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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2016年1月に交付されてから6年が経ったマイナンバーカード。国が掲げるより、普及がなかなかしないので、マイナポイントを付ける制度を設けたりと、交付率を上げたいところですが、それでもなかなか普及しません。
そんな中、国がマイナンバーカードを免許証と、保険証を同期させるシステムを立ち上げようとしています。保険証に関しては既に同期が始まっていますが、問題が生じている様です。
今回は国が立ち上げようとしているシステムと、その問題点について考えていきたいと思います。
マイナンバーカード×免許証。
警察庁は2021年12月23日、運転免許証に書かれた情報をマイナンバーカードに記録し同期する指針を発表しました。同期は希望者が対象。2024年度末の運用スタートしていく指針です。引越しした時、自治体に事前に同期した事を届ければ、警察での住所変更手続きが必要でなくなります。
警察庁によると、同期した後、利用者には免許証を持たずマイナンバーカードだけ持っていても大丈夫ですし、免許証とマイナンバーカード両方を所持することも可能です。ただし運転時は、どちらかを携帯する必要があります。
免許証と異なり、マイナンバーカードの表側に運転免許証記載の有効期限などの免許情報は書かれず、交通取り締まりの警察官などが端末でマイナカードを読み取るシステムです。
参考:マイナカードに免許情報記録へ 一体化、住所変更不要に 共同通信(2021年)
マイナンバーカード×保険証。
政府はマイナンバーカードを健康保険証として使用する「マイナ保険証」の国民への普及に働きかけるため、2022年4月の診療報酬改定で新設した医療費の加算措置に対して、将来的に現行の健康保険証の原則廃止を含め見直す方針で検討していることが2022年5月23日、判明しました。医療機関でのマイナ保険証の運用に背中を押すために診療報酬を改正後引き上げましたが、カードを使用する支払いが増加する仕組みは国民の理解されがたく、マイナンバーカードの普及拡大に沿わないと決断しました。
政府は2022年6月上旬に掲げる予定の経済財政運営の指針「骨太の方針」に、マイナンバーカード普及の加速策の一環として、まず2023年4月から原則全部の医療機関や薬局へ、健康保険証とマイナンバーカードを同期した「マイナ保険証」と、医療機関への必要なシステム設置の義務化と関連する財政措置を見直す方針を盛り込みました。
ただ、夏の参院選を控えている事で医療団体の反発を招く恐れもあること背景から、今後段階的なマイナ保険証の縮小も含めて詳細を重ねていき、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)に協議をお願いする指針です。
医療機関や薬局で、専用の機械で読み取ると本人確認が可能で、専用のサイトやアプリで、処方薬や支払った医療費通知の履歴などを管理可能です。この仕組みを導入するには、医療機関や薬局が読み取り機などを完備する必要があります。
厚生労働省によれば、今月2022年5月15日現在で全体の約58%にあたる約13万施設が利用に必要なカードリーダーを申請していますが、新型コロナウイルス感染拡大での対応や、半導体不足で必要な機器が揃っていないため、マイナ保険証の普及のためにはハード面の設置がデメリットとなっています。
参考:<独自>マイナ保険証の加算措置見直しへ 政府、利用者の負担軽減 産経新聞(2022年)
マイナ保険証は、患者が同意すれば診察時に過去の特定健診や処方された薬の情報を医師と共有できるなど、医療の質の向上や業務効率化につながると期待されてます。政府は2023年3月までに全国の病院や診療所、薬局の計22万9528施設で整備したい考えですが、今月2022年5月15日時点で運用を始めた施設はそのうち19%の4万3693にとどまっています。またマイナンバーカードの加入者から申込があれば通常の健康保険証の交付も可能にする仕組みだといいました。
マイナ保険証の問題点
マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」を4月から病院などで使った場合、患者が窓口で支払う医療費が増える。3割負担の人は初診時に21円、再診時に12円上乗せされる。マイナ保険証は政府が昨秋に本格導入したものの普及が遅れており、取り組みを促すために対応病院の診療報酬を引き上げるからだ。唐突な患者へのしわ寄せに反発の声も上がっている。
マイナ保険証は政府のカード普及策の一つで、患者の健康情報を治療に生かす「データヘルス」の基盤に位置付ける。医療機関で機械に読み取らせれば本人確認ができ、薬の処方歴や特定健診の結果を見て治療に生かせる。
専門家によると、「厚労省が引き上げた『診療報酬』ですが、現在マイナ保険証を使える医療機関は14%程度。国は、マイナ保険証をどうしても普及させたい。そこで、マイナ保険証を導入した医療機関は、診療報酬を引き上げることにしました。でも、いつの間にか利用者負担になってしまったんです」と指摘します。
その後、
厚生労働省は2022年8月10日、マイナカードを健康保険証として使用する「マイナ保険証」に関して、通院の時にかかる窓口での追加負担を2022年10月から引き下げる案を締結しました。一般の患者の3割負担の事例で初診の時に21円の負担を6円に引き下げます。これまでの保険証は9円から12円へと引き上げられます。厚労省はマイナ保険証の負担を引き下げて普及を目標にしていますが、追加支払いへの批判から下方修正を求められた件もあります。
中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)が厚労省にこの案を掲示し、この件は了承が下りました。中医協では「罰金と思える様な患者の追加支払いを上げることが理解を得られるのかが疑問」といった健康保険組合連合会から指摘も寄せられていました。
2022年4月から患者がマイナ保険証を使用して通院した場合、診療報酬を加算する仕組みが取り入れられました。初診で70円、再診で40円を追加支払いがあり、医療費の3割を負担する患者のケースで自己負担はそれぞれ21円と、12円増加しました。
2022年10月から始まる新しい追加支払いの仕組みは、マイナ保険証使用の場合の初診の時の20円のみで、窓口負担は6円に引き下がります。再診時の40円は廃止します。一方、これまでの保険証を使った患者がマイナ保険証を導入している医療機関に通院した場合の初診の時の追加支払いは、現在の30円から40円に引き上げます。3割負担の患者の事例では窓口払いが12円と増え、マイナ保険証より支払額が増加します。
診療報酬は医療サービスの仕組みですが、患者から見れば負担増加です。今回はマイナ保険証のサービス整備を一層加速させる狙いから、これまでの保険証の負担を引き上げます。
厚労省は、医療機関などへ、2023年度から専用のマイナ保険証の機械の設置を原則として義務化する方針を練っていて、今回の見直し案で、マイナ保険証としての普及を推し進めたいという思いです。
参考:マイナ保険証、窓口での追加負担引き下げ 反発受け修正 日本経済新聞(2022年)
政府が普及を目指す仕組みを使うと患者負担が増加する形となったのは、追加負担が医療の質の向上につながる対価として位置付けられたためです。マイナ保険証には服薬や特定健診(メタボ健診)の情報が記録されます。医療機関同士で情報を共有すれば、よりよい治療に活用できる可能性があります。
私は身分証の代わりに持っています。
私は運転免許を持っていなくて、保険証と障害者手帳では公的な身分証明にはならない場合もあるので、以前持っていた住民基本台帳カードの有効期限が切れる前に、作りに行きました。住基カードはマイナンバーカードを作りに行った時に、回収されましたが。
私は通院は精神科と内科が3ヵ月に1回、耳鼻科が半年に1回の受診なのですが、再診料も散りも積もれば、という感じでしょうか。私は今のところ同期は考えていません。もしマイナンバーカードと同期するしかなくなれば、その時に考えます。
また2022年度中に政府は、高速道路料金の割引申請にマイナンバーカードを活用し、まずは障害者割引から適用を始めるそうですよ。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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