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こんにちは、翼祈(たすき)です。
抗菌薬が効かなくなった「薬剤耐性菌(AMR)」が、世界中で猛威を振るっています。
コロナ禍での抗菌薬(抗生物質)の過剰投与や誤用が、別のパンデミックを悪化させるのではないかと公衆衛生の専門家が危惧しています。
薬剤耐性菌は、薬に抵抗力を持つ細菌の総称を指します。抗菌薬の過剰使用などが原因で出現し、従来の投薬では増殖が抑制できなくなっています。
結核菌などに関しては、複数の薬に耐性を持つ種類もあり、異なる既存薬の転用などの対策が喫緊の課題となっています。感染症を発症させる一因となる細菌は、真菌や細菌などの病原体が進化し、薬剤への耐性を獲得することで、薬剤耐性菌になると抗生物質が効かなくなります。
薬剤耐性菌の出現率は増加傾向で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌などのAMRが原因で世界では毎年75万人以上が薬剤耐性菌の感染症で亡くなっていて、2014年には、イギリス政府から「2050年までに、毎年1000万人が死亡するに達し、がんを上回るという報告もある」という衝撃的な推計も明らかにされました。
アメリカだけでも、毎年280万人以上が薬剤耐性菌に感染し、3万5000人以上が亡くなっています。
今回は薬剤耐性菌に関して、様々な角度から皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
薬剤耐性菌の国際臨床試験を開始
画像引用・参考:抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」が拡大!一人ひとりができることは? 政府広報オンライン
途上国をメーンに拡大する薬剤耐性菌の感染症に対しての新しい治療薬候補を探す国際臨床試験に、日本が参加することが発表されました。東京都にある国立国際医療研究センターと大阪府にある塩野義製薬が、2023年春以降に世界10ヵ国で実施される国際臨床試験に協力・参加し、塩野義製薬製の抗菌薬を赤ちゃんに投与して治療効果を確認します。
赤ちゃんの命を助ける治療の選択肢が増加し、世界的な課題である耐性菌の克服に貢献しようとしています。大腸菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの薬剤耐性菌による感染症被害は、アジアの途上国やアフリカをメーンに深刻な課題です。
特に重症化しやすい赤ちゃんは、世界で1年間に21万人を超える亡くなる人が出ているとするアメリカ・イギリスなどの研究チームの統計も出ています。衛生環境が悪い自宅や病院内で感染し、効果的な治療が行われないまま、炎症反応で臓器が正常に働かなくなる敗血症などで亡くなる事例が多いとされています。
WHOは2005年、敗血症の赤ちゃん向けの標準治療薬の指針を提示しました。ですが、敗血症に効かない耐性菌が出現していることで、新しい治療薬を発見する必要が出てきました。
国際臨床試験は、WHOなどが立ち上げ、日本・ドイツ・イギリスを含む世界20ヵ国以上の政府がサポートする本部がスイスにある国際研究機関「グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ( GARDP)」が主導を執ります。対象者は、家族の同意を得た敗血症の赤ちゃんおよそ3000人です。
国際臨床試験では、これまでの治療薬を使ったり、塩野義製薬の抗菌薬・フロモキセフなど候補となる既存の治療薬3種をかけ合わせて投与したりして患者を治療を行います。どのかけ合わせの投与で炎症を抑制するなどの効果があったかを治療した後で検証に入ります。
フロモキセフは1988年に販売が開始された抗菌薬ですが、事前調査データで有効性が確認が取れたことが評価されました。そして、販売実績が日本・中国・韓国や台湾に限られ、耐性菌が世界に拡大していない特長もあります。塩野義製薬はGARDPとの間で既に供給契約を締結しているとされます。
国際臨床試験は、まず薬剤耐性菌への緊急性が高いアフリカから行います。ケニアや南アフリカで2023年春から開始し、適切な抗菌薬の投与量などを確認します。安全性や有効性を確認した後で、2024年以降に対象国をアジアに拡げ、標準治療薬などと比較して亡くなる確率が低下したか否かをおよそ3年を要して調査します。薬剤耐性菌の症状の改善が確認できた場合、WHOに標準治療薬の更新を要請する予定です。
参考:「薬剤耐性菌」で年間21万人の赤ちゃん死亡、新薬の国際研究に塩野義など日本勢参加 読売新聞(2023年)
国立国際医療研究センターでは、アジア各国での国際臨床試験での治療の技術支援や薬剤管理を担います。対象国は、インドネシアやフィリピンなどが候補国となっています。
小児感染症に詳しい順天堂大学准教授の男性は「それまでは治療ができていた感染症も、医療環境の影響や薬剤耐性菌の出現で、完治しにくくなっています。国際臨床試験は、薬剤耐性菌に対する現状を改善する重要なプロジェクトの一環で、日本を含む国際協力でのサポートが必要不可欠な事案です」と説明します。
抗菌薬を人に勧めたい?勧めたくない?
長崎大学の助教の男性らは抗菌薬の使用に対する意識調査を国内外のおよそ4万人から回答を集め、その調査結果を公表しました。薬剤耐性菌の出現への危惧から、「自分は抗菌薬を使用したいけど、他人には抗菌剤の使用を控えて欲しい」というジレンマを抱える人が15~30%に達しました。抗菌薬を過剰使用することへの歯止めがかかりづらい背景の一端が表面化しました。
日本以外にもアメリカ、スウェーデン、イギリス、台湾、ブラジル、オーストラリア、ロシアのトータル4万1978人を対象にオンラインを活用して行いました。日本は新型コロナウイルス流行前の2020年1月と流行後の2020年7月、それ以外は2020年7月~2021年6月に意識調査を行いました。
国・地域による極端な相違は見受けられず、各国・地域の15~30%の回答者が「自分は抗菌薬を使うことを我慢しないけど、他人には抗菌剤を使うことを我慢して欲しい」と回答を寄せました。日本では全体のおよそ25%の人に該当します。一方、国・地域に関係なく回答者の約半数は「自分も他人も抗菌薬を使うことを控える必要はない」と個人の健康も尊重する中立の立場にありました。
参考:抗菌薬「使いたいが他人は控えてほしい」が25%、長崎大 日本経済新聞(2023年)
東北大の教授が薬剤耐性菌に効果のある研究を発表
東北大学の笠井均教授らの研究グループは、抗生物質が効かない薬剤耐性菌(AMR)に効果のある新薬の原料をつくる手法を開発した。既存の薬と異なる構造を持つ物質を起点にすることで、菌が耐性を持ちにくくなるという。
AMRに対応する新薬の開発が急務だが、既存の新薬開発では抗菌効果の確認ができている物質を中心に開発するため、早ければ2~3年で再び耐性ができてしまうのが難点だ。研究グループが注目したのは「ハイグロホロン」と呼ばれる物質で、既存の薬とは全く異なる骨格を持ち、菌が耐性を持つのに時間がかかると期待されている。ただ天然のハイグロホロンは乾燥させたキノコからわずかに採れるのみで、原料の確保が難しく化学合成する手法が検討されてきた。
研究グループは複数種類のハイグロホロンを合成しやすく、従来に比べて原料の開発期間を短くできる手法を開発した。3種類の薬候補となる物質を合成。実際に薬が効くかどうか調べると、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの「グラム陽性菌」と呼ばれる種類の耐性菌に対して有用だった。
私と痛み止め。
痛み止めにはお世話になっています。内科の通院の時に毎回処方して頂き、毎朝飲んでます。
私は20代の頃から膝痛を持っています。なぜなったか原因は分かりませんが、確か家の近くの道路で、自転車に乗る私が、何台も車を積んだトラックとぶつかった後からでしょうか?
それ以来特に雨の日は古傷的な感じで、痛みが増します。外出する時はサポーターは欠かせず、いつ頃からか病院で、「痛み止めを下さい」と言う様になりました。
私は膝痛を罹患してから、整形外科に2ヵ所行きましたが、電気治療も効果なく、レントゲンを撮っても、「膝の骨、キレイにしてますよ」とかしか言われず、原因は分からないままです。
膝痛とは別に最近の異常気象で、特に一般的にも言われる爆弾低気圧の日は、膝もですが、三半規管から来る耳の中の痛みと頭痛が、朝から酷い日が増え、痛み止めは尚更手放せません。
なので、私は薬剤耐性菌にかかったら、助からないと思います。今もコロナもありますし、GWには人がさらに動くので、基礎疾患もありますし、とても怖いです。
正直基礎疾患があるせいで外出をセーブしているのでストレスが溜まりますが、我慢しています。
この記事を書いている現在は在宅勤務ですが、この記事が上がる時は出勤に戻っています。出勤も本当に凄く怖いです…。
基礎疾患のある私にとって薬は命を繋ぐものであり、お守りみたいなものでもあります。痛み止めの飲み過ぎはいけないと分かっていながら、痛み止めの依存から抜け出せないループにいます…。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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