子ども達を性暴力から守れ!クラウドファンディング実施。グルーミングに遭わない為には? 

性暴力 グルーミング

この記事は約 9 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

日本でもSNSを使ったオンライングルーミングが深刻化している状況にあります。加害者は、親切に振る舞って少しずつ子ども達の信頼を獲得した後で、子ども達へ性的な画像の送信を要求したり、会う約束を作って性的な行為に行ったりします。

今子ども達を性暴力から守ろうと、絵本を届けようとするクラウドファンディングが、大学生らによって行われています。今回は子ども達を性暴力から守る為、様々な視点から掘り下げていきたいと思います。

子ども達の性被害を防ぐ為に、大学生らが絵本発送のクラウドファンディングへ。

子ども達を性暴力から守りたいという思いから生まれた絵本を全国の児童養護施設に贈ろうと、大学生らが中心となりクラウドファンディングの賛同を呼びかけています。「より沢山の子ども達に、この絵本を読んで貰えたら」と気持ちを強くします。

この絵本は2021年東山書房から出版された『おしえて!くもくん〜プライベートゾーンってなあに?。親しみを感じるキャラクター達と読みやすいストーリーで、「水着を着用すれば隠れる場所」などを示す「プライベートゾーン」の理解を小さいお子さんでも持たせることが可能です。性暴力の被害者も加害者も生み出さない「予防教育」に結び付けたいと、群馬県警本部長の女性が携わりました。

絵本が出版された2021年、群馬県警本部長の女性は慶応大総合政策学部に教授として着任していて、「予防教育」の絵本に関して初めて触れた大学のゼミ生たちは、まだ幼い子ども達が性被害を受けているという現状がショックでした。

保護者と離れて生活する子ども達は性教育を学べるきっかけが限定的だと知り、クラウドファンディングを用いることで全国の児童養護施設にこの絵本を届けることをゼミ生の1人が思い付きました。このゼミ生に賛同した他のゼミ生や大学の卒業生の有志約10人が活動を始めました。

全国の児童養護施設に対してメールや電話でアポを取るなど約1年かけて準備を重ねてきました。全国にある245の児童養護施設の了承を頂き、この発送する分の絵本代や送料をクラウドファンディングで呼びかけます。

参考:「子どもを性暴力から守る」啓発絵本を全国の児童養護施設に届けたい 大学生らCFで経費募る 東京新聞(2022年)

参考サイト

クラウドファンディングの募集は2022年11月末までとなります。これから、乳児院などにこの絵本を届けることも目標としています。

文科省、学校の教員向けの子ども達の性暴力防止啓発の動画公開

子どもへの性暴力を防ごうと、文部科学省は小中高校などの教員向けに「 生命いのち の安全教育」の研修動画を公開した。

安全教育の教材では、注意すべき点を〈1〉幼児期〈2〉小学校低・中学年〈3〉高学年〈4〉中学〈5〉高校〈6〉大学や一般向け――と年齢層ごとに分ける。幼児期や小学校低・中学年では「体を触られるなどしたら大人に言う」といった対処法、中高生は「SNSやデートDVの危険性」などを教える。動画では、安全教育を行う際、クラスに性暴力被害者がいる可能性も想定し、可能であれば、授業への養護教諭の立ち会いなどの配慮も求めている。

引用:子どもへの性暴力防止へ、「生命の安全教育」指導法の動画公開…文科省が教員向けに 読売新聞(2022年)

子ども達をグルーミングから守る為にー。出来る対策は?

わいせつ行為を及ぶ為に子ども達を襲う「グルーミング」への危機感が強まっています。法務省の法制審議会においては、グルーミングに罰則規定を設置するかどうか議論を行いました。子ども達の信用や好意を獲得した後で性的欲求を満たしたいという卑劣なやり方はSNSでも拡大していて、どう子ども達を性暴力から守っていくかが喫緊の課題です。

グルーミングというやり方は性犯罪に発展する準備行為と称され、子ども達の罪悪感や羞恥心などにすり寄ってつけ込み、関係性を操ります。グルーミングとは英語ではgroomを表し、「手入れする」「仕込む」の意味があります。子ども達の顔見知りの人が加害者になるケースもあれば、SNSを使うことでのオンライングルーミングも増加傾向です。

性犯罪の被害者支援に携わる弁護士の男性によれば、グルーミングで最も多いケースは部活の先生や塾の講師から被害を受けるケースだといいます。加害者は目をつけた児童や生徒を大役に選出し、個人指導で2人きりの状況を発生させます。「技術や勉強が上達するために必要な手段だからね」と指導を装い、性的な行為に至ります。

現在の法律では、性的行為を受けた被害者が13歳以上のケースでは、加害者が保護者など監護者でない時は、暴行や脅迫を行われていなければ強制性交等罪などに問えないということです。性犯罪の被害者支援に携わる弁護士の男性は「グルーミングの加害者の心理は『みんなが当たり前なことだから』『元気が出るよ』などの語り口で性的行為に持ち込むケースがとても多くなる」と懸念します。

また社会心理学が専門の立正大の教授の男性によれば、グルーミングという行為は意思を思いのままに操る、いわばマインドコントロールの1つです。「監禁や拷問だけではなく、ごく身近な会話の中でグルーミングは行われる行為であることに注意を払わなければならない」と声を大にします。「近くにいる人から関係を遮断するのも加害者が行うごく身近な方法で「『自分以外の他の人の話は信じてはいけないからね』など、心配する保護者や友達の言葉を拒んで来たら警戒心を持って欲しい」と警鐘を鳴らします。

子ども自身が性的被害の発見に遅れるのもグルーミングの大きな特徴です。被害者心理学が専門の臨床心理士の准教授の男性によれば、「『信頼しているあの人が自分に悪い行為を及ぶわけがあるなんて思わない』と子ども達は誤解し、加害者も性的な欲求を抱くことは愛を与えることや普遍のことだと話す」と説明。子ども達が加害者に口封じされている事案もあって、保護者が被害の発見にはなかなか繋がらないことも大きいとされます。

画像引用・参考:子どもの性被害につながるグルーミングとは 罪悪感や羞恥心につけ込み支配 SNSで深刻化 東京すくすく(2022年)

SNS上で拡散された性的画像の削除などを行うデジタル性暴力の相談支援に対応するNPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)の理事長の女性の話では「加害者は若い人の心の内部や弱みにすり寄ってきます。自分が性暴力に巻き込まれるとは想像もしなかったとの相談者が大半を占めます」と懸念。

「SNS上では性的な要求を満たす為に話しかけ放題、グルーミングも野放しになっていることが現状です。加害者への罰則を強化しないことには被害者は減少には転じない」と早期の法整備の必要性を指摘します。

警察庁の統計によれば、SNSで性犯罪に巻き込まれた18歳未満の子ども達は2017年以降は毎年1800~2000人で推移しています。2021年は1812人が性犯罪に巻き込まれ、その中で36%が児童ポルノ関連を占めました。

SNS上で拡散された性的画像の削除などを行うデジタル性暴力の相談支援に対応するNPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)の理事長の女性によれば「これ以上被害者を作りたくないという気持ちが若年層は高い傾向です。親しくなった間柄の加害者に『みんな当たり前だよ』などと促されると拒めなくなる」ということです。

「親御さんがお子さんから性犯罪に遭ったことを話されたら、叱責しないで、大丈夫だからねと支えてあげることが大切な役目です。そうした後にサポートする団体や警察に相談に行って下さい」とお願いします。

関連記事

わいせつ目的隠し子供に接近、規制する法律なし…「グルーミング罪」新設案 読売新聞(2022年)

「かわいいね」甘い言葉で子ども手なずける「グルーミング」の実態 性被害、自身で分からず 交際と誤解も 神戸新聞NEXT(2023年)

私も怖いもの知らずなところがあった。

今はそういうことはしないのですが、20代の頃は知らない人と会っても不安感はありませんでした。例えばライブでグッズの列に並ぶ時にSNSで知り合った同じファンの人と一緒に並んだり、映画も試写状の交換同行で知らない人と試写会に入ったりしていました。

映画の試写会は夜からあることが多く、家を出る時母から、「今から行くの?映画の試写会?」「一緒に観る相手は本当に女性なの?男性が女性になりすましているだけじゃないの?」とずっと心配して言っていましたが、当時の私は「女性だよ、大丈夫だから」と煙たがり、そのまま映画の試写会に行っていました。

私が交換同行で行っていた時は掲示板で知り合い、幸い全員女性で、会場に入ると別々に座ったりしていました。あの当時は母の気持ちなんて微塵も分からなかったですが、今は「ネットでの繋がりが拡大している中で、知らない人に会うなんて凄く怖いな」と、あの時の母の心配する気持ちが痛い程分かる様になりました。

今一度も会った事ない人に会うのは、ハンドメイドのワークショップで商業施設に行き、講師の先生に会う位ですね。それ位、今は簡単に知らない他人同士が繋がれてしまう世の中が、今ではとても怖いです。

そういう繋がりがグルーミングということを初めて知りました。子ども達が加害者から何か晒されたりするのでは?と考えると、なかなか自分から被害に遭ったことを言えない状況に陥っていると思います。この記事ではそんな子ども達を無くしたいー、という強い思いで、様々な角度から掘り下げて来ました。少しでもこの記事がお役に立てたら、と願います。

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

性暴力 グルーミング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。