笑うと健康にいい!そのメカニズムとは? ~腹式呼吸が重要なカギ~

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みなさんは、朝のルーティンってありますか?

わたしは、仕事の前には必ず「よしもと新喜劇」を観ます。
役者さんがどんなキャラになって、どんな決め文句があるのか、どんな動きをするのか分かっているのに、なぜか毎回笑ってしまうんですよね。
それ以外にも、漫才やコントなども観ることが多いです。

もともとお笑い番組が好きということもありますが、朝イチで見るのはちょっと違うんですよね。
PCの前に座って見ていると、ぼんやり寝ぼけた頭がはっきりしてきて、少しテンションが上がった状態で仕事に取り組むことができています。

実際に、笑うことが脳を活性化させることは認められています。
笑うと腹式呼吸になり、通常の呼吸の3〜4倍の酸素を摂取するそうです。
大量の酸素が取り込まれ、細胞が活性化して働きが上昇します。

自分がやっていることは、理にかなったことでした。

笑うことが健康にいいことは有名

テレビなどを見ていると、笑うことは健康にいいということをよく耳にするかもしれません。

①感染症・がん予防

笑うと、身体に悪影響を及ぼす物質を攻撃してくれるリンパ球の一種の「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」の働きが活発になります。ナチュラルキラー細胞は、全身を巡回し、ウイルスなどの病原菌を見つけると攻撃を行う免疫細胞です。人間の体内には50億個ものナチュラルキラー細胞があり、活発に働くほど、感染症やがんにかかりにくいと言われています。

免疫のシステムは、脳の一部の「間脳」がコントロールしており、笑うと間脳に気持ちの高ぶりが伝わり、情報伝達物質の「神経ペプチド」が活発に生成されます。神経ペプチドは、神経細胞の興奮や抑制を他の細胞に伝える物質の総称で、血液やリンパ液を使って体内を巡り、ナチュラルキラー細胞の表面にくっついて活性化する働きがあるのです。

②血圧・血糖値を下げる

笑うという行為は、腹筋や横隔膜の筋肉を大きく使うことから、気付かないうちに「腹式呼吸」をしていることになります。腹式呼吸による深呼吸を繰り返すと、気管支の末端にある肺胞の表面から、プロスタグランジンⅠ2という物質が分泌されます。この物質は、血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。そのため、笑うという行為を繰り返すだけで、高血圧に対して効果を発揮したり、高血圧を予防することができると考えられています。

血糖値については、実験で、2型糖尿病を患っている人に漫才を見てもらい、血糖値の変化を調べたものがあります。被験者にはまず、食後に退屈な講義を聞いてもらい、そのときの血糖値を調べます。翌日は食後に漫才を視聴して、血糖値を調べます。この結果を比べたところ、漫才を聞いた日のほうが血糖値の上昇が大幅に抑えられていたことが確認できました。

③ストレス解消

笑いがもたらすメリットは、自律神経の面からも説明ができます。自律神経とは人間の体温や内臓の機能などを自動的に制御している神経で、このバランスが崩れると様々な不調があらわれます。自律神経のバランスを整えるために必要なのは、「血流をよくすること」。たくさんの細胞に新鮮な酸素と十分な栄養を与えることができれば、自律神経のバランスが整い、ストレスを感じにくくなります。

 

ちなみに…
人は怒りの感情をもつと、交感神経が過剰に高まり、血管が収縮します。
すると、血液の中の酸素を運ぶ赤血球や白血球、血小板などが壊れ、血がドロドロに!血流が悪くなってしまいます!!
年をとると怒りっぽくなるというのは、年齢を重ねることでリラックスモードの副交感神経が働きにくくなることも関連しているようですよ。

こんな意外な効果も…!?

笑うことは長期的に考えていいことずくめです。
しかし、実はすぐに効果的な効能があるのはご存じですか?

①痛みがひく?

笑うと、β-エンドルフィンという脳内物質の1種が分泌されます。脳内モルヒネとか脳内麻薬とも言われており、その効果はモルヒネの数倍とも言われています。とある実験では、鎮痛効果が3週間続いたリウマチ患者もいたのだとか…

②痩せる?

大笑いをして筋肉痛になった経験はありませんか?腹筋や横隔膜を激しく上下させるので、軽い筋肉運動よりも多くのカロリーを消費すると言われています。笑うことによって血行が促進されたり、酸素消費量が増えたりすることで、中性脂肪を燃焼させやすくなります。食欲を抑える効果もあるとか…

③胃もたれしない?

腹筋や横隔膜が動くと内臓のマッサージになり、胃腸の血流がアップします。副交感神経が優位になることで、胃酸や唾液の分泌量を増やします。副交感神経が優位になるということは、リラックス効果もあるのです!

④傷が治りやすい?

傷口がふさがるのは、傷ついた所にもしっかりと血液が巡るからです。笑うと血液の抹消循環がよくなるので、傷やケガの治りが早くなります。また、笑うことで免疫力が上がるので、自然治癒力がアップし、傷口の感染予防にも一役。

その他、肩こりが治ったり、冷え性が治ったりという効果もあるそうですよ!

参考:笑う門には福来る(^▽^) “笑い”のびっくりパワー|特集記事|元気通信|養命酒製造株式会社 (yomeishu.co.jp)

よしもと新喜劇の研究論文を発見!

冒頭に、わたしの一日の始まりはよしもと新喜劇だと述べましたが、そのよしもと新喜劇を真面目に考察した論文を見つけてしまいました!

わたしも、どうしていつも笑ってしまうんだろう、と思っていたのですが…

一見お決まりのパターンがあって、脚本作りが簡単そうに見えるが、そうではなく、世代の意識や起承転結の意識、初見のお客さんの期待に沿うように、でもマンネリ化は避ける、など色々なことを考えている新喜劇は奥深く、何度見ても面白いことに繋がると考えることができた。
引用:2014S22.pdf (otemae-hs.ed.jp)

とのことでした。

なるほど、納得…

 

つくり笑いでも効果あるの?

心理学者ウィリアム・ジェームズは「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」という言葉を残しています。

たとえ作り笑いであっても、ナチュラルキラー細胞が活性化したり、副交感神経が優位になったりすると言われており、本当に笑った時と同じ効果が期待できます。
特に、大きな声を出すと腹筋が動かされて腹式呼吸になるため、十分な運動効果が期待できます。
笑う気分になれない時は、作り笑いでもいいので口角を上げて笑ってみましょう。
笑顔を作るだけで気分も明るくなり、心と身体に良い影響をもたらしてくれますよ。

終わりに

いくら体に良いからといっても、意識して笑うのはなかなか難しいもの。
テレビのお笑い番組やコメディ映画を観るのも、限りがあります。

そこで、日頃から自分でおもしろい話を考えて周囲の人に話し、一緒に楽しむことも笑いのコツです。
そのためには常に「笑い」のネタ探しが必要なので、胸の内の不安や心配ごとより外の世界へと注意が向いてきます。
やがて人を笑わせることに快感まで覚えるようになれば、前向きな気持ち・喜びがさらに健康にプラス効果をもたらすでしょう。

つまり…自分の朝のひと笑いが、誰かをハッピーにしてくれているのかも…という、一石二鳥なのかもしれないのです!

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