『中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE』が発売~日本とアメリカの最新情報~

中絶がわかる本

この記事は約 6 分で読むことができます。

MY BODY MY CHOICE~私の体は、私が決める~

出版社のアジュマブックスは、10代のティーンエージャー向けに、カナダで出版され、高い評価を得た新時代のビジュアルブック『中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE』を、全国の書店・ネット書店で発売することを発表しました。

世界で今、認められつつある「女性の中絶の権利」とはどのようなものなのか?

そしてそれは、どのような困難と勇気ある活動によって、獲得されていったのか?

カナダのティーンエージャー向けに書かれた今回の書籍では、中絶の歴史と未来について豊富な資料と共に学ぶことができる一冊になっています。

この一冊の本をご紹介するとともに、現在のアメリカの中絶禁止問題や、日本での経口避妊薬の問題などにも触れていきたいと思います。

『中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE』のあらすじを紹介

あらすじ

カラフルな写真やイラスト、引用文、マンガでわかる安全な中絶について知っておくべきことがたくさんつまった本。世界中で毎年何万人もの女性たちが危険な中絶のために死亡しています。

中絶についてフェミニストたちが戦ってきた歴史を通じて、あらゆるジェンダーの10代から読むことができる新しい性教育と人権の本。

読み終わった時にはエンパワーされた気分になること間違いなし!

リプロダクティブ・ライツについて学ぶ教科書として、子どもから大人までの必読書。

日本の現状もあらたに加筆してお届けします。

中絶がわかる本

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784910276038

引用:アジュマブックス

アメリカの中絶禁止法案のゆくえ

以前にも、AKARIで記事を書かせていただいたアメリカの妊娠15週以降の人工中絶を禁止する法案が、また大きく動こうとしています。

【以前の記事】

妊娠15週以降の人工妊娠中絶を禁じる米南部ミシシッピ州法をめぐり、連邦最高裁が1日、審理を開いた。州法を容認する公算は大きくなっており、来年6月までに出される最高裁の判断次第で、米国における中絶の基準が約半世紀ぶりに変わる可能性がある。

引用:「妊娠15週以降は中絶禁止」 アメリカ連邦最高裁が認める公算

これまでは、アメリカで一番、厳しいといわれていたテキサス州の「中絶禁止法」が一時停止となっていたが、わずか2日後に一時的に復活することになるなど、大きな話題になりました。

アメリカにおける中絶問題は、最高裁が1973年、合衆国憲法によって保障された権利だと初めて認めました。

胎児が子宮外で生きられるようになる「生存能力」を基準に、その前を中絶可能な時期と規定し、現在では「妊娠22~24週」と考えられ、最高裁は92年にも、別の訴訟でこの基準を再確認していますが、今回のミシシッピ州法は2018年に可決されています。

今回、最高裁が州法の合法性を認めれば、73年、92年の両判決がくつがえることになります。

そして、アメリカ国内の20州以上で、今までの中絶基準よりも、厳しい法律ができることになることが予想されます。

中絶禁止

日本では「経口中絶薬」の国内初の承認申請

イギリスの製薬会社が、人工妊娠中絶を外科的な処置をせずに❝薬❞で行う「経口中絶薬」について、国内での使用を認めるよう22日、厚生労働省に国内初の承認を申請しました。

承認されれば国内で初めての経口中絶薬となり、手術を伴わない中絶の選択肢ができることになります。

しかし、日本産婦人科医会は、処方は当面、入院が可能な医療機関で、中絶を行う資格のある医師だけが行うべきだとしていて、木下会長は「医師は薬を処方するだけでなく、排出されなかった場合の外科的手術など、その後の管理も行うので相応の管理料が必要だ」と述べて、薬の処方にかかる費用について10万円程度かかる手術と同等の料金設定が望ましいとする考えを示しました。

では、世界ではどうなのでしょうか?

世界保健機関(WHO)によると、中絶薬は世界65カ国以上で使用が認められており、平均価格は約740円です。

WHOは「中絶は女性や医師を差別や偏見から保護するため医療保険システムに組み込むべきだ」と提言しており、英国やフランスなど約30カ国で公的な医療保険の適用や補助の対象となっています。

中絶だけでなく、胎児が死亡し子宮内に残る「稽留(けいりゅう)流産」の処置にも利用されます。自宅で服用できる国も多く、国際産婦人科連合はオンラインによる遠隔診療での処方を推奨している。

日本がどれくらい「経口中絶薬」について後進国なのかが伺えます。

【経口避妊薬の記事】

最後に

今回は、「中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE」の発売のニュースとともに、日本とアメリカの中絶の最新ニュースをお届けしました。

もちろん、「中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE」の内容も素晴らしいもので、10代というセンシティブな年齢の女の子たちに是非読んでいただきたい一冊になっています。

参考サイト

アジュマブックス

2020年 シーラ・A・エゴフ児童文学賞受賞! 女性の権利の視点から中絶を考えるティーンエイジャー向けの性教育と人権の本『中絶がわかる本 MY BODY MY CHOICE』が発売に!!|有限会社アジュマのプレスリリース

「経口中絶薬」の使用 承認申請 国内初 手術伴わない選択肢 | 医療 | NHKニュース

「妊娠15週以降は中絶禁止」 アメリカ連邦最高裁が認める公算

おすすめ記事の紹介

→HOME

中絶がわかる本

2 件のコメント

  • アメリカに滞在して性教育について調べていたとき、カナダ人から、アメリカの教育内容は遅れている、と言われたことがあります。アメリカの内容が遅れているのは、保守勢力が政治面で依然として影響を及ぼしているためですが、カナダの性教育内容が開放的である理由がどのような背景によるものなのか、掘り下げていっていただけると有難いです。

    • 堀田様、コメントありがとうございます。ぜひ、今後の記事の参考にさせていただきます。ありがとうございました。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。