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こんにちは、金次郎です。
7月2日(土)朝起きて、タバコを吸いながら「今日の天気予報でも見るか?」と、携帯電話のネット機能ボタンを押したところ「接続できません」の文字が。
「あれっ?おかしいな?」と、ふと受信状態を示す画面右上の電波棒を見ると、赤でバツ印がついているのを発見。
「ん?電波を拾えて無い?なぜだ?」と思いながら、1回電源を落とし再起動させるとバツ印は消えて、ネット接続できました。
外出から帰宅してして、テレビニュースを見ているとKDDI(au)で大規模なシステム障害が起こっている事を報道していました。
朝の謎は解けましたが、過去にソフトバンクやNTTドコモが起こしたシステム障害の時とは違い、ここまで復旧に時間がかかるとは思いませんでした。
今回のシステム障害の原因
KDDIは、メンテナンス作業で通信中継器(ルーター)を新しい物に交換しましたが、エラーを知らせるアラーム(警報)が鳴ったので、15分後に元のルーターに戻しました。
しかし、その15分の間に音声通信(電話)が出来なくなったユーザーからの「再接続」を求めるアクセスが集中し、音声交換機がパンク状態になり通信しずらい状態になりました。
追い打ちをかける様に、交換機とデータベースの間でデータの不一致が大量発生してしまい、通信しずらい状態に拍車をかけてしまいました。
他の携帯電話会社でも、この様なシステム障害は近年立て続けに起きています。
・2018年12月 ソフトバンク 3060万件に影響 復旧まで 4時間30分
・2021年10月 NTTドコモ 1290万件に影響 復旧まで 29時間
個人だけでは無く、企業活動にも影響
今回のシステム障害では、個人だけではなく携帯電話を使って仕事をしている企業にも被害が及びました。
携帯電話の位置情報システムを使って荷物を届けている宅配便の会社では、位置情報システムが使えない為に荷物の届け先の位置が分からず、昔ながらの地図帳を使って住所を調べて届けるなどしたので、時間指定の荷物が時間までに届けられない事が多数発生したり、現在の配送状況が分からなくなってしました。
また、気象庁が国内1300ヶ所に配置している地域気象観測システム「アメダス」からの、観測地点の各種気象データが送られて来なくなったので、気象予報にも影響が出ました。
銀行ではATMが動かなくなったり、コンビニでのキャッシュレス決済が出来なくなったりしました。
一番の困りごとは、110番や119番などの緊急通報が出来なくなった事です。
消防庁は「他社の携帯電話を使うか公衆電話から119番通報するか、或いは近くの消防署に駆け込んで下さい」と呼びかけました。
公衆電話に俄然注目が集まるけど・・・使えますか?
消防庁が「公衆電話から」とアナウンスした公衆電話ですが、今はほとんど見かけませんよね。
私も、考えて見るに「住んでいる団地内の商店街に有ったのは無くなったし、最寄駅やスーパーにも痕跡(電話台)は有るけど電話機自体は無いな」と。
下記、記事によると北海道では、最盛期の1992年には3万3900台有った公衆電話も現在は5800台しか無いそうです。
携帯電話全盛の現代、記事内の若者みたいに、公衆電話の使い方を知らない(忘れた)方も多いのではないでしょうか。
(HBC 北海道放送)KDDI通信障害で、いざという時の「公衆電話」に注目が・・・でも今の若者使える?
あまり知られていない「災害用Wi-Fi」
さて、上のニュース記事内で公衆電話の使い方が分からない10代の話の下に20代会社員が
「Wi-Fi繋がるところに言って、ネットを繋いでと」言っている「Wi-Fi」。
あまり知られてはいませんが、豪雨や地震などの災害時に無料開放される
「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」と言うWi-Fiサービスがあります。
実際に、2020年の「令和2年7月豪雨」や9月の「台風10号」の際に、公衆無線LANサービスの「00000JAPAN」が無料開放されました。
使い方は「スマホやタブレットのWi-Fi機能をオンにし、Wi-Fiネットワークの選択画面から「00000JAPAN」を選択する」これだけで使えます。
災害用なので、面倒な設定やパスワードは要りません(災害が有った都道府県単位で使用可能エリアが設定され、また期間限定で使用可能なWi-Fiです)。
この「00000JAPAN」は、2011年の「東日本大震災」を機に検討され、2016年の熊本地震から運用が開始されました。
※「00000JAPAN」を使用する際に気をつけて欲しい事
・緊急用ですので情報収集のみにだけ使用し、個人情報の入力やお金が絡むサービスの
利用は避けて下さい。
それは、誰でも使える様に暗号化されていないWi-Fiですので
「誰でも盗聴できる」・「誰でも偽のアクセス ポイントを設定できる」からです。
・「00000JAPAN」を利用する時は、携帯電話各社のWi-Fiが表示されるか確認しましょう。
両方表示されれば、偽物の可能性は低いですが、携帯電話会社のWi-Fiが見つからない
場合は偽物の可能性があります。
災害の無い地域や場所で「00000JAPAN」が表示されたら間違いなく偽物です。
(@nifty IT小ネタ帳)災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」とは?使い方&注意点を解説
終わりに
今回のシステム障害は、3915万回線に影響し復旧するまでに96時間を要すると言う過去最大の障害となりました。
携帯電話の通話やデータ通信にとどまらず、自動車のカーナビや運輸、物流、金融、電力などあらゆる業界に影響し、生活インフラの混乱が長時間に及びました。
それは、現代の日本社会がいかにインターネットに依存しているかを、図らずも示す結果になりました。
技術は進歩する方向にしか進みませんので、今後も今以上にインターネットを活用する時代になるでしょう。
実用化を目指している自動運転の自動車などで通信が途絶えれば、死亡事故に繋がる事故も起きるかも知れません。
携帯電話各社には、障害が発生した場合には影響をどこまで小さくとどめる事ができるかが、今以上に求められる事でしょう。
参考
(時事通信)生活インフラ、長時間混乱 「IoT社会」弱点浮き彫り―KDDI通信障害
(デイリー新潮)「KDDI」通信障害は人災か? 「15分間の間隙」が生みだした重大事故と「400億円」個人補償の行方
(ITmedia NEWS)au通信障害、復旧を遅らせた「輻輳」って何?過去にはドコモも
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記事を読ませていただきました。
通信障害はいつ起きるかわからないから、不安をもちつつ必要なのかもしれませんね。
今回のことで、公衆電話のありがたさもわかってもらった感じました。
コメントありがとうございます。
現代人は、携帯電話やスマートフォンが当たり前で、頼り過ぎているかも知れませんね。
しかし、個人だけでなくあらゆる業界でネットを利用して経営している今。
いざという時の為の、バックアップ手段を用意しておく必要性をどの企業も多いに感じた事と思います。