死亡しています。そのペースはほぼ毎日です。果たして銃規制の動きはどうなっているんでしょうか?探っていきたいと思います。

1.人口≒銃

 アメリカには約3億丁を越える銃があり、2018年のアメリカの総人口は3億2775万人ということは1人につき1丁持ってても、おかしくない数字です。非営利組織Gun Violence Archiveによると銃が絡む事件で毎年、約1万1000人が命を落とし、他の主要な死因よりも銃による死亡が1番多いみたいです。2010年に銃に起因する事故に対応するための医療費に投入された税金は、5億1600万ドル日本円に換算すると約566億円もの税金がかかっています。

 これだけの損失が出ているにも関わらずなぜ、銃は規制されないでしょうか?

2.防衛

 アメリカの領土は広く、人口に対して密度が高くない地域もあります。なので日本みたいに警察を呼んでからの到着が遅く、自己防衛のために自警する必要があり、そのためには必要不可欠という意見や、肉体的に優れた者から劣る者を暴力で支配することが多くなる。だが、銃を持てば対抗できる。といった意見も。

3.ブレイディ法

 決して規制する意見が弱いわけではなく、通った事例もあります。

 1981年3月30日ロナルド・レーガン大統領が銃撃される事件がありました。レーガン大統領は負傷しながらも、無事だったのですが報道官のジェイムズ・ブレイディは銃弾が頭部に命中し、一命は取り留めたもの左半身不随の障害を負う事に。

 事件後ブレイディは議員らに銃規制を働きかけ1994年にブレイディ法という、国民が銃を買う時に適性者か確認する法律を作りました。購入の際に5日間の待機を求め身元調査を行い、前科者や麻薬中毒者、精神疾患者や未成年者への販売を禁止に。しかし1998年には待機日数が1日以内の即時許可制に変わり、2004年には銃規制に消極的なブッシュ政権はNRA(全米ライフル協会)の申し出(憲法修正第2条、人民が武器を保蔵しまた携帯する権利は侵してはならない)のもとNRAの主張に沿い、延長できずに2005年には失効してしまいました。

4.NRA(全米ライフル協会)とは

 1871年に設立したNRAは当時、射撃技術の向上を目的とした団体でしたが今は銃を所持する権利を守る事を目的としています。『銃は人を殺さない、人が人を殺すのだ』というスローガンを元に圧力団体(政治上の目的を実現するために、政府や議会に働きかける集団)でその会員数は500万人以上という背景に、銃器メーカーや販売店などの法人会員から多額の資金を得て活動している。

 アメリカ最強ともいわれるその理由は豊富な資金と政治力です。

 NRAが2013年に得た総収入は3.5億ドル(約392億円)で銃器産業もそうですが会員の年会費と個人の寄付によって成り立っています。そのお金は一体どこへいくのかというと政治家への献金です。これは公式HPでも見れますが、銃への理解度ランキングというA+~Fの7段階に議員を当て込み格付けしています。A+は「憲法修正第2条の理念を広めるために活躍し、NRAを守るための法案にも対する投票でも文句なしの実績」で一方Fは逆で「銃を持っている人の真の敵」という烙印を押されます。

 500万人も会員がいるのでこのランキングは選挙に相当な影響が見られますし、A+の議員には献金も票数も集まるという事です。決してこれらの事は悪いワケではなく、団体が議員、政党を支持することは多いにあります。が、団体の不利になることを言えませんよね。現に大統領のトランプはNRAからの支持、献金(約12億以上)を受けていて、銃乱射事件が起こっても決して『銃規制』というワードは出さずに、精神疾患のケアや学校の警備強化などを問題定義して、銃は関係ないと主張しています。

 これらの事からNRAは非常に強力な団体で、銃規制派の高い壁となります。

5.高校生と国家

 冒頭にも触れたマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の銃乱射事件。痛ましい事件に闘う高校生たちのデモは、今までと違う動きを見せました。

 事件があった後テレビ局がすぐに高校生2人にインタビューをしました。デイビット・ホッグくんという男の子と冒頭でも紹介したエマ・ゴンザレスという女子高生がハッキリいいます。「こんなにひどいことが起こっているのは、政治家がNRAから金を受け取っていて、銃規制できないからだ! 恥を知れ!」と発信しました。

 これを機に全米から注目され、議会に銃規制強化を訴えるなどの行動しました。その行動に全米の若者達はSNSを使って#EnoughIsEnough(もう沢山だ)や#NeverAgain(二度と繰り返すな)などのハッシュタグを使って銃規制キャンペーンを呼びかけました。

 事件と高校生の行動をきっかけにアメリカの世論は銃規制に大きく関心を持ち、CNNというアメリカでは有名なニュースサイトに出て、議員とNRAの広報とストーマン・ダグラス高校の生徒と議論を交わしました。その内の1人マルコ・ルビオ議員は共和党の予備選でトランプと最後まで争っていた大統領候補なんですけど、この人に対し1人の高校生が「一言しかいうことはありません。

 NRAから金を二度と受け取らないと言ってくれますか?」それに対しルビオ議員は「いや、僕を支持してくれる人からは献金を受け取るよ。」としか言えず高校生は「ここでNOと言ってくれ!」と追い込むんですが、ルビオ議員は結局言えませんでした。

 その日、トランプ大統領もホワイトハウスに招き入れ遺族や生徒を招き入れ話を聞きました。そのうちの生徒1人が「僕が分からないのは事件があった次の日に僕は18歳になったんですが、一番の親友がもういないと朝一に知らされました。それなのにどうしてまだ、自分が店に行けば、戦争用の武器が買えてしまうのか分かりません」と悲痛な訴えを。

 しかしトランプの意見はこうでした。「学校の先生に銃を持たせます

 銃を携帯している先生が授業をする……考えただけで恐ろしいです。

6.銃>タバコ、お酒

 日本でいうところのイオンみたいな所をアメリカではウォルマートといい、そこで食材や嗜好品など様々な物が売っている中、合わせて銃も売っています。アメリカではタバコ、お酒は21歳以上から買えるのですが、何と銃は18歳から買えます。しかも3分ほどで。

 学校の銃乱射事件に限ってですが、そのほとんどがイジメなどの仕返しです。21歳まで引き上げられればそれだけでも、相当な防止策になるはずです。

 先ほどの、高校生たちのデモや訴えによってフロリダ州では、18歳→21歳に引き上げられたのですが、他の州では今だ18歳のままです。それでも1つの州を動かした高校生たちの力はすごい事です。

最後に

 銃乱射は学校に限らず映画館や地下鉄、公共の場で勃発し、数分で何十人と死んでしまいます。悲惨な事件に心身弱っているのに、一過性の事と終わらせずに、立ち上がり世論や国を動かした高校生たちは、英雄に僕は見えます。自分たちの現状に悲観するだけじゃく、行動に移すことの素晴らしさに感銘を受けました。

 しかし銃規制の壁は高いということを痛感しました。トランプ大統領とNRAという強力な組織のタッグの心を揺らす事は難しいかもしれません。が、行動や訴えで1つの州が変わったようにこれからも人の力を信じて、銃規制を見守っていきたいと思います。

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