重度障害の国会議員当選から3年、障がい者の参政は何をもたらした?

重度障害者

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こんにちは、金次郎です。

 3年前に、障がいを持っている国会議員の記事を書きました。

障がい者が政治家になる意味とは?

 2人とも立って歩く事ができなくて、しかも1人は寝たきり状態ですので、国会に参加するにも介助者が付き添わないと参加できず、当選当初はマスコミも大きく取り上げていました。
 参議院では、2人の為に国会議事堂の改修工事を行いました。
 先ず階段式の玄関にスロープを設置して大型電動車イスでも登院できる様にし、議場の椅子も撤去して介護ベットが入れるスペースを作りました。
 また参議院議員の規則も変更して、投票の際は介助者が同席して投票の手助けを行える様にしました。
 2人が当選した2019年時点での内閣府の調査によると、日本国内には963万人の障がい者がいます。

2人の略歴

 先ずは、船後靖彦さん(63歳)の略歴です。
 1957年岐阜県で生まれます。
 高校生の頃はバンドを組みエレキギターを弾いておりミュージシャンを目指しますが、左腕麻痺になり諦めて大学に入学します。
 大学卒業後は貿易会社に入社し、世界中を飛び回ります。
 しかし42歳の時に、手足や喉の筋肉がやせて力が無くなって行く「筋萎縮性側索硬化症(ASL)」と言う病気に罹り会社を退職し、その2年後には呼吸も困難になり人工呼吸器を装着します。
 54歳の時に訪問看護を通じて看護師の佐塚みさ子さんと知り合い、彼女が社長をする介護関連会社の副社長になります。
 2年後の56歳の時に千葉県松戸市の市議会議員選挙に出馬しますが落選してしまいます。
 その後、山本太郎氏が党首を勤める「れいわ新選組」から参議院選挙に立候補して当選し2019年より参議院議員になります。

 次に、木村英子さん(56歳)の略歴です。
 1965年神奈川県で生まれます。
 生後8ヶ月の時に歩行器ごと玄関から落ちて、頸椎を損傷し脳性麻痺になってしまいます。
 幼少期のほとんどを施設か養護学校で過ごします。
 19歳の時、家族による介護や施設での生活を拒否して自立生活を始めます。
 1994年東京都多摩市に「自立ステーションつばさ」を設立し、自立したいと望む障がい者の自立支援を助けたり、全国公的介護補償要求者組合の書記長をしたりします。
 また、居住地の多摩市障がい者基本計画等策定市民委員会委員や障害福祉計画策定市民委員会委員もしました。
 そして障がい者の置かれているこの国の環境を変えるべく、船後氏と同じく「れいわ新選組」から立候補して当選します。

山本党首は、何故2人を出馬させた? 

 さて、2人の所属する政党「れいわ新選組」
 ここの党首は、元:俳優で参議院議員も勤めた山本太郎氏です。
 前回の参議院選挙では比例区から出馬し自身は落選したものの、党からは上記の2人を特定枠で当選させました。
 山本氏によると「前々から特定枠で、重度障がい者の方に立候補して頂く事は考えていました。」との事です。
 「お二人にアプローチしたのは、船後さんは立候補届け出の1ヵ月前で、木村さんは前回の私の選挙を支援して下さったので、3年ほど前から立候補して欲しいと話していました。」と続けます。
 そして、重度障がい者を国会に送り込んだ事に対しては「極端に言ってしまえば、2人は国会の場にいてくれるだけで良いと思ってます。
 特に舩後さんの場合、言葉のやりとりは文字盤を使いますから、当然時間がかかります。 しかし、舩後さんが何を言いたいのか分かるまで、他の議員がじっと待つ事も、障がい者への合理的配慮に含まれると思います。
 それこそが、国会に重度障がい者が入るとことの意味なんです。」と語ります。

2人の政治活動実績

 船後さんは「障害の有無を問わず、誰もが幸せになれる社会をつくる」に基づき、教育や福祉の専門家の方々と意見を交わし、以下の法改正を進めています。

1・障害者基本法の改正
2・障害者虐待防止法の改正
3・障害者総合支援法の改正
4・障害者差別解消法の改正
 (4番目の障害者差別解消法は、2021年5月28日の参議院本会議で法改正案が可決され、努力義
  務だった障がい者への不利益禁止が義務へと変わります。
  施行日は公布から3年以内と定められ、政府が改めて日にちを設定します

 ・改正障害者差別解消法、成立。事業者に障害者インクルージョン義務。3年以内に施行https://sustainablejapan.jp/2021/05/30/japan-disabled-act/62362#:~:text=%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E3%81%AF5%E6%9C%8828,%E6%AD%A3%E6%B3%95%E3%81%A7%E7%BE%A9%E5%8B%99%E8%A6%8F%E5%AE%9A%E3%81%AB


 木村さんは「障がい者が、あたりまえに生きられる社会の実現」をテーマに

1・障がい者の人権を守る介護保障
2・安心した暮らしの実現
3・障害者権利条約を守り住みやすい街づくり
4・命の選別を許さない
5・子どもの頃から分けない教育

の5つ政策課題を上げ、国土交通委員会で以下の様な質問をしています。

1・「車いす利用者の踏切の安全対策」(18分11秒)
  https://www.youtube.com/watch?v=3iGxkSaRZd0&t=48s

2・「長期優良住宅にバリアフリーの視点を」(12分44秒)
  https://www.youtube.com/watch?v=xO8LrSXQsDw&t=1s

3・「ドローンを活用して障害者が社会参加するために」(15分10秒)
  https://www.youtube.com/watch?v=jb43QpZ4nKs&t=4s

4・「車いすのまま乗れる飛行機の実現」(12分52秒)
  https://www.youtube.com/watch?v=DCXcIsb7ucI&t=5s

終わりに

 先出しの、3年前に私が書いた記事にも、障がい者が国会議員になる事に否定的な意見が有る事を書きました。
 その記事で、私が若い頃に車イスに乗って議員活動し、郵政大臣まで勤めた八代栄太元議員を紹介しましたが、今回は更に重度の寝たきり状態の障がい者です。
 特に船後さんの場合、事前に予定していない発言の場合は、介助者が目の前にかざす文字盤を目の動きで文字を示しながら、言いたい事を伝え介助者が代理で発言します。
 これからは、国会での審議ペースも2人に合わせなければいけませんし、法案を無理やり通すと言う乱闘騒ぎになる様な強行採決も出来なくなるでしょう。
 健常者の理論だけでの政治や法案作成は、終わりを告げた感じです。
 お二人が、この国で障がい者がどれだけ生きやすくしてくれるか?
 これからも見守って行きたいと思います。

参考元

重度障害のれいわ2議員、車椅子で初登院 国会中央玄関にスロープ(BBC news JAPAN)
  https://www.bbc.com/japanese/49189803

舩後靖彦 Official Site
  https://yasuhiko-funago.jp/seisaku/

・参議院議員木村英子オフィシャルサイト
 https://eiko-kimura.jp/

・れいわ新選組
  https://reiwa-shinsengumi.com/  

・山本太郎語る「れいわ新選組が、重度障害者を国会に送り込んだ理由」
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66293?page=2

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